鼻みず鼻詰まりは寒熱を見極めて


『鼻みず鼻詰まりは寒熱を見極めて』

12月に入り寒さが増し、鼻みず鼻詰まりの方が多くなってきたなと感じます。

冬は、寒さやカゼなどの要因に加え、乾燥でホコリが舞いやすくなり、そのハウスダストが鼻を刺激することで、鼻みず鼻づまりを起こさせます。

漢方で鼻みず鼻詰まりをみるとき、今の症状は、寒”,熱”どちらの要因が強いかを確認します。

鼻みずが透明でスタスタ多く出て、鼻詰まりも伴っているときは、寒の要因が強いと捉えます。併せて、後鼻漏を訴える方が多いです。

一方、鼻みずが黄色または緑色の色がついていてドロっとしており、鼻詰まりが伴っているときは、熱の要因が強いと捉えます。併せて、目の奥に痛みや頭重感を訴える方もおられます。

余談ですが、相談を受けていると、透明なスタスタ鼻みず鼻詰まりの症状がよく出る方が、疲れなどで免疫が落ちて、副鼻腔で細菌が繁殖し、炎症をともない熱の鼻みず鼻詰まりに変わっていくというパターンが多いです。

 


では、症状、体質にあわせて、適する漢方薬をご紹介します。

<<漢方薬>>


◆寒が原因
体力がある方:小青竜湯(しょうせいりゅうとう)
虚弱な方:苓甘姜味辛夏仁湯(りょうかんきょうみしんげにんとう)


体を温め、水をさばく生薬で鼻みず、鼻詰まりに対処していくのは同じです。しかし、小青竜湯は体力があり急性かつ短期間の服用に向きます。一方、虚弱で体力がなく慢性化している方は、苓甘姜味辛夏仁湯が適しています。

 


寒が根底にあり、

アレルギー性鼻炎を伴う時:芳仙丹(ほうせんたん)


温め、通鼻する作用のある生薬での構成が主であるが、少し抗ヒスタミン薬が含まれており、即効性があります。

 


補足)日頃からの予防や体質改善


衛益顆粒(えいえきかりゅう)
荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)

 


◆熱が原因


辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)
鼻淵丸(びえんがん)


寒性の生薬で炎症を鎮め、鼻みずをかきだす生薬で繁殖した細菌を排出し、鼻詰まりとドロッとした鼻みずの改善をしてくれます。

 


次に鼻みず鼻詰まりでの養生をご紹介します。
<<養生>>


鼻みず鼻詰まりの根本原因は、”寒”です。よって、養生は、体の中に冷えを作らないことが最優先です。


🔶体を冷やさない


🔶冷たい飲食物を避ける


🔶マスクを着用し寒暖差や乾燥、アレルギー物質から敏感な鼻粘膜を守る


🔶十分に休養し体力を落とさないようにする

 


鼻みず鼻詰まりは、煩わしく地味にツラく、仕事や勉強の効率を落とします。長く続けば睡眠を妨げて不眠、口呼吸になり喉を傷めるなどして、次の大きな病気への引き金にもなります。よって、早めのケアで日頃の体質を改善することが重要になってきます。

鼻みず鼻詰まりでお困りの方は是非ご相談ください。症状と体質をしっかり見極め、適切な漢方薬と養生をご提案致します。

 


<注意>
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより使う漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談して適切な漢方薬を購入し服用してください。

熊本 菊陽町 菜の花漢方堂

目眩(めまい)は、漢方で解消!!~その4~


『目眩(めまい)』

目眩(めまい)にも色々ありますが、今回は高血圧からくる目眩への漢方薬をご紹介します。

相談では


🔹慢性的な高血圧があり
  ・たまにクラクラするめまいがある
  ・朝起きて、頭痛を伴うめまいがある
  ・ストレスを感じるとめまいが起こる


などと話される方が多いです。

原因は、一般的な高血圧の原因とほぼ同じです。一例を示します。


🔹加齢
🔹塩分の摂りすぎ
🔹ストレス
🔹アルコールの摂りすぎ
🔹メタボ、運動不足
🔹喫煙
🔹血の巡りが悪い(瘀血:おけつ)
  血流が悪いと血管の柔軟性が低下し、高血圧の要因に


上記原因などにより、肝の働きが悪くなり、そして気の巡りも悪くなることで、肝の陽気が頭部へ上昇し、頭部に熱がこもり目眩を起こさせると漢方では考えます。また、頭痛を伴う方も多いです。

では、このような慢性的な高血圧での目眩(めまい)に対して使う漢方薬をご紹介します。

<<漢方>>

ファーストチョイスで使う漢方薬が


『釣藤散(ちょうとうさん)』


鎮静、降圧の作用のある釣藤鈎を主薬にし、頭へ上がった熱を下げ、気の巡りを整える生薬で、めまいを楽にしていきます。


また、次のような漢方薬を併用して使うことがあります。


◆血の巡りが悪い瘀血を伴う場合

釣藤散 + 冠元顆粒(かんげんかりゅう)


◆気の巡りが悪い気滞を伴う場合

釣藤散 + 逍遙顆粒(しょうようかりゅう)

 


次に、目眩(めまい)を起こしにくい体作りの養生をお伝えします。

<<養生>>


🔶ストレスをためない。できるだけ避ける
趣味に没頭。信頼できる友人と楽しい会話などしてストレスをためないようにしましょう。


🔶お酒の飲み過ぎに注意。程々に
アルコール摂取量が多いと血圧が上がる傾向があります。


🔶適度な運動を心がける
高血圧の薬を服用している方は、医師と相談して運動をしてください


🔶禁煙
たばこは、血管収縮を促すため、一般的に血圧が上昇しやすくなります。
喫煙者の方は、まずは本数を減らすことから始めましょう


🔶気血の巡りを良くする食事を心がけ、塩分は控えめに
気を巡らすには、芳香野菜柑橘類の食材がオススメ
血を巡らすには、玉ねぎ、黒酢、にんにく、ネギなどの食材がオススメ
一般的に塩分が多い食事を摂ると血圧が上昇しやすくなりますので塩分は控えめに


以上です。

上記に挙げている以外にも、高血圧での目眩(めまい)への漢方薬がございます。体質をしっかり見定めて、適切な漢方薬をご提案しますので、まずは、ご相談ください😊

 


<注意>
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより使う漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談して適切な漢方薬を購入し服用してください。

熊本 菊陽町 菜の花漢方堂

目眩(めまい)は、漢方で解消!!~その3~


『目眩(めまい)は、漢方で解消!!~その3~』

目眩(めまい)にも色々ありますが、今回は立ちくらみの目眩への漢方薬をご紹介します。

相談では、


🔹立ち上がるときに


・ふらっとする
・血の気が引くような感じ
・眼前が急に暗くなる
・もう一度しゃがむか、手をつかないと倒れそうになる


🔹長く立っているとふらっとする。ふらつく。


などと表現されるお客さんが多いです。

この立ちくらみの大きな原因の1つとして、痰湿(体の病的な水)※が絡んでいます。
※前回とりあげたフワフワ浮遊感のする目眩の原因と同じです。

立ちくらみは、心下部辺りに水が滞ることにより、自ずと血管内の血量が少なくなり、一時的に、血が頭部へ十分に上がらないことで、立ちくらみが起こると考えます。根底に慢性的な血不足(血虚:けっきょ)低血圧を伴っていることもあります。

お腹(心下部)あたりに水が滞る原因の一例


🔹脂物、甘い物、味の濃い物の摂り過ぎ(偏食)
🔹冷たい飲食物をよくとる
🔹仕事の都合などで尿の回数が少ない
🔹デスクワークなどでほとんど発汗しない
🔹運動不足による筋力低下(下半身やインナーマッスル)

 


このような立ちくらみの目眩(めまい)に対して、使う漢方薬をご紹介します。

<<漢方>>


ファーストチョイスで使う漢方薬が


苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)』✨


胃腸を整え利水作用をもつ茯苓、白朮で水の巡りを良くし、桂皮で温めて体の腹部や頭部の血行をよくすることで立ちくらみの目眩をケアします。


上述しました、根底に血不足や低血圧気味という場合は、次のような漢方薬を併用して使うことがあります。


血不足を伴う場合
苓桂朮甘湯 + 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
  ※血不足の改善には数ヶ月以上かかります。


低血圧気味の場合
苓桂朮甘湯 + 補中益気湯(ほちゅうえっきとう)

 


次に、目眩(めまい)を起こしにくい体作りの養生をお伝えします。


<<養生>>


🔶脂物、甘い物、味の濃い物を控える
水の巡りが悪化しやすくなります。


🔶バランスの良い食事を心がける
目眩を起こしにくい体作りの第一歩は、血を巡らせるエネルギー、血を作り出す栄養をしっかりとること。目眩の相談を受けていると、食事に問題がある方に多い傾向があります。


🔶冷たい飲食物を極力摂らない
痰湿(体にとって病的な水)を作り出す原因になります。


🔶適度な運動で発汗と筋力アップを心がける
運動は気血水を巡らせてくれます。また筋力をつけることで血液の循環を補助すると共に、血を消費する筋肉がつくことで、血をもっと作る必要があると身体へ認識させることができます。


🔶インナーマッスルを鍛える
筋肉が血液の循環を補助してくれます。手軽なところでは、深い深呼吸がオススメ。

 


以上です。

立ちくらみの目眩(めまい)でお困りの方は、お気軽にご相談ください😊
体質をしっかり見定めて、適切な漢方薬と養生をお伝えします。

 


<注意>
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより使う漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談して適切な漢方薬を購入し服用してください。

熊本 菊陽町 菜の花漢方堂