デスクワーク、スマホ姿勢からくる肩こり対策


『デスクワーク、スマホ姿勢からくる肩こり対策』

男女とも体の悩みで上位に入ってくるのが、肩こり
長時間のパソコンを使った仕事(デスクワーク)やスマホ視聴が増えたのが大きな要因としてあります。

肩こりの発症メカニズムとしては、パソコン作業など肩に負担がかかる状態や、猫背やスマホ視聴等の悪い姿勢を長時間持続していると、頭などの荷重が肩周りにかかり、筋肉、筋膜が凝り固まり、肩こりを発症します。

また、肩こりに加えて、腕のだるさ、肘から手にかけて、小指側のしびれ痛みを感じるという方も中にはおられます。これは、なで肩の人に多いです。理由は、なで肩は、肩甲骨が下がりやすく、それを引き上げる筋肉が引っ張られて、こりが起こりやすくなり、そのこりが胸郭出口(図1)にある神経や血管が圧迫するようになると、上述のような腕のだるさや肘から手にかけて、小指側のしびれ痛みを感じるようになります。
※胸郭出口症候群 (きょうかくでぐちしょうこうぐん)とも言われています。

<図1>

 


上述のような肩こりには、まず姿勢を正し、体操するなどの養生を続けることが最優先です。そして、早期回復、予防に漢方薬の服用をオススメしています。では以降に、養生と漢方薬をご紹介していきます。

 


<<養生>>


🟧肩こり改善の体操をとりいれる
とくに仕事がデスクワークの人は、1時間に一回ほどの頻度でストレッチや体操を行うと良いです


「NHK 健康ch」の体操動画がオススメです。リンクを以下に張ります。ご利用下さい


・一般的な肩こりの症状をやわらげる体操
・胸郭出口症候群やスマホ姿勢を改善する体操

 


🟧正しい姿勢でスマホ視聴やデスクワークを行う


<図2>


🟧お風呂で体を温め、肩のこりをほぐす
入浴後に上記の体操をすることをオススメします。

 


<<漢方薬>>


肩こりは、長時間の同じ姿勢から血水の巡りが悪くなっていることが根本原因ですので、肩こりの初期や予防に巡りをよくする漢方薬を使います。


冠元顆粒(かんげんかりゅう)
婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)
葛根湯(かっこんとう)

 


また、肩こりから関節の痛みが発生している場合(冷えも混在)は、次を併用します。


五積散(ごしゃくさん)
独歩顆粒(どっぽかりゅう)
疎経活血湯(そけいかっけつとう)
桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)
など

 


上記に挙げた漢方薬は一例で他にもあります。肩こりは、個人の体質に加え、様々な要因(冷え、血不足、痰湿など)が絡んでいます。相談していただけると、適切な漢方薬をご提案できます。
お気軽にご相談ください(^^)

 


<注意>
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより使う漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談して適切な漢方薬を購入し服用してください。

熊本 菊陽町 菜の花漢方堂

唾液トラブルは漢方で解消


『唾液トラブルは漢方で解消』

唾液のトラブルにも色々ありますが、当店の相談で多いのはドライマウス、唾液過多、唾液腺の炎症などです。
今回は、唾液不足(ドライマウス)と唾液過多の2つに絞って、漢方での対処法、予防養生をお伝えします。


唾液不足(ドライマウス)
漢方では体内の潤いを津液と呼び、津液は脾胃から生み出され、肺によって全身を巡ると考えます。よって、乾燥で肺胃が弱ると、十分な津液が体内を巡らないため、唾液不足が生じてきます。


(ちなみに、鼻詰まりで、口呼吸になりドライマウスになりますが、これは唾液不足ではないので説明の対象外としております)


唾液過多
脾胃が弱ると栄養の吸収が悪化し筋肉などへ滋養ができなくなり、体内の津液を留める力が弱ります。唾液も例外ではなく、留めることができずダラダラと唾液がでてきてしまいます。この時の唾液は、サラサラが特徴で、病中病後で体力の落ちている人、高齢者、小さい子供など、脾胃が弱りやすい方に多いです。

 


どちらも原因に脾胃の弱りがあることにお気づきだと思います。よって、これから紹介していく漢方薬、養生は、脾胃のケアがポイントになってきます。

 


<漢方薬>
少し遠回りに思える脾胃を立て直すことが唾液トラブル解決への近道です。


◆唾液不足傾向
麦味参顆粒(ばくみさんかりゅう)
健胃顆粒(けんいかりゅう)
健脾散エキス顆粒(けんぴさんえきすかりゅう)
補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
百合根配合食品(ゆりねはいごうしょくひん)


◆唾液過多傾向
補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
健胃顆粒(けんいかりゅう)
健脾散エキス顆粒(けんぴさんえきすかりゅう)
※経験則ですが、回復に数ヶ月から半年くらいの時間がかかることが多いです

 


次に養生を示します。
<養生>


🔶舌や唾液腺のマッサージで唾液分泌を促す(参考文献:チャイナビューNo.280 page14)


🟠舌回し
口の内側に沿って、舌で円を描くように舌を回す。小唾液腺が刺激され、唾液が出てくるようになります。


🟠唾液腺マッサージ(各10回程度を目安に)
①耳下腺:指3くらいをほほに当て、上の奥歯あたりから前にマッサージ
②顎下腺:あご下の骨の内側に親指を当て、やさしく押す
③舌下腺:あごの下から、指で下を押し上げるようにマッサージ

 


🔶温かい飲食を心がけ、生物、冷たい飲食物は控える
🔶暴飲暴食はしない。腹八分目でよく噛んで食べる
🔶偏食、間食(お菓子の食べ過ぎ)は避ける
🔶酸味を摂るようにして唾液の分泌を促す
🔶脾胃のケアの為、次の食材を食事に摂り入れてみてください


米、豆類(納豆、豆腐、豆乳、いんげん豆)
白菜、レンコン、大根、山芋、かぼちゃ
きのこ類(しいたけ、しめじ)
豚肉、鶏肉、太刀魚、
りんご、バナナ、はちみつ、オリーブオイル
など

 


以上、上記の漢方薬と養生で脾胃をケアしていただき、唾液トラブル軽減の一助になれば幸いです。

 


<注意>
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより使う漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談して適切な漢方薬を購入し服用してください。

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漢方で快眠


『漢方で快眠』

相談で多い悩みの1つが不眠!!

眠れていないという相談で話を聞いていると
「7時間くらい寝ないといけないですよね」とお話される方がいます。

以前は、テレビの健康番組などでよく言われていたので、睡眠時間7時間程度が常識のようになってしまっています。
しかし、睡眠の研究も進んできており、年齢や体質などにより睡眠時間は変わるという認識になりつつあります。

相談で確認するのは、睡眠時間の長さより、寝入りから3、4時間深く眠れているかという、眠りの質についてです。
眠りの質が良いと、朝スッキリ目覚めて、前日の疲れも解消されています。


※注意:3,4時間寝れば十分ということではありません。適切な睡眠時間は人によって変わります


相談では、この眠りの質を高めることを考慮して漢方薬を提案しています。
漢方で眠りに深く関連するのは、主にです。
血が不足していると心と肝に影響を与え、眠りを妨げることになります。

をキーワードにタイプ別に漢方薬をご紹介していきます。

 


<<漢方薬>>


◆寝つきが悪い(入眠困難)


血が十分でなく肝を滋養できていない、またはストレスなどで肝の機能が低下すると、体内に熱がこもりやすくなり、イライラなどがおこります。そして、その熱が上に昇り、眠りを妨げると考えます。


温胆湯(うんたんとう)

加味逍遙散(かみしょうようさん)

柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)

酸棗仁湯(さんそうにんとう)

 


◆夜中に何度も目が覚める(中途覚醒)


精神を安定させる心血の不足とも言い、血が十分でなく心を滋養できていない状態の時、不安感やくよくよ悩んでしまいやすくなり、かつ心血不足で頭がクールダウンできないため、眠りが浅くなってしまいます。


心脾顆粒(しんぴかりゅう)

婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)

天王補心丹(てんのうほしんたん)

甘麦大棗湯(かんぱくたいそうとう)

 


<<養生>>
質の良い眠りには、生活習慣を改める養生がとても重要ですのでご紹介します。


🔶朝起きたら、必ず日光を浴びる

🔶朝食でタンパク質を摂りましょう。朝食抜きは厳禁

🔶日中は、しっかり体を動かしましょう

🔶お昼寝は20分以上しない

🔶午後以降、カフェイン(コーヒー、緑茶など)は控える

🔶夜のお酒は程々に。寝酒は眠りを浅くするので控えましょう

🔶寝る3時間前には食事は済ませる。間食も控える

🔶お風呂に入浴して体の芯を温める(寝る2時間前が目安)

🔶寝る前のスマホは控える。目へ強い光の刺激が有ると脳が覚醒します。


以上、ご紹介した漢方薬と養生で眠りの質があがり、快眠の手助けになれば幸いです(^^)

 


<注意>
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより使う漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談して適切な漢方薬を購入し服用してください。

熊本 菊陽町 菜の花漢方堂