風邪症状への対応と漢方薬

🔶感冒初期🔶
風邪の引き始めは、発熱、悪寒、咳、咽頭痛など複数の症状が同時に起こってくることが多いです。

漢方では複数の症状から風邪のタイプを見極めて漢方薬を使い分けます。
イメージしやすいように赤いカゼ青いカゼ黄色いカゼの3タイプに分けて説明していきます。


◎青いカゼ
<特徴的な症状>
ぞくぞくと悪寒がする、発熱(汗は出ていない)、頭痛、咳


このような時は、身体を温めて、汗を出させて外にカゼを追い出す漢方薬を使います。


漢方薬の一例)
葛根湯(かっこんとう)、麻黄湯(まおうとう)


<服用のポイント>
症状がでたら速やかに服用。


但し、次の注意をご留意ください。
※インフルエンザの流行期で、急な高熱と四肢の関節の痛み等がありましたら、まず病院へ行きましょう。
※小さな子どもの場合(小学校低学年くらいまで)、38℃以上の熱が数時間以上続くようなら、病院へ行きましょう。熱けいれん等で非常に危ない容態になる可能性もあるためです。

 


◎赤いカゼ
<特徴的な症状>
熱っぽい(発熱)、のどが腫れる痛む、頭痛、咳


このような時には、消炎抗菌作用をもつ漢方薬を使います。


漢方薬の一例)
涼解楽T(りょうかいらく)
金羚感冒散(きんれいかんぼうさん)


<服用のポイント>
症状がでたら速やかに服用。

 


◎黄色いカゼ
<特徴的な症状>
悪心、吐き気、嘔吐、発熱、下痢、倦怠感


いわゆるお腹の風邪や夏風邪と呼ぶような時です。制吐作用、清熱解毒作用の生薬を含む漢方薬を使います。


漢方薬の一例)
勝湿顆粒(しょうしつかりゅう)
藿香正気散(かっこうしょうきさん)


<服用のポイント>
症状がでたら速やかに服用。


感冒初期3タイプの漢方薬一例を示しましたが、強くでている症状によってはプラスした方が良い漢方薬も以下に示します。


・咳が強い時
麻杏止咳顆粒(まきょうしがいかりゅう)
一風飲 せき止め(いっぷういんせきどめ)


・頭痛がひどい時
頂調顆粒(ちょうちょうかりゅう)


・透明な鼻水が多い時
小青竜湯(しょうせいりゅうとう)


・黄色っぽいネバネバした鼻水、痰が多い時
鼻淵丸(びえんがん)
辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)
桔梗石膏(ききょうせっこう)

 

 


🔶感冒中期以降🔶
カゼを引いてから4日以上たってくると、寒気・熱が残っていたり、悪寒発熱を繰り返したり、食欲がなかったり、倦怠感があったりしてきます。


このような時に使う漢方薬の一例を示します。
小柴胡湯(しょうさいことう)
柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)
参蘇飲(じんそいん)


但し、カゼが長引いてくると、咳がなかなか治まらない、体力低下してきたなどの状態によって、漢方薬を足したり、変えたりと対応が変わってきます。カゼが長引いた時は、漢方の専門知識を有する医師、薬剤師、登録販売者へ相談することをお勧めします。


カゼは万病のもとです。本ページを参考にしていただき、自分や家族にあう漢方薬を常備し、カゼを引いた時に速やかに対応していただけると幸いです。


熊本 菊陽町 菜の花漢方堂

夏カゼ予防の養生

<徒然養生>



夏カゼ予防の養生

夏カゼの大きな特徴を挙げると
食欲不振、嘔吐、下痢、発熱、頭重
です。

夏カゼになるメカニズムを考えてみますと大きく2つの要因があります。


1つ目は、冷たい飲食物をとってしまい胃腸機能を低下させてしまう。冷えて空気が乾燥している家、会社、学校、お店などの冷房の室内では一層、胃腸機能を低下させやすいです。


2つ目は、外から冷房のきいた室内に入り、汗がいえる前に冷えた空気で体が冷やされ、冷えが入り込み、発熱などが起こる


夏風邪を引いてしまった場合は、漢方薬を使うことをオススメします。できる限り早く漢方薬を使うことがポイントです。夏カゼをこじらすかどうかは、時間との勝負です。

 


ここからは、夏カゼ予防の養生をご紹介します。


🔸冷たい飲食物を避ける。(または胃腸を冷やさない工夫を)
冷房の部屋でのデスクワークの人は、冷たい飲み物は摂らない
そうめん、冷やし中華などの時は、温かい汁物やお茶と一緒に、そしてよく噛むこと

🔸温性の食材を毎日の食事に摂り入れましょう
生姜、しそ、ねぎ、玉ねぎ、みょうがなど

🔸風邪が入り込む首元、背中等を冷えから守る
タオルなどを首元に巻くと良いです。たくさん汗をかいているが、着替えできない場合は、背中へタオルを一枚いれると冷え予防になります


最近、相談を受けていると、冷房の部屋に長時間居るデスクワークのお仕事の人に夏カゼが多かったので、今回の養生を書きました。

上記、養生を実践して健康に夏を乗り切りましょう😊

熊本 菊陽町 菜の花漢方堂