漢方的、風邪の予防と初期対応


『漢方的、風邪の予防と初期対応』

まだ暑さ残る秋分の頃ですが、風邪などウイルス性の感染症が流行っています。
子供が通う学校でもインフルエンザに罹患し休む生徒が急激に増えて驚きました。

これから晩秋、冬と風邪の本格的なシーズンに突入していく前に、風邪の予防、及び初期対応を漢方の視点でお伝えしようと思います。

 


漢方と言うと、漢方薬だけを考えがちですが、


漢方とは
7割 養生
3割 漢方薬、鍼灸など


よって、重要なのは日頃の養生です。

 


まず、風邪予防の養生法からご紹介します。


1)手洗い、うがいをこまめに
2)十分な睡眠
3)過労を避ける
4)冷たい飲食物を避ける
5)足首と手首、首(項背部)を冷やさない
6)汗をかいたりなどで衣服が濡れたら、身体が冷える前に着替える
着替えが無い時は、タオルなどを1枚挟んで冷えを防ぐと良いです
 特に背中は風邪(ふうじゃ)の侵入経路。早めに冷えを防ぐと風邪予防に効果的です。
7)喉、鼻、悪寒、熱っぽいなど、「おやっなんかおかしい」と感じたら、適切な漢方薬をすぐに服用する。
分単位のスピード対応が、悪化の有無を左右します

 


2)~5)は、衛気(えき)という病気から体を守るエネルギー、言い換えると体表のバリア力を落とさないための養生です。ぜひ実践されてみてください。

 


つぎに漢方薬をご紹介していきます。
上述に適切な漢方薬を服用と記載しましたが、店頭では赤い風邪青い風邪という2タイプに大きく分けて、各タイプにあう漢方薬を「常備しておいて、早めに服用するよいです」とお話ししています。

 


◆赤い風邪
熱っぽい、微熱がある、喉が痛い、喉が赤く腫れている、口が乾く


金羚感冒散・錠(きんれいかんぼうさん)
涼解楽(りょうかいらく)

※上記は風邪の初期、1~2日まで向けの漢方薬。長引いた場合は、症状に併せて漢方薬は変わります。

 


◆青い風邪
ぞくぞくと悪寒がする、頭痛がある、肩から項背部にかけてコリがある、汗が出ていない


葛根湯(かっこんとう)

頭痛が強い時は以下を併用。
頂調顆粒(ちょうちょうかりゅう)

※上記は風邪の初期、1~2日まで向けの漢方薬。長引いた場合は、症状に併せて漢方薬は変わります。

 


列挙した漢方薬は、あくまでも風邪の初動対応です。風邪が必ず治る保証をするものではございません。また、高熱、嘔吐、下痢等を伴ったりなど、上記以外の症状がでたり、悪化した場合は、迷わず病院を受診してください。

 


繰り返しになりますが、大切なのは日頃の風邪養生です。
無理せず、冷やさずで、これからの風邪シーズンを元気に健やかに乗り切りましょう(^^)

 


<注意>
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより使う漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談して適切な漢方薬を購入し服用してください。

熊本 菊陽町 菜の花漢方堂

初秋の温燥からくる不調にご用心


『初秋の温燥からくる不調にご用心』

二十四節気の白露を過ぎ、朝晩涼しくなり、夜は虫の声が心地良い季節になってきました。
が、まだまだ日中は暑さが残りますね(^^;

中医学で秋は、燥邪に気をつける季節ととらえます。
そして、暑さが残る初秋は、温燥タイプの不調が多くなります。

例えば、


🔹鼻やノドの乾燥
🔹空咳
🔹微熱、ほてり
🔹切れにくい痰
🔹肌のかさつきや痒み


など

とくに、


・栄養などが十分でないことに起因する潤いと元気不足の方(気陰両虚)
・貧血傾向の血不足な方(血虚)
・乾燥しやすい津液不足の方(陰虚)
・食に偏りがある方(痰飲)


などは上記不調に陥りすいので、ケアが必要です。

ケアのポイントとしては、


・潤い(栄養、血、水)を補い養い整える
・体の余分な熱は瀉す
・乾燥を防ぐ


です。

では、初秋の温燥時期にオススメの漢方薬の一例と養生をご紹介していきます。


<漢方薬>


栄養が十分とれず元気不足の方(気陰両虚の方へ)


麦味参顆粒(ばくみさんかりゅう)
味麦地黄丸(みばくじおうがん)
杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)
六味丸(ろくみがん)
逍遙顆粒(しょうようかりゅう)
亀板製剤(きばんせいざい)

 


体に熱がこもり気味な方


瀉火補腎丸(しゃかほじんがん)
加味逍遙散(かみしょうようさん)
清営顆粒(せいえいかりゅう)

 


おもに貧血など血不足の方へ


婦宝当帰膠B(ふほうとうきこう)
心脾顆粒(しんぴかりゅう)
参茸補血丸(さんじょうほけつがん)
四物湯(しもつとう)

 


<養生>


🔸オススメの食べ物で熱瀉滋潤
梨、ぶどう、柿
ごぼう、山芋、里芋、れんこん、ゆり根
はちみつ、温かい緑茶


🔸甘い物、辛い物、味の濃い物、アルコールは控えめに
バランスの良い食事を心がける


🔸十分な睡眠をとる
秋の夜長ですが、日付が変わる前には就寝を


🔸お通じを整え、毎日の排便心がける

 


養生はできるところから始めてください。秋のスタートを元気に健やかに過ごしましょう😊

 


<注意>
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより使う漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談して適切な漢方薬を購入し服用してください。

熊本 菊陽町 菜の花漢方堂

その不調、秋バテかも


『その不調、秋バテかも』

9月に入っても昼間は30℃を超える暑さが続きますが、朝夕は少しずつ涼しくなってきました(^^)

今夏のような猛暑後は、次のような症状を訴える方が増えます


🔹疲れがとれない
🔹朝起きるのがつらい
🔹元気が出ない
🔹だるい
🔹食欲がない


夏の暑さで大量の汗をかく等、体は勝手にエネルギー🔥をたくさん使います。
この時、十分に睡眠🥱をとっていなかったり、過労、少食、偏食などをしていると、体の疲労と修復不足が蓄積し、秋の入り口で体に不調がでてきます。

最近では、これを秋バテと言います。

酷暑と言われた今夏の後は、秋バテの方が多いと感じます😌

秋バテは、体の中で不足している物を補い、体を立て直していく必要があります。
それでは、漢方薬と養生をご紹介します。


<漢方薬>


主に疲労で体が弱っている


麦味参顆粒(ばくみさんかりゅう)
補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)
霊鹿参(れいろくさん)


主に食欲不振


健胃顆粒(けんいかりゅう)
香砂六君子湯(こうしゃりっくんしとう)
救心感應丸氣(きゅうしんかんのうがんき)


主にやる気が起きない


複方霊黄参丸(ふくほうれいおうさんがん)
救心感應丸氣(きゅうしんかんのうがんき)

 


<養生>


養生は、無理をせず、体に負担をかけないことを優先します。


🔸十分な睡眠(日付が変わる前に就寝)
🔸胃腸にやさしい、滋養のある温かい食べ物を摂る


おすすめ食材
かぼちゃ、人参、れんこん
米🌾、里芋、山芋、さつまいも
きのこ類
サンマ、イワシ


🔸冷たい飲食物、生ものは控える
🔸日中に太陽の光をしっかりと浴びる


ご紹介した養生で、秋バテを解消し、元気に健やかに秋を楽しみ、満喫しましょう😊

 


<注意>
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより使う漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談して適切な漢方薬を購入し服用してください。

熊本 菊陽町 菜の花漢方堂