漢方で丈夫で健康な骨づくり


『漢方で丈夫で健康な骨づくり』

加齢にともなう骨の弱りの相談をよくお受けします。
骨の弱りは、テレビ等でも広く知られているように閉経後の女性に多いです。自覚しないうちに骨が弱り、ちょっとしたことで骨折し、生活に大きな支障をきたしてしまいます。よって、日頃のケアがとても重要です。

補足ですが、骨折すると本人だけでなく、家族へ介護の負担をかけることにもなります。平均寿命が80才をこえる昨今では、骨を強くすることは、自分にも家族にも重要なことです。

次に、漢方による骨のケアをお話します。

漢方では、骨は「腎」という臓と密接に関わっています。よって、腎を養うため「補腎(ほじん)」と、必要な栄養を骨へ届けるために血の巡りを良くする「活血(かっけつ)」という2つが基本の対応となります。

養生としては、食事運動の2つが主になります。骨を強くすると聞くと、カルシウムとビタミンDだけに注目されがちですが、それ以外の栄養素もバランスよく摂り、かつ、歩く等の運動で骨に負荷を与え、「丈夫な骨が必要だよ」と身体に知らせないといけません。

 


では、補腎、活血の一例と養生をご紹介します。


<<漢方薬>>


腎を補う漢方薬


霊鹿参(れいろくさん)
双料参茸丸(そうりょうさんじょうがん)
八味地黄丸(はちみじおうがん)
六味丸(ろくみがん)
独歩顆粒(どっぽかりゅう)


※体質に併せて使う漢方薬は変わります。


血の巡りをよくする生薬配合の漢方薬


冠元顆粒(かんげんかりゅう)
疎経活血湯(そけいかっけつとう)
芎帰調血飲第一加減(きゅうきちょうけついんだいいちかげん)
婦宝当帰膠B(ふほうとうきこう)


※体質に併せて使う漢方薬は変わります。

 

 


<<養生>>


🔶バランスの良い食事で強い骨を形成しよう
 カルシウム、コラーゲン、リン
 ビタミンB、C、D、K
 タンパク質など


🔶冷たい飲食物は極力さけ、身体を冷やさない
冷えは血の巡りを悪化させます


🔶温かいお風呂に入る
身体が温まると気血水が巡ります


🔶歩くなどの運動で骨に負荷を加えよう
ながら運動として、かかと落としをオススメします


🔶日光浴でビタミンDを増やそう


🔶十分な睡眠をとる
睡眠は、骨の修復や成長を促します


以上です。

外で動きやすくなる温かい春になってきます。補腎と活血で丈夫な骨を作り、外に出て元気に活動できる一助になれば幸いです。

 


<注意>
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより使う漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談して適切な漢方薬を購入し服用してください。

熊本 菊陽町 菜の花漢方堂

春の不調は漢方で~情緒編~


『春の不調は漢方で~情緒編~』

前回にお話しておりますが、春は五臓の「肝」と「脾」に影響を与えやすい時期でもあります。
漢方の五行学説を見ると、肝と脾に深く関係している感情は


肝は、「怒」
脾は、「思」(心配、悩み)



となっています。


肝は、ストレスなどで抑制をうけると、肝に熱がたまり、その熱が頭へ上がります。その熱が怒りを誘発すると考えられています。


次に、ストレスなどが起因して、悩みすぎたり、心配しすぎたりすると、肝の疏泄(自律神経の制御)が乱され、胃腸が不調になります。

食欲不振、下痢などがおこり、栄養がうまく吸収されなくなると、身体を滋養する血が不足してきます。

人間は、血が十分でないと、”不安”や”過剰な心配”が起こるようになるので、脾は「思」という感情に深く結びついていると考えられています。


 


それでは、春の情緒不安定にご提案する漢方薬の一例と養生をご紹介していきます。


<<漢方薬>>


🟧イライラ、不安など、気持ちが不安定であるときのファーストチョイス。またはベースとして


逍遥顆粒(しょうようかりゅう)

 


🟧日頃から貧血気味で、思い悩みむことが多い又は強いようであれば


心脾顆粒(しんぴかりゅう)


🟧心配、不安、緊張などで、ときにお腹が崩れるようであれば


救心感應丸氣(きゅうしんかんのうがんき)


🟧焦り(焦燥感)が強く、頭が疲れているようであれば


能活精(のうかっせい)

 


<<養生>>


🔶しっかり寝る


寝付けない場合は、漢方薬の力を借りましょう。
酸棗仁湯(さんそうにんとう)柴胡加竜骨牡蛎湯などをよくご提案しています。


🔶食事は、消化の良い温かい物を腹八分目で


🔶お風呂へ浸かり、リラックス


🔶趣味に没頭、おしゃべりなどで不安や嫌な事は考えないようにする


🔶運動で気分転換

 


情緒の不安定は、数日で改善するものではなく、月の単位で回復させていきます。養生と漢方薬を併用しつつ、「少し時間がかかるけど回復する、大丈夫」という気持ちを持って進めていくと良い結果が得られやすいです。

上記をお悩みをお持ちの方がおられましたら、お気軽にご相談ください(^^)

 


<注意>
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより使う漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談して適切な漢方薬を購入し服用してください。

熊本 菊陽町 菜の花漢方堂

 

春の不調は漢方で~胃腸編~


『春の不調は漢方で~胃腸編~』

漢方の視点で春は、五臓の「肝」と深く関係しています。では「脾(胃腸)とは関係ないのでは?」と思いますが、身体は繋がっているので、大いに関係するんです。

伸び伸びすることが大好きな「肝」は、気候の変化(寒暖差など)、生活環境の変化(就職、転勤、入学、人間関係)などのストレスで抑制を受けると、「肝」の機能である疏泄(そせつ)が失調します。今の言い方だと、自律神経が乱されます。胃腸は、自律神経でコントロールされているため、乱れて胃腸機能が失調します。

症状として


🔹腹痛が起こる
🔹お腹が張る
🔹ゲップやガスがよく出る
🔹消化不良
🔹緊張するとすぐにお腹を下す
🔹下痢をしやすくなる
🔹便秘になりやすくなる
🔹便秘と下痢を繰り返す
など


漢方は、胃腸に注目して対処するのではなく、根本の原因である肝をケアして、自律神経の乱れを戻すことにより、胃腸の不調を起こりにくくします。

 


それでは、肝の疏泄が乱れて胃腸失調をきたした時に使用する漢方薬と養生をご紹介します。

<<漢方薬>>


ファーストチョイス


救心感應丸氣(きゅうしんかんのうがんき)


 なれない環境や、入学式/入社式などで緊張すると、お腹を崩してしまうような、急な対応にオススメしています。何回か服用して下痢が起きなくなると、「私は大丈夫だと」思うようになり、自信がついて下痢が起きにくくなることが多いです。

 


お腹が張ったり、脹るような腹痛の時


柴胡疎肝湯(さいこそかんとう)
柴芍六君子湯(さいしゃくりっくんしとう)
四逆散(しぎゃくさん)

 


便秘傾向になりやすい方


イスクラ 逍遙顆粒(しょうようかりゅう) + 体質に併せた瀉下薬※

※便秘にすでになっている場合、体質に併せて大黄甘草湯、調胃承気湯、桃核承気湯などを使います。

 


<<養生>>


🔶深い深呼吸を行う


 鼻から5秒程度で息を大きく吸って、10秒以上かけて口からゆっくり息を吐く。
一日何度でもOK。とくに緊張などストレスを感じる前、感じた時に深呼吸を行うと緊張を和らげることができますよ(^^b


🔶好きな事してストレスを溜めない


🔶アロマなどを使い、好みの芳香で過ごす


🔶朝日を浴びてリフレッシュ


🔶十分な睡眠をとる


🔶脂物、味の濃いもの、甘い物を控える


🔶おすすめ食材


香草野菜(セロリ、春菊、三つ葉、しそ)
柑橘類(オレンジ、みかん、グレープフルーツ、レモン、ゆず)
苦うり、レバー(牛、豚)イカ、あさり、しじみ


以上、ご紹介した漢方薬と養生で胃腸の不調を減らし、春を元気で健やかに過ごす助けになれば幸いです(^^)

 


<注意>
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより使う漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談して適切な漢方薬を購入し服用してください。

熊本 菊陽町 菜の花漢方堂