目眩(めまい)は、漢方で解消!!~その2~


『目眩(めまい)は、漢方で解消!!~その2~』

目眩(めまい)にも色々ありますが、今回はふわふわと浮いているような感覚がある目眩への漢方薬をご紹介します。

相談では、


🔹ふわふわと浮いている感じ
🔹ベッドの上を歩いてる感じ
🔹雲の上を歩いている感じ
🔹回転ではない。フワッとする感じ


などと表現されるお客さんが多いです。

何らかの原因で、体内にて病的な水が少し粘度を増した状態を痰湿(たんしつ)と言います。この痰湿が頭部で水滞を招くことで上述のような目眩が起こりやすくなると漢方では考えます。


何からの原因の一例


🔹冷たい飲食物をよくとる
🔹脂物、甘い物、味の濃い物の摂り過ぎ(偏食)
🔹アルコールの摂りすぎ
🔹栄養に偏りがある(貧血気味、カルシウム不足)

 


それでは、浮いたように感じる目眩(めまい)に対して使う漢方薬をご紹介します。

<<漢方薬>>


◆ファーストチョイスで使う漢方薬が


苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)


胃腸を整えかつ利水作用をもつ茯苓、白朮で水の巡りを良くし、桂皮で温めて頭部への血行をよくすることで目眩を楽にしてくれます。

 


また、めまいに痰湿以外の原因が伴う場合は、次のような漢方薬を併用して使うことがあります。一例を示します。


◆血不足を伴う場合


苓桂朮甘湯 + 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)


(ただし、血不足の改善には数ヶ月以上かかることが多いです)

 


◆冷えを伴う場合


苓桂朮甘湯 + 乾姜甘草湯(かんきょうかんぞうとう)

 


◆カルシウム不足を伴う場合(耳石はがれ等、耳石の不調が目眩の原因になります)


苓桂朮甘湯 + カルシウム補給 <-漢方薬ではありませんがとても重要です


(カルシウムは、ビタミンDを含む食材と一緒にとると効率よく取り込めますよ)

 


次に、目眩(めまい)を起こしにくい体作りの養生をお伝えします。

<<養生>>


🔶脂物、甘い物、味の濃い物を控える
甘い物、味の濃い物は摂りすぎると水の巡りが悪くなり、水が滞りやすくなります。


🔶バランスの良い食事を心がける


血不足の場合は
タンパク質(肉、魚、大豆)、鉄、ビタミンC、B群、葉酸など

カルシウム不足の場合は
豆腐、納豆、切り干し大根、ししゃも、小魚、さくらえび、海藻、小松菜
などを、
卵、さけ、さんま、まぐろ、さば、しらす、ブリ、あじ、干ししいたけ、まいたけ
などと一緒に摂ると良い。


🔶冷たい飲食物を極力摂らない
気血水の巡りが悪くなり、水が滞りやすくなります。


🔶適度な飲酒と休肝日をもうける
過度な飲酒は利尿作用で水分が通常より多く出てしまい、またアルコールの分解に水を使うので、水分バランスが崩れやすいです。程々に(^^;


🔶適度な運動を心がける


気血水が巡り、適度な発汗は余分な水を体から出してくれます

 


以上です。

目眩(めまい)でお困りの方は、お気軽にご相談ください😊
体質をしっかり見定めて、適切な漢方薬と養生をお伝えします。

 


<注意>
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより使う漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談して適切な漢方薬を購入し服用してください。

熊本 菊陽町 菜の花漢方堂

目眩(めまい)は、漢方で解消!!~その1~


『目眩(めまい)は、漢方で解消!!~その1~』

目眩(めまい)にも色々ありますが、第1回目は、ぐるぐる回転する目眩への漢方薬をご紹介します。

相談時、回転性の目眩(めまい)


🔹ぐるぐる、自分が回っている様
🔹周りが回っている様
🔹上下左右様々な方向へ動く
🔹横になって寝ていても、グラグラ揺れている


などと表現されるお客さんが多いです。

漢方では、何らかの原因で水の巡り(水の代謝)が悪くなることで、頭部に水が停滞して、回転性の目眩が生じると考えます。水滞証(すいたいしょう)と言ったりします。

その、何からの原因の一例を挙げますと


🔹短時間での過剰な水分補給
🔹冷たい飲み物での水分補給
🔹日頃から胃腸虚弱で水巡りが悪い
🔹甘い物、味の濃い物の摂り過ぎ
🔹仕事等で尿の回数が少ない
🔹ほとんど動かず、発汗しない


などです。

このような回転性の目眩(めまい)に対して使う漢方薬をご紹介します。

<<漢方薬>>


ファーストチョイスで使う漢方薬が


沢瀉湯(たくしゃとう)』✨


利水作用をもつ沢瀉と白朮の2味で構成されており、滞りの原因と成っている余分な水巡らせ、尿で排出することにより目眩を楽にしてくれます。


また、めまい以外に症状が伴う場合は、次のような漢方薬を併用して使うことがあります。


胃腸虚弱(胃もたれ、ゲップ、慢性下痢、食欲不振など)を伴う場合
 沢瀉湯(たくしゃとう) + 半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)


冷えを伴う場合
 沢瀉湯(たくしゃとう) + 真武湯(しんぶとう)

 


次に目眩(めまい)の養生をお伝えします。

<<養生>>


🔶過剰な水分補給は控える
一汁三菜で食事が摂れていれば最低限の水分は補給できています。
※但し、大量の発汗をまねく過度な運動、労働をしないかぎり


🔶1日の尿量、尿の回数が適切か確認する
いつものように水分は摂っているのに、尿量、尿の回数が少ない場合は
水分の排出を心がけてください。
例えば)
  ・利尿作用のある温かい緑茶などを摂る

  ・適度に汗をかく運動、ゆっくり入浴など、発汗で水分を排出する。
   気血水が巡りもよくなりますのでオススメです(^^b


🔶胃腸を整えましょう
温かい食べ物をよく噛んで、腹八分目で


🔶甘い物、味の濃い物の摂り過ぎない
水の巡りが悪化しやすくなります

 


目眩(めまい)が頻繁に起こると生活に支障をきたしてしまいます。
お困りの方は、気軽にご相談ください😊
体質をしっかり見定めて、適切な漢方薬と養生をお伝えします。

 


<注意>
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより使う漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談して適切な漢方薬を購入し服用してください。

熊本 菊陽町 菜の花漢方堂

貧血(血の消耗量と体内血量のバランスの崩れ)

貧血は、血の不足であり、漢方で血虚(けっきょ)と言います。

クラッとする目眩(めまい)をイメージする方が多いと思われますが
他に血虚で現れる症状は、


・月経時の経血量が少ない
・月経の周期が長い
・生理が来ない
・冷え
・不眠(入眠困難・多夢)
・心神不安(精神不安)
・手足のしびれ
・爪がもろく割れやすい
・髪がパサパサ乾燥する・抜け毛が多い
・便秘


など、たくさんあります。

根本の原因は、


血の消耗量  体内血量


上回るバランスの崩れです。


※体内血量は、造血能力、血の貯蔵能力、血の材料が十分にあるかに依存


血の消耗量が増える要因は、


生理・妊娠・出産・授乳・更年期
疾病・ケガ
ストレス・夜ふかし・目の酷使・過労


などです。また、これらの要因が


血液の材料を取り出す・・・・
造血量を制御する・・・・・・・・
血の貯蔵・量を調節する・・・


の機能を低下させ、体内の血量が減り、血の消耗量より下回ると血虚になる場合があります。

 


それでは、漢方での貧血(貧血による血色不良を含む)への対応をご紹介します。

肝・腎・脾の弱りを見極めながら次のような漢方薬を使っていきます。

<漢方薬の一例>


🔶脾の弱り(脾虚)が主な貧血原因になっている場合
貧血以外に胃腸虚弱、食欲不振、疲れやすいなどの症状を伴うことが多いです


十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)
帰脾湯(きひとう)

 


🔶肝の弱り(肝血虚)が主な貧血原因になっている場合
怒りやすい、目のかすみ、足がつりやすいなどの症状を伴うことが多いです


婦宝当帰膠B(ふほうとうきこうB)
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
四物湯(しもつとう)

 


🔶腎の弱り(腎虚)が主な貧血原因になっている場合
腰痛、腰のだるさ、冷え、難聴、尿もれなどの症状を伴うことが多いです


参茸補血丸(さんじょうほけつがん)
霊鹿参(れいろくさん)


なお貧血は、不眠、気分の落ち込みなども併発する症状は上記だけではないです。必要に応じて漢方薬を合方していきます。

 


次に養生です。
漢方での回復を目指す時は、養生割、薬と言われています。”早期回復”と”再発防止のため”に養生は、最も優先すべきことです。

<養生>


🔸お腹が空いてから食べる
🔸消化の良い、温かい物を腹八分目で食べる
🔸冷たい飲み物と一緒に食事をとらない
🔸食事に酢の物を一品摂り入れる(鉄、ミネラルを効率よく吸収するため)
🔸バランスのよい食事を摂る(血は、タンパク質、ミネラル、ビタミンなど様々なものがあって産生されるため)
🔸適度な運動、入浴で血の巡りをよくする
🔸筋肉を鍛える(血を多く消費する筋肉をつけることで、体に血のもっと必要であることを教える)

 


貧血は、体の様々な不調、体質、生活習慣などをしっかりお聞きし、原因を見極める必要があります。心当たりのある方は、まずご相談下さい😊

 


<注意>
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより使う漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談して適切な漢方薬を購入し服用してください。

熊本 菊陽町 菜の花漢方堂