唾液(だえき)は健康のバロメーター


『唾液(だえき)は健康のバロメーター』

口腔ケアのお話は、テレビやインターネットでよく耳にします。漢方でも口腔ケアは、健康を維持するうえで大事な要因と考えます。特に唾液は、体の調子を反映するバロメーターであるため、唾液に関する質問は相談でもよくします。

ちなみに漢方で唾液は、津液(しんえき:血液以外の体内の水液)に属し、涎(よだれ)唾(つば)に分けて考えます。


は、涎(よだれ)
は、唾(つば)


と深く関連します。


脾が弱ると気血水を体に留める力(固摂作用:こせつさよう)が弱くなるので、口から涎(よだれ)がでやすくなります。いわゆる唾液過多です。加えて、体の芯(脾を含む)が冷えることでも、脾が弱るため、口中に唾液が増えます。


腎が弱ると、潤いの不足、水の巡りの悪化が起こり、唾が出にくくなります。いわゆるドライマウスです。ドライマウスは、乾燥で細菌が増え、虫歯、歯周病になりやすくなります。高齢者ですと、唾液の減少で飲み込みにくくもなるため、細菌の繁殖も含め、誤嚥性肺炎の原因になります。


整理すると、唾液は、多すぎても少なすぎても体に害を及ぼすため、唾液が適切な量でることは、健康にとって欠かせないものです。

では、唾液が多い場合、少ない場合に対して漢方薬の一例をご紹介します。
<漢方薬>


◆脾が弱っての唾液過多


弱っている脾を立て直すことで、涎を留める力を取り戻す
補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
イスクラ 健胃顆粒(けんいかりゅう)


体の芯(脾を含む)が冷えをとり、涎を留める力を取り戻す
人参湯(にんじんとう)
小建中湯(しょうけんちゅうとう)
呉茱萸湯(ごしゅゆとう)


◆腎が弱っての口渇


腎の弱りを立て直し、潤いを補うことで、口中の潤いを取り戻す

イスクラ 八仙丸(はっせんがん)
イスクラ 杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)
イスクラ 瀉火補腎丸(しゃかほじんがん) <- ほてりが強い場合


<養生>


🔶胃腸に負担をかけない
暴飲暴食、冷たい物の飲食、刺激物の食べ過ぎを避ける


🔶体の冷えを防ぐ
温かい衣服、入浴、就寝時は布団で体を温め、冷やさない


🔶十分な睡眠をとる
慢性の寝不足は、腎を傷め弱らせます。日付が変わる前に就寝しましょう


🔶ドライマウスの方は、耳下腺、顎下腺、舌下腺をマッサージして唾液を促しましょう(それぞれ、優しく10回程押してマッサージましょう)
食事前に行うと、唾液がしっかりでて、消化を助け、飲み込みやすくなりますよ(^^b



男女とも、40代以降になると口腔トラブルが増加します。口の唾液をケアすることで、口腔トラブルを防ぎ、健康維持を心がけましょう。

 


<注意>
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより使う漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談し、適切な漢方薬をご購入ください。

熊本 菊陽町 菜の花漢方堂