五労(何事も過ぎたるは・・・)

徒然養生



五労(ごろう)~何事も過ぎたるは・・・~

最古の医学書「黄帝内経」に病みやすい動作として、「行・視・坐・臥・立」の五労が記されています。

【行】歩き過ぎることは、筋の過労
足がつったり、足の痛みがなかなか収束しなかったりします。無理せず休むことが養生です。

【視】目を使い過ぎることは、血の過労
血を消耗して潤い不足となり、ドライアイ、かすみ目を起こします。スマホ、高解像度テレビ、パソコンの長時間視聴を極力控えましょう

【坐】座り続けることは、肉の過労
動かないため、気血水の巡りが悪く代謝が落ち、筋肉が落ちてきます。1時間に1度は立って、運動をしましょう。オフィスの階段を上り下りしたり、お散歩するのも良いです(^-^b

【臥】寝たきりは、気の過労
気血水の巡りが悪く代謝が落ち、動いていないのに疲れやすくなります。病気で動き回れない人は、無理のない範囲と態勢でストレッチや軽い筋トレを行ったりして体を動かしましょう。病気でもないのに寝て食べて動かない人は、やることは1つ。( ̄ー ̄)適度に運動しましょう

【立】立ちっぱなしは、骨の過労
骨や関節を傷めます。1時間に1度は座るようにしましょう。仕事上座れない場合は、屈伸などで足を動かし、同じ立ち姿勢をとらないようにしましょう。そして、1日の終わりに足のストレッチやマッサージで足をいたわりましょう。


余談ですが
最近、相談を受けていると、「視」、「坐」による体の不調を訴える方が特に多いです。

休みは、大自然で動き回るのが何よりも養生です(⌒^⌒)b

熊本県 菊陽町 菜の花漢方堂

冬の養生

徒然養生



冬の養生

最古の医学書と言われる黄帝内経に「冬の養生」が書かれています。ポイントをまとめると4つ。


1)夜は早く寝て、朝は日が昇ってから起きる
2)温かい衣服で防寒し、寒さで陽気が損なわれないようにする
3)過労して汗をかき、陽気を逃がすことがないようにする
4)あれもこれもしなければという心を持たず、心を落ち着かせる


1)~4)で言いたい事は、陽気の低下を防ぎ、どうしても低下する分は養生で補うことです。
ちなみに陽気は、食べ物から体の色々な物を作ったり、不要な物を壊したりする力であり、代謝とイメージすると良いです。

1)の場合
陽気が1年で低下している冬は、しっかり睡眠に時間をとることで体の修復、疲労回復が十分行えるように

2)の場合
体を冷やさないことによって、少しでも代謝の低下を防げるように

3)の場合
汗を作り、かつ体の外へ汗を出す事を減らすことによって、陽気を浪費しないように

4)の場合
あれもこれもしなければという気持ちによって、交感神経を優位にさせ、無駄に代謝を上げさせないように

という意味がそれぞれに込められていると解釈できます。

現代にも十分通じる冬の養生です。
冬場によく体調を崩すという方、良かったら、少しずつ実践して見て下さい(^^)

熊本県 菊陽町 菜の花漢方堂

冬は血の巡りを良くしましょう

徒然養生



冬は血の巡りを良くしましょう

冬は寒さで血管が収縮し、血液の流れが悪くなります。注意したいのは、脳卒中、狭心症、高血圧などですね。
気をつけたいのは何よりも体を冷やさないこと、そして寒暖差を避けることです

よって第1の養生は
★温かい衣服と食事を心がけ、体を温かい状態に保ちましょう

次に体が温かくても、血の質が悪いと巡りが悪くなります。
例えば、ドロドロ血(瘀血[おけつ])や、血が少ない又は成分に偏りがある(血虚[けっきょ])など

よって第2の養生は
★血液の質を良くする食材を摂り、血の巡りを良くしましょう

<瘀血さんには>
玉ねぎ、ネギ、ニラ、にんにく、らっきょう、青魚(さんま、いわし、あじなど)、黒酢、黒豆

<血虚さんには>
人参、ほうれん草、小松菜、黒ごま、黒豆、あさり、しじみ、レバー、ナツメ、レーズン、いちご

などの食材を意識して摂ると良いですよ(^^b


上記の養生で
血の質がよくなれば、血が円滑に流れだします。
血の流れが円滑になると血管の柔軟性が上がります。
血管の柔軟性が上がれば、高血圧のリスクを下げ、出血のリスクを下げることができます。

血の質を良くすることは、体の状態がプラス方向へ動き出しますので、ぜひ少しずつ実践してみて下さい。血の改善は時間がかかります。あせらず継続しましょう。


すでに、脳卒中、狭心症、高血圧などのリスクが高まっている方は、漢方薬がお手伝いできます(^^)

漢方薬は未病先防が得意ですので、リスク低減で服用することをお勧めします。
服用する漢方薬は、瘀血に対して『活血薬』、血虚に対して『補血薬』があります。体質、状態によって漢方薬は変わりますので、気になる方はご相談下さい(^^)

熊本県 菊陽町 菜の花漢方堂