
『怒りの不調は漢方でケア』
漢方では、病因の中で、体の中からが原因となる内因と言うものがあります。
内因は、七情(しちじょう)と言って情緒が主となります。
七情の種類(カッコ内は主に影響する臓腑)
喜(心)
怒(肝)
憂(脾)
思(脾)
悲(肺)
恐(腎)
驚(腎)
今回は、その中でも「怒」に関してお話します。
まず、
①なんかイライラ
②怒りやすい
③我慢している(思うようにいかずに)
④ため息がよく出る
など、心当たりがありますか?
①、②は、怒りだなと納得がいくと思います。
③、④も?と思われた方は多いのではないでしょうか。
カァーっとなって顔を真っ赤にして怒るだけが怒りではありません。
自分の思うようにいかなかったり、諦めていることも怒りに入ります。
③、④のような静かな怒りもあるのです。
ちなみに、相談時、これは”静かな怒り”だなと判断するのは
・思い通りにならなくて我慢からの怒り
・不公平なことへの怒り
・他の人の悪い行いをみて怒りを感じる
・家族、友人を守ろうとして怒る
・他人と自分を比較しての嫉(そね)み、妬(ねた)み
です。
とても多くの方に該当するのではと思います。
体に現れる不調としては、
・胸脇部(横隔膜、脇あたり)が脹り、苦しい
・便秘、下痢を繰り返す
・ゲップやガスが多くなる
・眠れず、よく夢をみたりする
・のどに物がつまったような感じがする(梅核気とも言う)
などが症状として現れます。
このような状態を漢方では、気が滞っている(気滞:きたい)と捉えます。
気滞は、「肝」という臓を傷めます。「肝」は、 疏泄(そせつ:自律神経の働きに似たもの)をつかさどるので、肝が傷められると自律神経系に支障をきたしやすくなります。
上述した怒りが程々で、ストレスがたまることなく発散されていれば体に症状として出てくることはありません。
ただ、現代はSNS、ニュースなどから得る情報が多く、自分とは関係ないことに対して怒りを覚えたりして、知らないうちに肝を傷めてしまっていることが非常に多いです。
相談でも、「特にストレスは溜まっていないと思う」とご自身でお話されるかたでも、話を聞いていると気滞の症状がでている方は多くおられます。
ということで、今回は、怒りからくる症状へご提案する漢方薬と養生をご紹介します。
<漢方薬>
◆イライラ、不安があるとき
逍遙顆粒(しょうようかりゅう)
加味逍遙散(かみしょうようさん)<-ほてりなど熱感を伴う時
併せて便秘を伴う時
桃核承気湯(とうかくじょうきとう)
◆胸脇部の脹るような痛みがある時
柴胡疎肝湯(さいこそかんとう)
開気丸(かいきがん)
◆みぞおちのつかえ、食欲不振、ガス、ゲップが多くなる
柴芍六君子湯(さいしゃくりっくしんしとう)
◆喉のつまりがあるとき
半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)
◆考えすぎて眠れない、夢をよく見る
柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼうれいとう)
温胆湯(うんたんとう)
<養生>
🔶余計な情報を避ける
ストレス要因になるニュース、SNSなどの情報を避けることが大事です。
🔶ストレスをためないよう発散する
心許す友達や家族とおしゃべり、運動、推し活、趣味に没頭、ゆっくり入浴、アロマ
🔶暴飲暴食、冷たい飲食物をさける
弱っている胃腸へこれ以上負担をかけない。たくさん食べてストレス解消はNG
🔶日付が変わる前に就寝する(しっかり睡眠をとる)
生活リズムを整えて、自律神経を乱さないようにする
🔶朝の日差しを浴びてリフレッシュ
朝日の陽光を浴びると幸せホルモンであるセロトニンがでて、ストレスを和らげてくれます
🔶気滞解消のおすすめ食材
香草野菜(セロリ、春菊、三つ葉、しそ)
柑橘類(オレンジ、みかん、グレープフルーツ、レモン、ゆず)
苦うり、レバー(牛、豚)イカ、あさり、しじみ
漢方薬と養生でうまく怒りを溜めずに発散して、心身ともに健康に過ごしましょう。(^^)
<注意>
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより使う漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談し、適切な漢方薬をご購入ください。
熊本 菊陽町 菜の花漢方堂


