漢方でお通じを整え、便秘知らず


『漢方でお通じを整え、便秘知らず』

今夏は暑い日が続き、大量に汗💦をかくため、体の水分バランスが崩れ、便秘になる方の相談が多かった印象があります。
また、水分バランスの崩れ以外にも便秘は原因はいくつかあります。原因を挙げながら、その対策の漢方薬と養生の一例をご紹介します。

 


原因1)水分バランスが崩れての便秘
繰り返しになりますが、この夏多かった便秘のタイプです。暑さでこもった体内の熱を逃がすため、体は大量の発汗💦で体温を下げようとします。この急激な水分減少により、血中の水分量も急激に減るため、血中の水分を維持しようと、優先的に血中へ水分集めます。この時、腸管などの潤いが減少、便秘を起こしやすくなります。


<漢方薬>
予防には、潤いを補う漢方薬


生脈散(しょうみゃくさん)
麦味参顆粒(ばくみさんかりゅう)
天王補心丹(てんのうほしんたん)


便秘になってしまった時は


調胃承気湯(ちょういじょうきとう)
麻子仁丸(ましにんがん)


<養生>


🔸こまめな水分補給
ミネラルを含み、かつ冷えすぎていない飲料水で補給しましょう

🔸冷房などで急激に身体を冷やさず、程よく汗をかかせて体の熱を放熱させる
冷房で体の表面が冷えると汗腺が閉じて、身体の中に熱がとどまりやすくなる。そのこもった熱で水分が減少し便秘を招くこともあります。

 


原因2)血不足による便秘
血によって体中に潤いを運ばれます。よって、日頃から血不足気味や、出血などで血の量が減れば、腸管内の潤いが減り、腸管への栄養も不足するため、蠕動運動などの働きも低下し、便秘を起こしやすくなります。


<漢方薬>
補血の生薬を含む漢方薬を使い、日頃から血を補うことで、便秘になりにくい体作りを目指します。


便秘予防に
婦宝当帰膠B(ふほうとうきこう)
参茸補血丸(さんじょうほけつがん)
心脾顆粒(しんぴかりゅう)


便秘になってしまった時(上記、予防の漢方薬を併用しながらが良いです)
調胃承気湯(ちょういじょうきとう)
麻子仁丸(ましにんがん)


<養生>
日頃から血を補う生活習慣を実践し、血不足を解消しておく


🔸バランスの良い食事
タンパク質、ミネラル、ビタミンなどをバランスよく取る
🔸朝、昼の食事をしっかりとる
🔸冷たい飲み物と一緒に食事をしない
🔸十分な睡眠を取る
🔸適度な運動で体に筋肉をつける

 


原因3)ストレスによる便秘
仕事、緊張を強いられる環境、新しい環境で慣れていないなどでストレスを受けると、気の巡りが滞ります。これを気滞と呼びます。気の巡りは、自律神経と深く関係しており、腸の働きが悪くなり便秘を起こします。


<漢方薬>
便秘予防は、日頃から気を巡らす生薬を含む漢方薬で気滞を改善することで、便秘になりにくい体作りを目指します。


便秘予防
逍遙顆粒(しょうようかりゅう)
四逆散(しぎゃくさん)


便秘になってしまった時(上記、予防の漢方薬を併用しながらが良いです)
桃核承気湯(とうかくじょうきとう)


※自律神経が乱れている時は、便秘と下痢を繰り返す場合があります。この時は、無理に便を出す漢方薬を使わず、自律神経を整えることに重点をおくと良いです。

 


<養生>


🔸上手にストレスを発散する
趣味・スポーツに没頭、仲の良い友達とおしゃべり、アロマ等
🔸深い深呼吸で自律神経を整える
🔸食事に香草野菜を摂り入れ、気のめぐりを整える

 


以上です。
毎日お通じがないと、心身とも不調が生じやすくなります。便秘気味の方は、他の不調を招く前に是非ご相談ください(^^b

 


<注意>
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより使う漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談し、適切な漢方薬をご購入ください。

熊本 菊陽町 菜の花漢方堂