漢方でスッキリ便秘解消!!


『漢方で便秘解消!!』

一年を通して相談を受ける便秘。
この暑い時期は、大量の発汗で水分バランスが急激に崩れ、腸管の潤い不足からくる便秘というのが多発します。

さて今回は、この潤い不足も含み、便秘の大きな要因3つをご紹介し、その要因ごとに対策の漢方薬、養生をご紹介します。

 


<要因1>
夏に多い潤い不足による便秘


暑い時期、体内に熱がたまるため、大量の発汗で体温を下げようとします。この急激な水分減少で、血中の水分量も急激に減ります。
この時、血中の水分を維持しようと、優先的に血中へ水分集めますので、腸管などは潤いが減少し、便秘しやすくなります。


漢方薬
便秘予防は、日頃から補陰の生薬を含む漢方薬で体内の潤いを保つことで、急激な水分変化をなくし、便秘になりにくい体作りを目指します。

麦味参顆粒(ばくみさんかりゅう) <ー便秘予防
調胃承気湯(ちょういじょうきとう) <-便秘になってしまった時


養生
🔸こまめな水分補給
🔸冷房などで急激に身体を冷やさず、程よく汗をかかせて体の熱を放熱させる
汗腺が閉じて、身体の中に熱がとどまり、その熱で水分が減少し便秘を招くため。

 


<要因2>
血不足による乾燥の便秘


血によって体中に潤いを運ばれます。血の量が減れば、腸管内の潤いが減り、腸管への栄養も不足するため働きも低下し、便秘を招きます。


漢方薬
便秘予防は、日頃から補血の生薬を含む漢方薬で血を補うことで、便秘になりにくい体作りを目指します。

婦宝当帰膠B(ふほうとうきこう) <ー便秘予防
参茸補血丸(さんじょうほけつがん) <ー便秘予防
心脾顆粒(しんぴかりゅう) <ー便秘予防
潤腸丸(じゅんちょうがん) <-便秘になってしまった時


養生
日頃から補血の生活習慣を実践し、血不足を解消しておく

🔸バランスの良い食事
タンパク質、ミネラル、ビタミンなどをバランスよく取る
🔸朝、昼の食事をしっかりとる
🔸冷たい飲み物と一緒に食事をしない
🔸十分な睡眠を取る
🔸適度な運動で体に筋肉をつける

 


<要因3>
ストレスによる便秘


仕事や旅行などで環境が変わるなどでストレスを受けると、気の巡りが滞ります。
気滞と呼びます。気の巡りは、自律神経と深く関係しており、腸の働きが悪くなり便秘になります。


漢方薬
便秘予防は、日頃から気を巡らす生薬を含む漢方薬で気滞を改善することで、便秘になりにくい体作りを目指します。

逍遙顆粒(しょうようかりゅう) <ー便秘予防
四逆散(しぎゃくさん) <ー便秘予防
桃核承気湯(とうかくじょうきとう) <-便秘になってしまった時
活潤仙(かつじゅんせん) <-便秘になってしまった時


養生
🔸上手にストレスを発散する
趣味・スポーツに没頭、信頼のおける友達とおしゃべり、アロマ
🔸深い深呼吸で自律神経を整える
🔸食事に香草野菜を摂り入れ、気のめぐりを整える

 


上記、便秘の方の大半が該当すると思います。
自分の要因がわかったら、養生、漢方薬で便秘を解消しましょう。
スッキリお通じが健康の第一歩です(^^b

 


<注意>
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより使う漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談して適切な漢方薬を購入し服用してください。

熊本 菊陽町 菜の花漢方堂

腹痛(胃痛)


腹痛(胃痛)は、原因が1つではなく重なっていたり、下痢、吐き気などの症状を伴ったりと複雑です。
原因は様々ですが、ここでは、相談でよくある4つの原因に絞って、腹痛が生じる機序を説明し、対応する漢方薬の一例をご紹介します。


1)冷え
2)瘀血
3)気の滞り
4)水の代謝が悪い

 


1)冷えからくる腹痛


冷えの腹痛は、2つに分けて考えることが多いです。


1つ目は、冬の寒い時期や夏場のクーラー、冷たい飲食物の摂りすぎなどで体に冷えが入り込み腹痛が起こる場合です。
急性で痛みが強い腹痛であることが特徴です。


<漢方薬>
附子理中湯(ぶしりちゅうとう)
人参湯(にんじんとう)
大建中湯(だいけんちゅうとう)
小建中湯(しょうけんちゅうとう)


(補足)
外からの寒邪が原因の場合は、散寒と言って体内の寒さを散らす薬を用いて痛みを緩和していきます。また、冷たい飲食物によって脾胃が湿も伴っている場合は、去湿といって湿を取り去る薬も用いて、痛みの原因を取り除きます。


2つ目は、過度な疲れ、長期間の病気等で体が弱ってしまい、体内の温める力(温煦作用)が弱まり、冷えが生じて腹痛が起こります。
繰り返し起こる腹痛であることが特徴です。


<漢方薬>
健胃顆粒(けんいかりゅう)
人参湯(にんじんとう)
大建中湯(だいけんちゅうとう)
呉茱萸湯(ごしゅゆとう)


(補足)
体が弱り冷えを生じての腹痛は、温裏散寒といって、温めて寒さを散らす薬を用いて、痛みを緩和させます。そして、補気健脾といって、元気を作り出す元となる脾胃を立て直す薬を用いて、腹痛が起こりにくい体へ持っていきます。

 


2)瘀血からくる腹痛(主に生理痛)


生活習慣の悪化、長期化した病などがあると、血に熱をもったり、血を送り出す力が弱くなったり、血の量が不足したりして、血の停滞/巡りが悪くなる状態(瘀血:おけつ)を生じます。
血の巡りが悪くなり、血が行き渡らないと痛みが起こります。
この痛みは部位が固定して、刺すような痛みが特徴です。
生理痛は、瘀血が主な原因であることが多いです。


<漢方薬>
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
婦宝当帰膠B(ふほうとうきこう)
桃核承気湯(とうかくじょうきとう)
折衝飲(せっしょういん)


(補足)
活血化瘀と言って瘀血を解消すると共に、熱があれば熱を取り去る薬、血が少なくなっていれば血を補う薬、血を動かす力が不足していれば気血を巡らす薬と、体の状態に合わせて漢方薬を使い分けて、痛みを緩和し、腹痛が起こりにくい体へしていきます。

 


3)ストレスなどからくる腹痛


ストレス、強い緊張などがあると体の気の巡りが悪くなります。気は血を動かす推動力でもあるので、血の巡りも悪くなります。

気血の巡りが悪化、停滞すると、脾胃の機能失調をおこし、痛みが発生します。張ったような腹痛が生じるのが特徴です。


<漢方薬>
開気丸(かいきがん)
柴胡疎肝湯(さいこそかんとう)
柴芍六君子湯(さいしゃくりっくんしとう)
香砂六君子湯(こうしゃりっくんしとう)


(補足)
気の巡りを良くするお薬を用い、痛みを取り除いていきます。ストレスにより脾胃も傷んでいる場合は、脾胃の機能を立て直す薬も使います。また、気の停滞により脾胃に熱、湿が発生している場合は、それらを取り去る薬を用いることがあります。

 


4)水の代謝の悪化による腹痛


冷たくなくても過度に飲み物を摂取したりすると、胃腸機能が低下し、水がさばけず、腹痛が発生します。急性で、下痢を伴うのが特徴です。


<漢方薬>
加味平胃散(かみへいいさん)
五苓散(ごれいさん)
藿香正気散(かっこうしょうきさん)


(補足)
水をさばく作用(利水作用)のある薬を用い、原因のもとである水を取り除くとともに、多量の水分によって、湿・冷えが生じている場合は、それらを取り除く薬も用いて腹痛を改善していきます。

 


<注意>
長く腹痛が続いていたり、痛みが強くなっている場合は、病院での検査を推奨しています。
漢方での対応も有効ですが、検査結果次第では、西洋治療と漢方を併用することで治りが早い場合があります。

血の巡りを良くしよう


『血の巡りを良くしよう』

漢方では、血の巡りが悪い状態を瘀血(おけつ)と言います。

瘀血の症状は


🔸目の下にくま
🔸シミ・そばかすが多い
🔸手足の冷え
🔸首・肩が凝る
🔸生理痛(刺すような固定痛)
🔸舌の色が暗い
🔸肌がザラザラしている

などです。

 


瘀血の原因を探ってみると、気滞(きたい)、痰湿(たんしつ)、血虚(けっきょ)の3タイプに多いと感じています。


🟣気滞瘀血(きたいおけつ)
血を押し出す力の「気」が滞り、血の巡りが悪くなっている状態

🟣痰湿瘀血(たんしつおけつ)
冷たい飲食物、甘い物、脂の物、味の濃い物の摂り過ぎや運動不足で、血液がドロドロで巡りが悪い状態

🟣血虚瘀血(けっきょおけつ)
血が不足しており、血の流れが悪く巡らない状態


ちなみに、当店だと


気滞瘀血日頃強いストレスを継続的に受ける人に多く、
痰湿瘀血一日中デスクワークの動かない人に多く、
血虚瘀血偏食、食事の量が少ない人、痩せている人に多い


です。

 


それでは、3タイプの瘀血に使っていく漢方薬の一例をご紹介いたします。

<漢方薬>


🟣気滞瘀血(きたいおけつ)タイプ

血府逐瘀丸(けっぷちくおがん)

冠元顆粒(かんげんかりゅう)+逍遥顆粒(しょうようかりゅう)

冠元顆粒(かんげんかりゅう)+柴胡疎肝湯(さいこそかんとう)

 


🟣痰湿瘀血(たんしつおけつ)タイプ

冠元顆粒(かんげんかりゅう)※+温胆湯(うんたんとう)

冠元顆粒(かんげんかりゅう)※+健脾散エキス顆粒(けんぴさんえきすかりゅう)

※または、芎帰調血飲第一加減(きゅうきちょうけついんだいいちかげん)

 


🟣血虚瘀血(けっきょおけつ)タイプ

婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)

婦宝当帰膠+冠元顆粒(かんげんかりゅう)※

参茸補血丸+冠元顆粒(かんげんかりゅう)※

※または、芎帰調血飲第一加減(きゅうきちょうけついんだいいちかげん)

 


次に、瘀血に対する養生をご紹介します。

<養生>


🔶ストレスを溜めない
趣味、好きな事に没頭、家族・友人に話すなどしてストレスを溜めないようにしましょう
🔶食事は温かい、消化の良い物をよく噛んで食べる
🔶食事の量は腹8分目
🔶バランスの取れた食事を心がける
参考までに
血の巡りをよくする食材
玉ねぎ、ネギ、ナス、にんにく、
らっきょう、生姜、みょうが、黒酢、山椒
青魚(あじ、いわし、さば)
血を補う食材
人参、ほうれん草、小松菜、黒ごま、
黒豆、小豆、ぶどう、レーズン、イチゴ
プルーン、ナツメ、あさり、しじみ、
牡蠣、レバー、鶏肉

🔶適度な運動を行い、筋力をつける
血を消費する筋力が増えることで体が血を増やす方へ働きます。すると血量が増え、血の巡りがよくなります。

 


瘀血は、日々の不摂生な生活習慣が原因です。
上記の養生をできるところから実践して、血の巡りをよくしていきたいですね😊


<注意>
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより使う漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談して適切な漢方薬を購入し服用してください。

熊本 菊陽町 菜の花漢方堂