頭痛(体の内部が原因の内傷頭痛)

内傷頭痛は、体の臓腑の機能失調が原因で起こる頭痛です。

どの臓腑が頭痛の主な原因になっているかを推測するとき、
併発する症状を1つの目安にします。

【内傷頭痛と併発する症状】

・食欲が無く・食べれていない
・疲れやすい
・貧血気味でめまいがする
・過度なダイエットしている
が主に失調している可能性が高いです
->『「脾」が影響する頭痛』をご参照下さい

 


・強いストレスを受けている
・イライラする
・自律神経の失調
・めまい・ふらつきがある
が主に失調している可能性が高いです
->『「肝」が影響する頭痛』をご参照下さい

 


・寒がる、手足が冷える
・めまい、耳鳴り
・腰がだるい
・長く病気を患っている
が主に失調している可能性が高いです
->『「腎」が影響する頭痛』をご参照下さい

 


 


内傷頭痛は、原因が1つではなく、複数が絡んでいる場合が多いです。
また、日々の生活習慣から頭痛の原因が作り出されていますので、養生と漢方薬を組み合わせて治していくことが大切です。


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《「脾」が影響する頭痛》

脾は、食べ物を消化し、摂り入れ、栄養分を上に引き上げる機能を持ちます。
脾の機能が失調すると以下に示す、栄養が届かない、足りないための頭痛が起こります。

気虚頭痛・・・頭まで栄養が届ける力が無くて起こる頭痛
血虚頭痛・・・頭に送る血に栄養/量が足りなくて起こる頭痛
痰湿頭痛・・・溜まった湿が、栄養を頭へ送ることを阻害して起こる頭痛

<漢方での対応>
脾の機能を回復させ、気(エネルギー)・血を補い、湿を取り去るなどの漢方を組み合わせて治していきます。


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《「肝」が影響する頭痛》

肝は、血を蔵し、体の巡り制御する(疏泄)作用を持ちます。
この肝の機能が失調すると、頭へ陽気が上がりすぎ、頭痛を起こします。
肝に関する頭痛は急性、慢性のどちらでも起こります。

急性の一例として、強い怒りとともに疏泄作用が失調し、頭へ熱があがり頭痛が生じる
慢性の一例として、肝と脾はつながっており、脾の機能が失調し、材料不足から血が作り出せず不足し、
肝に蔵する血が不足し、陽気をとどめておくことができず頭に上り頭痛を起こします
脾が影響する頭痛とも言えます。

<漢方での対応>
頭に昇った陽気を下げる、血を補う、肝の機能を回復させるなどの漢方薬を組み合わせて治していきます。


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《「腎」が影響する頭痛》
腎は、発育成長、生殖機能を担う生命活動のエネルギー(腎精)を貯蔵する働きを持ちます
加齢、過労、長期の病気などで腎精がなくなり、腎の機能が失調すると、
体を温めることができなくなり、寒が生じ、血管が収縮するなどで血液が滞り、栄養が頭へ行き届かず頭痛が起こります。
腎精は血を作る元であり、腎精の不足は血の不足を招き、先に述べた血虚頭痛を起こします。

<漢方での対応>
腎精が不足により、脳を養うことができず、かつ体を温める力も無くなっています。
腎精を補う、体を温めるなどの漢方薬を組み合わせて腎の機能を回復させ、頭痛を治していきます。


繰り返しになりますが、日々の生活習慣から頭痛の原因が作り出されています。養生と漢方薬を組み合わせることが大切です。