男性更年期障害による不調は漢方で対処と予防


『男性更年期障害による不調は漢方で対処と予防』

更年期障害というと女性に多いというイメージが強いですが、男性更年期障害の相談も増えています。

男性更年期障害とは、男性ホルモンのテストステロンが低下することによって起こる様々な不調のことを指します。


・疲労
・倦怠感
・ほてり
・多汗
・頻尿
・ED(性機能の低下)
・意欲の低下
・イライラ、不安
・不眠
・集中力の低下
・性欲の低下
など


ひと昔前は、男性更年期という言葉も浸透していなかったこともあり、「年を取って、元気がなくなってきた」程度で受け取られ、どちらかというとわからないまま過ごしていました。
しかし、50、60代でもバリバリ働く現代では、体も気持ちも元気を維持できないと仕事に支障が出てくるため、問題になっています。

更年期障害が起こるタイミングとして、女性の場合、閉経する50才前後5年あたりと期間が特定されているので、更年期障害による不調だと判断がつきやすいです。しかし、男性の場合、40才以降からテストステロンが低下し始めてから、いつ更年期障害による不調が発症するかわかりません。(補足:更年期障害による不調が全く現れない人もいますし、逆に強く不調が出る人もいます。)

漢方の視点で男性更年期障害を考えてみます。まず、男性更年期障害に深く関係する男性ホルモンは腎に属します。よって、男性更年期障害の基本は腎の弱り(腎虚:じんきょ)と捉えます。漢方薬で対処するときは、腎を補い、腎機能を低下させないことに注力します。

 


では、男性更年期障害によりおこる様々な不調に対して使う漢方薬をご紹介します。


※【注意】男性更年期障害の効能をもった漢方薬はありません。よって、出ている症状に対して、漢方薬を使っていきます。


<漢方薬>


◆疲労倦怠感
能活精(のうかっせい)
霊鹿参(れいろくさん)
麦味参顆粒(ばくみさんかりゅう)
亀板製剤


◆ほてり、のぼせ
杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)
六味丸(ろくみがん)
亀板製剤


◆頻尿
八味地黄丸(はちみじおうがん)


◆不眠
天王補心丹(てんのうほしんたん)
心脾顆粒(しんぴかりゅう)
温胆湯(うんたんとう)

 


<養生>


🔶食事は3食摂る
魚、肉、大豆類でタンパク質をしっかりとり、以下の食材を日頃の食事に取り入れましょう。


<おすすめ食材>
黒ごま、黒キクラゲ、黒豆、黒酢
ナッツ類(くるみ、落花生、アーモンド、松の実等)、
きのこ類(しいたけ、しめじ、なめこ等)
海藻類(ひじき、のり、わかめ、昆布、もずく)
イモ類(山芋、長芋、自然薯、里芋)

 


🔶十分な睡眠をとる(日付が変わる前に就寝を)
テストステロンは眠っている間(特に夜中の1~3時頃)分泌されます


🔶ストレスを溜めない
ストレスはテストステロンを減少させるので


🔶1日10分以上、筋肉を使う運動をしましょう


🔶適度な競い合いを行いましょう(スポーツ、ゲームなど)


🔶背筋を伸ばして、胸を張りましょう(特にデスクワークの方は意識して)

 


男性更年期障害による不調は、経験上、すぐに回復することはないと考えています。半年、1年のスパンで、不調に対峙していく必要があります。よって、養生も漢方薬も、気張らず気軽に、続けれる範囲で長く続けることが大事です。

男性更年期障害による不調でお悩みの方、または予防をご希望の方は、まずはご相談ください。


<注意>
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより使う漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談し、適切な漢方薬をご購入ください。

熊本 菊陽町 菜の花漢方堂