3)お腹あたりの冷え

3)お腹あたりの冷え


お腹あたりが冷える時、例えば冷たい飲食物をよく摂っていたり、おしゃれで寒い日でも薄着でいたりなどの外の影響(外因)があります。この外因に関しては、養生で対策をお話します。今回は、主に気(エネルギー)、血の不足、血の巡りが悪いなどの内因によるお腹あたりの冷えについて話します。

 


<原因>


お腹あたりの冷えは、手足の冷えでお話している原因とほぼ共通します。
・食べる量が少ない
・食べても消化不良等で栄養が十分吸収できていない
・冷たい飲食物をとり消化力が低下
・脂物、甘い物、味の濃い物の食べ過ぎで血の巡りが悪い
・大病後で体力が著しく低下している
・長年の運動不足で体の代謝能力が落ちている
・加齢

上記原因により、気(エネルギー)血が不足や血の巡りが悪くなります。


<漢方薬の一例>


では改善するために使う漢方薬の一例を示します。

温めて、気血を補う生薬で構成された漢方薬をベースに使います。

「瓊玉膏(けいぎょくこう)」「婦宝当帰膠B(ふほうとうきこう)」「理中湯(りちゅうとう)」「麦味参顆粒(ばくみさんかりゅう)」

そして、各個人の体質、状態によって、補助する漢方薬を併用します。
例えば
胃腸虚弱が強い場合
「イスクラ健胃顆粒S(けんいかりゅう)」「イスクラ健脾散エキス顆粒(けんぴさんえきすかりゅう)」
血の巡りが悪い場合は、
「冠元顆粒(かんげんかりゅう)」「芎帰調血飲第一加減(きゅうきちょうけついんだいいちかげん)」

 


<養生>


次に養生を示します。
・食事は温かい、消化の良い物を腹八分目で摂る
(腹いっぱい沢山の量を食べると消化力が落ち、逆効果です)
・冷たい飲食物は避ける。特に冷たい飲み物での食事は控える
・脂物、甘い物、味の濃い物は少なめに
・体力が落ちている人は、無理せず、十分な睡眠をとる
・運動不足の方は、適度な運動で筋肉をつける


※注意
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談して適切な漢方薬を服用してください。

冷え性

冷え性の相談は、秋冬だけが多いと思われがちですが、一年を通して相談がある症状です。
冷えにも色々あります。相談を受けていて多いのは


1)手足の冷え
2)下半身の冷え
3)お腹あたりの冷え
4)体全体の冷え


です。この主な4つの冷え症状に対しての発生原因、及びよく使う漢方薬の一例や養生をお話します。

各症状ごとにリンクを張っていますので、クリックしてご参照ください。