漢方で寒暖差に負けない体作り


『漢方で寒暖差に負けない体作り』

過ごしやすい季節になってきました。
ただ10月は、”朝晩の気温差”や”月の上旬と下旬の気温差”が大きい時期です。
寒暖差に体が追いつかず、不調がでやすくなる時期でもあります。

 


この時期、季節の変わり目の寒暖差で不調が起こるという方の相談を受けていると、2つのタイプが多いと感じています。


気血不足タイプ
日頃から、疲れやい、過労や病後で体力が低下している、胃腸が弱い、貧血気味、冷え性などでエネルギー(気)と栄養(血)が不足している


瘀血(おけつ)タイプ
偏った食事、運動不足、ストレスが多いなどで瘀血(血行不良)が起こり、栄養が体へ巡らず、五臓の機能が低下してしまっている

 


では、それぞれのタイプ別に漢方薬と養生をご紹介していきます。

<漢方薬>


気血不足タイプ


麦味参顆粒(ばくみさんかりゅう)
健胃顆粒(けんいかりゅう)
当帰建中湯(とうきけんちゅうとう)
補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
婦宝当帰膠B(ふほうとうきこう)
参茸補血丸(さんじょうほけつがん)
心脾顆粒(しんぴかりゅう)

 


瘀血タイプ


冠元顆粒(かんげんかりゅう)
芎帰調血飲第一加減(きゅうきちょうけいついんだいいちかげん)
血府逐瘀丸(けっぷちくおがん)
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
桃核承気湯(とうかくじょうきとう)

 


<養生>
2つのタイプで共通する養生をはじめにご紹介します。


🔸冷たい飲食物は控え、温かい物を摂る

🔸十分な睡眠。日付が変わる前に就寝を

🔸毎日の入浴で、血行促進とリラックス

🔸毎日、適度な運動を。座りっぱなしは避ける


次に食養生をタイプ別にご紹介します。


気血不足タイプにおすすめの食材


にんじん、かぼちゃ、ネギ、ニラ、にんにく、黒ごま
イモ類(じゃがいも、さつまいも、里芋、山芋)
マメ類(納豆、枝豆、そら豆)、味噌
きのこ類(しいたけ、えのきだけ、しめじ)
鶏肉、豚肉、牛肉、レバー <-摂りすぎには注意
栗、りんご


瘀血タイプにおすすめの食材


玉ねぎ、ネギ、にんにく、にんにくの芽
ナス、あずき、黒豆、らっきょう、紫蘇
青魚(さんま、いわし、あじ、さば)
海藻類、黒酢、サフラン


ご紹介した漢方薬は、気血不足でも不調の内容によって変わりますので、来店時にお尋ねください。適した漢方薬をご提案致します。

さあ、今からでも遅くありません。漢方薬と養生の実践で、寒暖差に負けない体作りを目指しましょう(^^)

 


<注意>
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより使う漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談して適切な漢方薬を購入し服用してください。

熊本 菊陽町 菜の花漢方堂

漢方的、風邪の予防と初期対応


『漢方的、風邪の予防と初期対応』

まだ暑さ残る秋分の頃ですが、風邪などウイルス性の感染症が流行っています。
子供が通う学校でもインフルエンザに罹患し休む生徒が急激に増えて驚きました。

これから晩秋、冬と風邪の本格的なシーズンに突入していく前に、風邪の予防、及び初期対応を漢方の視点でお伝えしようと思います。

 


漢方と言うと、漢方薬だけを考えがちですが、


漢方とは
7割 養生
3割 漢方薬、鍼灸など


よって、重要なのは日頃の養生です。

 


まず、風邪予防の養生法からご紹介します。


1)手洗い、うがいをこまめに
2)十分な睡眠
3)過労を避ける
4)冷たい飲食物を避ける
5)足首と手首、首(項背部)を冷やさない
6)汗をかいたりなどで衣服が濡れたら、身体が冷える前に着替える
着替えが無い時は、タオルなどを1枚挟んで冷えを防ぐと良いです
 特に背中は風邪(ふうじゃ)の侵入経路。早めに冷えを防ぐと風邪予防に効果的です。
7)喉、鼻、悪寒、熱っぽいなど、「おやっなんかおかしい」と感じたら、適切な漢方薬をすぐに服用する。
分単位のスピード対応が、悪化の有無を左右します

 


2)~5)は、衛気(えき)という病気から体を守るエネルギー、言い換えると体表のバリア力を落とさないための養生です。ぜひ実践されてみてください。

 


つぎに漢方薬をご紹介していきます。
上述に適切な漢方薬を服用と記載しましたが、店頭では赤い風邪青い風邪という2タイプに大きく分けて、各タイプにあう漢方薬を「常備しておいて、早めに服用するよいです」とお話ししています。

 


◆赤い風邪
熱っぽい、微熱がある、喉が痛い、喉が赤く腫れている、口が乾く


金羚感冒散・錠(きんれいかんぼうさん)
涼解楽(りょうかいらく)

※上記は風邪の初期、1~2日まで向けの漢方薬。長引いた場合は、症状に併せて漢方薬は変わります。

 


◆青い風邪
ぞくぞくと悪寒がする、頭痛がある、肩から項背部にかけてコリがある、汗が出ていない


葛根湯(かっこんとう)

頭痛が強い時は以下を併用。
頂調顆粒(ちょうちょうかりゅう)

※上記は風邪の初期、1~2日まで向けの漢方薬。長引いた場合は、症状に併せて漢方薬は変わります。

 


列挙した漢方薬は、あくまでも風邪の初動対応です。風邪が必ず治る保証をするものではございません。また、高熱、嘔吐、下痢等を伴ったりなど、上記以外の症状がでたり、悪化した場合は、迷わず病院を受診してください。

 


繰り返しになりますが、大切なのは日頃の風邪養生です。
無理せず、冷やさずで、これからの風邪シーズンを元気に健やかに乗り切りましょう(^^)

 


<注意>
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより使う漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談して適切な漢方薬を購入し服用してください。

熊本 菊陽町 菜の花漢方堂

初秋の温燥からくる不調にご用心


『初秋の温燥からくる不調にご用心』

二十四節気の白露を過ぎ、朝晩涼しくなり、夜は虫の声が心地良い季節になってきました。
が、まだまだ日中は暑さが残りますね(^^;

中医学で秋は、燥邪に気をつける季節ととらえます。
そして、暑さが残る初秋は、温燥タイプの不調が多くなります。

例えば、


🔹鼻やノドの乾燥
🔹空咳
🔹微熱、ほてり
🔹切れにくい痰
🔹肌のかさつきや痒み


など

とくに、


・栄養などが十分でないことに起因する潤いと元気不足の方(気陰両虚)
・貧血傾向の血不足な方(血虚)
・乾燥しやすい津液不足の方(陰虚)
・食に偏りがある方(痰飲)


などは上記不調に陥りすいので、ケアが必要です。

ケアのポイントとしては、


・潤い(栄養、血、水)を補い養い整える
・体の余分な熱は瀉す
・乾燥を防ぐ


です。

では、初秋の温燥時期にオススメの漢方薬の一例と養生をご紹介していきます。


<漢方薬>


栄養が十分とれず元気不足の方(気陰両虚の方へ)


麦味参顆粒(ばくみさんかりゅう)
味麦地黄丸(みばくじおうがん)
杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)
六味丸(ろくみがん)
逍遙顆粒(しょうようかりゅう)
亀板製剤(きばんせいざい)

 


体に熱がこもり気味な方


瀉火補腎丸(しゃかほじんがん)
加味逍遙散(かみしょうようさん)
清営顆粒(せいえいかりゅう)

 


おもに貧血など血不足の方へ


婦宝当帰膠B(ふほうとうきこう)
心脾顆粒(しんぴかりゅう)
参茸補血丸(さんじょうほけつがん)
四物湯(しもつとう)

 


<養生>


🔸オススメの食べ物で熱瀉滋潤
梨、ぶどう、柿
ごぼう、山芋、里芋、れんこん、ゆり根
はちみつ、温かい緑茶


🔸甘い物、辛い物、味の濃い物、アルコールは控えめに
バランスの良い食事を心がける


🔸十分な睡眠をとる
秋の夜長ですが、日付が変わる前には就寝を


🔸お通じを整え、毎日の排便心がける

 


養生はできるところから始めてください。秋のスタートを元気に健やかに過ごしましょう😊

 


<注意>
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより使う漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談して適切な漢方薬を購入し服用してください。

熊本 菊陽町 菜の花漢方堂