漢方で老化を遅らせよう


『漢方で老化を遅らせよう』

漢方では、体を「肝、心、脾、肺、腎」と5つの臓に分けて、病の診断に役立てています。その中で、老化に深く関連するのは、「腎」という臓です。ちなみに現代医学でも、腎臓の中ではたらくクロトー遺伝子が老化に深く関係することもわかってきています。

漢方の「腎」という臓は、生殖、内分泌、免疫、造血、代謝など、人体にとって重要でとても細かいレベルを含んでおります。これらが弱れば、体はどんどん老化の一途をたどります。

よって、この腎が弱ってきたときは、弱りを補う補腎薬が必要になります。そして、この補腎薬を体の隅々まで届けることが重要であるため、血の巡りをよくすること(活血)も大切になってきます。

まとめると、老化を遅らせて、活き活きした体を保つには、補腎(ほじん)活血(かっけつ)の2つをケアしていかなければなりません。ちなみに漢方では、男性も女性も30代後半以降は老化が進むと考えますので、早めのケアをお勧めします。

では、上記を踏まえて、補腎と活血の漢方薬の一例と養生法をご紹介します。


<漢方薬>

腎を補う(補腎)


霊鹿参(れいろくさん)
参茸補血丸(さんじょうほけつがん)
参馬補腎丸(じんばほじんがん)
六味丸(ろくみんがん)
八味地黄丸(はちみじおうがん)
牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)
杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)
八仙丸(はっせんがん)
瀉火補腎丸(しゃかほじんがん)
亀板製剤(きばんせいざい)

 


血を巡らす(活血)


冠元顆粒(かんげんかりゅう)
芎帰調血飲第一加減(きゅうきちょうけついんだいいちかげん)
四物湯(しもつとう)
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

 


※補腎、活血の漢方薬は、その方の現在の体質により異なってきます。ご相談いただき、適切な漢方薬を服用することを推奨します。

 

 


<養生>
人が生きる上で欠かせない、食べる、寝る、動く、排泄するという点を大切にするのが養生のポイントです。


🔶食事は、温かいものをとる
冷たい飲食物、なま物は、極力控える


🔶23時頃には就寝し、年齢に応じた睡眠時間をとる


🔶毎日、体を動かす
デスクワークなどで運動不足の方は、車を使わず歩く、ながらでも良いので部屋で運動するなどを心が得る


🔶毎日、お通じがあるように胃腸を整える
便秘気味の方は、毎日お通じがあるまでは、漢方薬の力を借りましょう


🔶こまめな水分補給で、適切な量の排尿を
尿の回数の目安は、1日5~6回程度。
尿の色が濁っていないか、異常に泡立っていないかなど確認しましょう


以上です。腎の弱りがあれば漢方薬の力を借りながら、養生で生活習慣を正し、老化を遅らせましょう。理想は、いつまでも自分の力で食べて、動いて、排泄し、しっかり寝ること(^^b

 


<注意>
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより使う漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談して適切な漢方薬を購入し服用してください。

熊本 菊陽町 菜の花漢方堂

春の不眠は漢方で解消!!


『春の不眠は漢方で解消!!』

春のこの時期、眠りに関する相談が増えます。
相談内容としては、


・寝付きが悪い
・眠りが浅い
・早く目が覚めてしまう(早朝覚醒)


などです。

漢方の視点で考えると原因は様々です。
しかし、もともと以下に説明する素体、体質等があり、そこへ温かくなる春の熱が加勢して、この時期に眠りの悩みが出てくると思われます。


🔹寝付きが悪い方に多いのが・・・肝の不調
ストレスでのイライラや思い悩みすぎで、肝に熱を持ち、その熱が頭へ上昇して眠りを妨げるパターン


🔹眠りが浅い方に多いのが・・・血の不足
血不足で、十分に頭を滋養できないため、眠りが浅くなるパターン


🔹早く目がさめてしまう方に多いのが・・・腎の虚弱
漢方で腎とは、成長、生殖、内分泌などが含まれます。腎機能の衰え、例えば睡眠ホルモンが十分に生成できないため、早く目が覚めてしまうパターンがあります。


※50代以降は、10代~20代と比べて必要な睡眠時間は減ります。必ず7,8時間寝ないといけないということではありません。年齢により適切な睡眠時間がありますことご留意ください。

 


上記症状が、1週間以上続いてくると、昼間の生活に支障がでたり、別の不調へつながるため、早めに漢方薬や養生で対処したいですね。それでは、上記3つの眠りの悩みに対する漢方薬の一例をご紹介いたします。


<漢方>


【おことわり】
以下にご紹介する漢方薬は睡眠薬ではございません。原因に対して漢方薬を用いて、その原因が改善することにより、良い睡眠が戻るという考えでご紹介しています。


◆寝付きが悪い方


温胆湯(うんたんとう)
逍遥顆粒(しょうようかりゅう)
酸棗仁湯顆粒(さんそうにんとう)
柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)

 


◆眠りが浅い方


心脾顆粒(しんぴかりゅう)
婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)

※血不足の場合は、血が戻るのに例えば数ヶ月の単位で時間がかかります。よって、眠りの改善も同じくらい時間がかかることが多いです。

 


◆早く目がさめてしまう方


六味丸加減剤(ろくみがんかげんざい)<-八味地黄丸など体質により方剤は変わります
亀板配合製剤(きばんはいごうせいざい)
天王補心丹(てんのうほしんたん)
桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)

 


<養生>


🔶朝の陽光を浴びて、体内時計を整える。


🔶タンパク質を含む、朝食を食べる
朝食でとるタンパク質が睡眠ホルモンの材料になります。


🔶お昼以降、カフェイン摂取(コーヒー、エナジードリンク等)を控える
カフェインの代謝は時間がかかる為


🔶夜の入浴で体の芯を温める


🔶寝る前の水分補給は程々に
トイレが近くなり、眠りが浅くなる為


🔶寝付きを良くする寝酒は控える
眠りが浅くなり、夜中に目が覚めやすくなる為


🔶睡眠の1時間くらい前からスマホやテレビ等の視聴は控える
強い光が目に入ると脳が覚醒し寝付きが悪くなる為

 


以上、ご紹介した漢方薬や養生が、質の良い睡眠をもたらし、健康な生活を送る一助になれば幸いです。

 


<注意>
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより使う漢方薬は変わります。
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暮らしに役立つ漢方情報<目次>

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20240401 痔(ぢ)は早めに漢方で治そう


20240325 春は漢方でニキビ予防&対策


20240318 漢方で丈夫で健康な骨づくり


20240311 春の不調は漢方で~情緒編~


20240304 春の不調は漢方で~胃腸編~


20240226 五十肩は、養生と漢方薬で


20240219 デスクワーク、スマホ姿勢からくる肩こり対策


20240205 唾液トラブルは漢方で解消


20240129 漢方で快眠


20240122 漢方でストップ花粉症


20240115 漢方で防ごう!!膀胱炎、尿道炎


2023年


20231225 年末の疲れは漢方で


20231219 漢方で寒さ対策


20231211 冬の関節痛対策


20231204 鼻みず鼻詰まりは寒熱を見極めて


20231127 目眩(めまい)は、漢方で解消!!~その4~


20231120 目眩(めまい)は、漢方で解消!!~その3~


20231113 目眩(めまい)は、漢方で解消!!~その2~


20231106 目眩(めまい)は、漢方で解消!!~その1~


20231030 胃の不調(機能性ディスペプシア)は漢方で治そう


20231023 実りの秋!!漢方で貧血を治そう


20231016 唇の荒れは漢方で~体の中からケア~


20231002 漢方で寒暖差に負けない体作り


20230925 漢方的、風邪の予防と初期対応


20230911 初秋の温燥からくる不調にご用心


20230904 その不調、秋バテかも


20230828 漢方でスッキリ便秘解消!!


20230821 夏場の足のつり対策


20230807 クーラーによるノドの痛みは漢方で解決


20230725 夏本番!!漢方で夏バテ知らずに


20230717 夏は皮膚トラブルにご注意を


20230710 食欲不振の漢方薬


20230704 口臭が気になったら漢方で改善


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20230619 漢方でむくみ予防


20230612 夜になるとでてくる不調に


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20230522 これからの暑い時期に気をつけたい事


20230515 血の巡りを良くしよう


20230508 爪から体の状態を知ろう漢方


20230501 ノドの痞(つか)えがとれない時の漢方


20230424 漢方で疲れ知らず!!GWを楽しもう(^^)


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20230410 赤みの症状は血熱かも


20230327 春の食材でデトックス


20230320 お花見時期の胃腸ケア


20230313 春の不眠


20230306 春の不調と漢方


20230227 漢方で花粉症対策