冷え性

冷え性の相談は、秋冬だけが多いと思われがちですが、一年を通して相談がある症状です。
冷えにも色々あります。相談を受けていて多いのは


1)手足の冷え
2)下半身の冷え
3)お腹あたりの冷え
4)体全体の冷え


です。この主な4つの冷え症状に対しての発生原因、及びよく使う漢方薬の一例や養生をお話します。

各症状ごとにリンクを張っていますので、クリックしてご参照ください。

『冷え性』

<徒然養生>


冷え性

冷え性の相談、多いです(^^;
私は、冷え性の相談を受けた時、大きく3つに分けて原因を検討します。(因みに原因が重なることもあります。)


(1)「陽気不足」


いわゆるエネルギー不足です。
虚弱体質、高齢者、長期の病気での虚弱者に多く、温かい衣服を着ていても冷えを訴えるタイプ。
疲れやすい、浮腫、下痢、易感冒なども併せて訴えることが多いです


(2)「陽気鬱阻(ようきうつそ」


いわゆるストレスなどで陽気や血、水の巡りが悪くなり冷えを訴えるタイプ
口渇、胸や脇あたりの脹痛、イライラも併せて訴えることが多いです


(3)血虚or瘀血


血不足または血の滞りのため、末端まで栄養が届けられず身体を温煦できず冷えを訴えるタイプ
貧血や肩こり、女性の場合は生理不順・生理痛なども併せて訴えることが多いです


各タイプで使う漢方薬は変わります。
陽気不足であれば補陽補気、陽気鬱阻であれば疏肝理気、血虚or瘀血であれば養血活血の漢方薬をメインに使います。人によっては、体質に併せて他の漢方薬を追加したりもします。

 


そして、最も大切なのは、日頃の養生!!


<冷え性の養生>


1)冷たい飲食物、生ものを避ける。


冷え性なのに、コタツへ入りながらや暖房の効いた部屋でアイス食べてる人が意外と多い(^^;


2)お風呂にしっかり入る


温かいお風呂に入ると気血水が手先足先まで巡り冷えに効果的です。むくみも解消されやすくなります。


3)適度な運動を行う


体を動かせる人は、少し息が上がるくらいの運動を1日30分くらいすると良いです。お風呂と同じで、気血水が手先足先まで巡り冷えに効果的です。


4)体を温め陽気を養う食材を摂る


にら、ねぎ、しょうが、にんにく、しそ
かぼちゃ、山芋、きのこ類、大豆製品、えび、羊肉、紅茶、シナモンなど


を食事に取り入れましょう


上記、養生、漢方薬で冷え性が少しでも和らげば幸いです(^^)

 

熊本 菊陽町 菜の花漢方堂

頭痛(体の内部が原因の内傷頭痛)

内傷頭痛は、体の臓腑の機能失調が原因で起こる頭痛です。

どの臓腑が頭痛の主な原因になっているかを推測するとき、
併発する症状を1つの目安にします。

【内傷頭痛と併発する症状】

・食欲が無く・食べれていない
・疲れやすい
・貧血気味でめまいがする
・過度なダイエットしている
が主に失調している可能性が高いです
->『「脾」が影響する頭痛』をご参照下さい

 


・強いストレスを受けている
・イライラする
・自律神経の失調
・めまい・ふらつきがある
が主に失調している可能性が高いです
->『「肝」が影響する頭痛』をご参照下さい

 


・寒がる、手足が冷える
・めまい、耳鳴り
・腰がだるい
・長く病気を患っている
が主に失調している可能性が高いです
->『「腎」が影響する頭痛』をご参照下さい

 


 


内傷頭痛は、原因が1つではなく、複数が絡んでいる場合が多いです。
また、日々の生活習慣から頭痛の原因が作り出されていますので、養生と漢方薬を組み合わせて治していくことが大切です。


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《「脾」が影響する頭痛》

脾は、食べ物を消化し、摂り入れ、栄養分を上に引き上げる機能を持ちます。
脾の機能が失調すると以下に示す、栄養が届かない、足りないための頭痛が起こります。

気虚頭痛・・・頭まで栄養が届ける力が無くて起こる頭痛
血虚頭痛・・・頭に送る血に栄養/量が足りなくて起こる頭痛
痰湿頭痛・・・溜まった湿が、栄養を頭へ送ることを阻害して起こる頭痛

<漢方での対応>
脾の機能を回復させ、気(エネルギー)・血を補い、湿を取り去るなどの漢方を組み合わせて治していきます。


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《「肝」が影響する頭痛》

肝は、血を蔵し、体の巡り制御する(疏泄)作用を持ちます。
この肝の機能が失調すると、頭へ陽気が上がりすぎ、頭痛を起こします。
肝に関する頭痛は急性、慢性のどちらでも起こります。

急性の一例として、強い怒りとともに疏泄作用が失調し、頭へ熱があがり頭痛が生じる
慢性の一例として、肝と脾はつながっており、脾の機能が失調し、材料不足から血が作り出せず不足し、
肝に蔵する血が不足し、陽気をとどめておくことができず頭に上り頭痛を起こします
脾が影響する頭痛とも言えます。

<漢方での対応>
頭に昇った陽気を下げる、血を補う、肝の機能を回復させるなどの漢方薬を組み合わせて治していきます。


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《「腎」が影響する頭痛》
腎は、発育成長、生殖機能を担う生命活動のエネルギー(腎精)を貯蔵する働きを持ちます
加齢、過労、長期の病気などで腎精がなくなり、腎の機能が失調すると、
体を温めることができなくなり、寒が生じ、血管が収縮するなどで血液が滞り、栄養が頭へ行き届かず頭痛が起こります。
腎精は血を作る元であり、腎精の不足は血の不足を招き、先に述べた血虚頭痛を起こします。

<漢方での対応>
腎精が不足により、脳を養うことができず、かつ体を温める力も無くなっています。
腎精を補う、体を温めるなどの漢方薬を組み合わせて腎の機能を回復させ、頭痛を治していきます。


繰り返しになりますが、日々の生活習慣から頭痛の原因が作り出されています。養生と漢方薬を組み合わせることが大切です。