日本の夏は、胃腸が冬


『日本の夏は、胃腸が冬』


冷蔵庫は、半世紀前の1975年にはほぼ全世帯で普及し、エアコンは、1990年頃には8割以上、今では9割の世帯で普及しています。

今の日本の夏は、屋内に入ると涼しく、その中で冷えた飲食物(ジュース、アイス等)を食べることにより、胃腸を冷やし、体に冬の状態をつくってしまっているのが現状です。

 


この時期、当店では胃腸が冷えることによる次のような急性不調での相談が増えます。
腹痛、下痢、軟便、消化不良

 


ということで、今回は上記の不調に対する漢方薬をご紹介していきます。


まず、腹痛、下痢、軟便が起こっている時。漢方薬で胃腸をあたため回復を目指します。


1)附子理中湯(ぶしりちゅうとう)
2)理中湯(りちゅうとう)
3)大建中湯(だいけんちゅうとう)
4)小建中湯(しょうけんちゅうとう)

※1)~3)は成人に使うことが多く、4)は小児または高齢者に使うことが多いです。

 


もし、下痢が強く出ている時は以下を併用したりします。


5)健脾散エキス顆粒(けんぴさんえきすかりゅう)

 


消化不良が続く時は以下を併用したりもします。


6)加味平胃散(かみへいいさん)
7)健胃散顆粒(けんいかりゅう)

 


症状が長引く場合は、寒湿困脾(かんしつこんぴ)と言って
胃腸が冷えて不要な水が溜まり胃腸機能を低下させてしまっています。上記とは違う漢方薬の出番になりますのでご相談ください。

 


気をつけたいのが腹痛等の症状が漢方薬でとれると、冷たい物をすぐに摂る方がおられます。
症状はとれていますが、胃腸はすぐには回復していません。
再発しやすくなると共に、長期間、胃腸を冷やしていると重大な疾患へと繋がっていきます。


★冷たい飲食物は極力控えましょう。


 

冷たい飲食物で上記症状になりやすい方は、ご家庭に紹介した漢方薬を常備しておくと、急性の症状に対応できますよ(^^)

繰り返しになりますが、冷たい物を控えて、暑い時期を元気に乗り切りましょう(^^)

 


<注意>
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより使う漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談して適切な漢方薬を購入し服用してください。

熊本 菊陽町 菜の花漢方堂