春は漢方でニキビ予防&対策


『春は漢方でニキビ予防&対策』

立春からの3ヶ月は「発陳(はっちん)※」と言い、冬に体へ蓄えられた物(陳:古いもの)を外へ出して(発)、使っていく時期と漢方では考えます。

いわゆるデトックス期間であるこの時期は、顔などへニキビ、吹出物ができやすくなります。さらに、20℃超えて温かくなってくるため、患部で細菌が増えて症状が悪化しやすくもなります。

ニキビ、吹出物は、肺(大腸)、脾(胃)という臓(腑)に深く関連しますので、これらの臓腑をケアする漢方薬と養生で対応していきます。

 


それでは、ニキビ、吹出物に対する漢方薬と養生をご紹介していきます。


<<漢方薬>>


急性に多い、プクッと、ふくれてと赤くなっているニキビ、吹出物には
清営顆粒(せいえいかりゅう)
清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)

 


慢性化しているニキビ、吹出物には
荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)
温清飲(うんせいいん)

 


化膿しているニキビ、吹出物は
黄連解毒湯(おうれんげどくとう)
五味消毒飲加減(ごみしょうどくいんかげん)

 


(補足)
ニキビ、吹出物は、食事内容、生活習慣(多忙、ストレス、睡眠不足など)からの不調が起因していますので、その方に応じて原因を取り除く漢方薬を併用していいきます。


例えば
過食で便秘の方には、お通じを良くする漢方薬
血の巡りが悪い方には、血の巡りをケアする漢方薬
ストレスを強く受けている方には、気の巡りを改善する漢方薬
など

 

 


<<養生>>

養生は、ニキビ、吹き出物の症状がすでに出ているときも、予防するときも実践していただけたらと思います。


🔶暴飲暴食をしない
🔶肥甘厚味(脂物、甘い物、味の濃い物)を控える
🔶冷たい飲食物を控える
🔶春の旬の食材でデトックス
 オススメ食材
  フキ、タケノコ、菜の花、春菊、三つ葉、ヨモギ、ウド
🔶日付が変わる前に就寝し、十分な睡眠をとる
🔶入浴、適度な運動で発汗する
🔶毎日お通じがあるよう、生活を整える


以上です。漢方薬と養生で、うまくデトックスして、ニキビ、吹き出物で悩まない春を過ごしましょう。本ページが一助になれば幸いです(^^)

 


<注意>
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより使う漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談して適切な漢方薬を購入し服用してください。

熊本 菊陽町 菜の花漢方堂

漢方で丈夫で健康な骨づくり


『漢方で丈夫で健康な骨づくり』

加齢にともなう骨の弱りの相談をよくお受けします。
骨の弱りは、テレビ等でも広く知られているように閉経後の女性に多いです。自覚しないうちに骨が弱り、ちょっとしたことで骨折し、生活に大きな支障をきたしてしまいます。よって、日頃のケアがとても重要です。

補足ですが、骨折すると本人だけでなく、家族へ介護の負担をかけることにもなります。平均寿命が80才をこえる昨今では、骨を強くすることは、自分にも家族にも重要なことです。

次に、漢方による骨のケアをお話します。

漢方では、骨は「腎」という臓と密接に関わっています。よって、腎を養うため「補腎(ほじん)」と、必要な栄養を骨へ届けるために血の巡りを良くする「活血(かっけつ)」という2つが基本の対応となります。

養生としては、食事運動の2つが主になります。骨を強くすると聞くと、カルシウムとビタミンDだけに注目されがちですが、それ以外の栄養素もバランスよく摂り、かつ、歩く等の運動で骨に負荷を与え、「丈夫な骨が必要だよ」と身体に知らせないといけません。

 


では、補腎、活血の一例と養生をご紹介します。


<<漢方薬>>


腎を補う漢方薬


霊鹿参(れいろくさん)
双料参茸丸(そうりょうさんじょうがん)
八味地黄丸(はちみじおうがん)
六味丸(ろくみがん)
独歩顆粒(どっぽかりゅう)


※体質に併せて使う漢方薬は変わります。


血の巡りをよくする生薬配合の漢方薬


冠元顆粒(かんげんかりゅう)
疎経活血湯(そけいかっけつとう)
芎帰調血飲第一加減(きゅうきちょうけついんだいいちかげん)
婦宝当帰膠B(ふほうとうきこう)


※体質に併せて使う漢方薬は変わります。

 

 


<<養生>>


🔶バランスの良い食事で強い骨を形成しよう
 カルシウム、コラーゲン、リン
 ビタミンB、C、D、K
 タンパク質など


🔶冷たい飲食物は極力さけ、身体を冷やさない
冷えは血の巡りを悪化させます


🔶温かいお風呂に入る
身体が温まると気血水が巡ります


🔶歩くなどの運動で骨に負荷を加えよう
ながら運動として、かかと落としをオススメします


🔶日光浴でビタミンDを増やそう


🔶十分な睡眠をとる
睡眠は、骨の修復や成長を促します


以上です。

外で動きやすくなる温かい春になってきます。補腎と活血で丈夫な骨を作り、外に出て元気に活動できる一助になれば幸いです。

 


<注意>
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより使う漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談して適切な漢方薬を購入し服用してください。

熊本 菊陽町 菜の花漢方堂

春の不調は漢方で~情緒編~


『春の不調は漢方で~情緒編~』

前回にお話しておりますが、春は五臓の「肝」と「脾」に影響を与えやすい時期でもあります。
漢方の五行学説を見ると、肝と脾に深く関係している感情は


肝は、「怒」
脾は、「思」(心配、悩み)



となっています。


肝は、ストレスなどで抑制をうけると、肝に熱がたまり、その熱が頭へ上がります。その熱が怒りを誘発すると考えられています。


次に、ストレスなどが起因して、悩みすぎたり、心配しすぎたりすると、肝の疏泄(自律神経の制御)が乱され、胃腸が不調になります。

食欲不振、下痢などがおこり、栄養がうまく吸収されなくなると、身体を滋養する血が不足してきます。

人間は、血が十分でないと、”不安”や”過剰な心配”が起こるようになるので、脾は「思」という感情に深く結びついていると考えられています。


 


それでは、春の情緒不安定にご提案する漢方薬の一例と養生をご紹介していきます。


<<漢方薬>>


🟧イライラ、不安など、気持ちが不安定であるときのファーストチョイス。またはベースとして


逍遥顆粒(しょうようかりゅう)

 


🟧日頃から貧血気味で、思い悩みむことが多い又は強いようであれば


心脾顆粒(しんぴかりゅう)


🟧心配、不安、緊張などで、ときにお腹が崩れるようであれば


救心感應丸氣(きゅうしんかんのうがんき)


🟧焦り(焦燥感)が強く、頭が疲れているようであれば


能活精(のうかっせい)

 


<<養生>>


🔶しっかり寝る


寝付けない場合は、漢方薬の力を借りましょう。
酸棗仁湯(さんそうにんとう)柴胡加竜骨牡蛎湯などをよくご提案しています。


🔶食事は、消化の良い温かい物を腹八分目で


🔶お風呂へ浸かり、リラックス


🔶趣味に没頭、おしゃべりなどで不安や嫌な事は考えないようにする


🔶運動で気分転換

 


情緒の不安定は、数日で改善するものではなく、月の単位で回復させていきます。養生と漢方薬を併用しつつ、「少し時間がかかるけど回復する、大丈夫」という気持ちを持って進めていくと良い結果が得られやすいです。

上記をお悩みをお持ちの方がおられましたら、お気軽にご相談ください(^^)

 


<注意>
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより使う漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談して適切な漢方薬を購入し服用してください。

熊本 菊陽町 菜の花漢方堂