正月明けの胃腸養生

<徒然養生>



正月明けの胃腸養生

正月明け、増える相談の1つに胃腸の調子が悪いというのがあります。

正月の暴飲暴食で
🔹胃もたれ
🔹腹痛
🔹便秘
🔹下痢
などの症状を主に訴える方が多いです。

七草粥の日だけで治ればよいですが、1,2日で調子が戻るのは難しい様です。
主な4症状への養生法の一例を以下に示します。


🔶「胃もたれ」
もともと消化力が弱い体質の方に多いです。食べ過ぎで胃もたれとなった場合は、食べる量を5,6割くらいにし、温かく、消化の良い物を食べて、回復を待つのが適切です。
この時、肥甘厚味(ひかんこうみ)と呼ぶ、脂物、甘い物、味の濃い物と冷たい飲食物は極力控えましょう。


🔶「腹痛」
日頃から胃腸が弱い方に見受けられます。冷たい物と一緒に飲食したり、単純に食べすぎたりで起こる腹痛の方が多いです。消化力を上げ、温めて止痛する漢方薬を使い腹痛をとっていきます。その後、腹八分目、且つ温かい消化の良い食べ物を摂るようお話します。


🔶「便秘」
脂物、甘い物、味の濃い物の食べ過ぎで、一時的な便秘であれば瀉下剤を使い、まず通じさせることを優先します。その後は、腹八分目の食事で、豆類、きのこ類、海藻類などの食物繊維を積極的に摂って、腸内環境とお通じを整えましょう。この時、強い瀉下剤を長期間連用するのは控えた方よいです。特に小さなお子さん、高齢者は、強い瀉下剤の使用は要注意です。必ず専門家と相談しながら使いましょう。


🔶「下痢」
まずは、止瀉剤をメインに下痢を止めることを優先します。その後、養生としては、便秘と同様で、腹八分目の食事で、且つ豆類、きのこ類、海藻類、発酵食品(味噌、ぬか漬け、納豆)などを摂って、お通じを整えていきます。
1点注意があります。急性の下痢の場合は、ウイルス性胃腸炎などの可能性があります。この場合、下痢を止めるべきでは無いため、まずはお医者さんへ相談しましょう。


上記に挙げたのは、あくまで一例です。胃腸の調子がいまいちという方は、お気軽にご相談ください。

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日本の夏🌻、胃腸の冬

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日本の夏🌻、胃腸の冬

何の話?と思われた方が多いと思います😆

まずは昔話を聞いてください。

日本で冷蔵庫が普及し始めたのは昭和30年代後半。そして、昭和50年あたりで、ほぼ全世帯が保有するようになりました。
この間、わずか10年ちょっと。
驚くべきスピードで冷蔵庫は普及し、長期保存ができて、且つ冷たい物がいつでも飲食できるようになりました。

でも・・・
人の体は10年ちょっとで劇的な進化もしないですし、冷たい物への順応もできません。

昭和50年代あたりから夏なのに胃腸が冬の寒さにさらされることになります。胃腸の冬の時代といっても過言ではないです。

ところで、冷蔵庫の温度をご存じですか❓
設定にもよりますが、約2〜6℃です。
体温と約30℃の差があります。

想像してみてください。
約2〜6℃の飲み物が一気に胃腸に入ってきたら・・・
そりゃもう、胃腸を中心に何が起こったかもわからないうちに、内臓はフリーズ状態になります。
そう、冬にかじかんで動きが悪くなるのと一緒で、冷えた内臓は動きが悪くなってしまいます。

このとき、急性で起こってくる不調としては


・消化不良
・腹が痛くなる
・下痢
など


毎日続ければ、もっと重い不調を招くことにつながります。


では、
養生をご紹介します。と言っても単純明快です。

🔸夏でも常温以上の飲食物を摂るようにしましょう
🔸冷たい物を摂ったあとは、プラスで温かい飲食物をとりましょう
🔸生姜、紫蘇、ネギなどの温性の薬味を摂るようにしましょう


今回、養生というより
冷たい飲食物は、体にとって大きな負担だと言うことを知っていただきたくて書きました。

この夏、胃腸を冷やしての不調相談が少しでも減ることを願っています😊


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痰湿さんと冷水と養生

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『痰湿さんと冷水と養生』


・舌苔が厚い
・便はベトベトで軟便
・暑くもないのに汗がでる
・重だるい倦怠感がある
・口臭、便臭が強い  など


これらは、痰湿を持っている人の特徴症状なんです。
思い当たりますか?(^^)

このような症状の相談を受けて、痰湿改善のお薬を出すとき、必ず説明することがあります。

「人肌以上の温かい白湯でお薬を飲んで下さい」と。

この説明を聞くと、ほとんどの方が

「冷たい水で飲んでは駄目なんですか?」

と聞かれます

「駄目なんです。」


理由は、
今の痰湿症状が出ている大きな要因は、冷たい飲食物を頻繁に摂っているため発生している症状だからです。
昔から「脾(胃腸)は生痰の源」と言われており、胃腸を冷やして消化吸収機能を落とすと、水をさばききれなくなり痰湿(病的な水)を生み出します。
また、消化吸収機能失調するので、お薬の効きも悪くなります。

痰湿の症状は、漢方薬を飲むだけでは回復を見込めません。

何よりも養生が大切。
養生とは、冷たい飲食物をできるだけ控えることです。

家庭にほぼ100%と言っていいくらい冷蔵庫が普及している現代は、すぐに冷たい物を飲食できるので、痰湿による体の不調になりやすくなっています。
よって、自分で冷たい飲食物を、どれだけ自制できるかにかかっています。

逆に言うと、漢方薬を飲まなくても、冷たい飲食物を摂らなければ、痰湿症状は回復していくとも言えます。

 


夏本番
キンキンに冷えた飲み物を欲しくなりますが、
少し体のことを考えて、その一杯を温かい飲み物にかえてみませんか


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