『長引く腰痛は漢方で改善』
店頭でも、長引く腰痛のお話をよく聞きします。今回は漢方での腰痛に対するアプローチをご紹介します。
まず、漢方で腰痛の原因を探る時、体の外と内で考えます。
体の外の腰痛の原因は、寒さと湿です。
次に、体の内の腰痛の原因は、
🔹主に老化(腎虚:じんきょ)
🔹血の巡りの悪化(瘀血:おけつ)
🔹体に害となる水(湿)がたまる(痰湿:たんしつ)
🔹気血が少なくなる(気血両虚:きけつりょうきょ)
などです。
※慢性腰痛の場合、何かしら体の内の原因を持っていることが多いです。
補足ですが、腰痛は上述の原因が単独ではなく、併さって生じることがほとんどです。
これらを踏まえて、当店でよくお聞きする腰痛の訴えをいくつか挙げながら使う漢方薬の一例をご紹介します。
<漢方薬>
日本は、四季があり湿度が高いです。よって、おのずと湿気と冷えが絡んできます。そのため、これらをケアする漢方薬をベースにすると良いです。
ベースとなる漢方薬は、次のどちらかをよく使います。
独歩顆粒(どっぽかりゅう) <- 冷えと湿に加え、腎の弱り(老化)があると判断した場合
五積散(ごしゃくさん) <- 冷えと湿があると判断した場合
◆冷えが強いときに、腰痛がひどくなる
五積散 + 桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう) or 附子理中湯(ぶしりちゅうとう) or 苓姜朮甘湯(りょうきょうじゅつかんとう)
◆加齢に伴い生じてきた腰痛(腰に力がでない、腰を使う姿勢が続かない等の訴えが加わることが多い)
独歩顆粒 + 八味地黄丸(はちみじおうがん)
◆血の巡りの悪さがある腰痛
五積散 + 冠元顆粒(かんげんかりゅう) or 疎経活血湯(そけいかっけつとう) or 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん) or 通導散(つうどうさん)
※昔、運動などで腰を痛めた方は、瘀血が1つの原因になる可能性が高いです。
◆産後の腰痛
独歩顆粒 + 芎帰調血飲第一加減(きゅうきちょうけついんだいいちかげん)
◆疲れてくると腰が痛くなったり、だるくなったり、重く感じる方
独歩顆粒 + 婦宝当帰膠(ふほうとうきこう) or 十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)
<養生>
🔶体を冷やさない
🔶お風呂に入浴し体を温める
🔶体操で体を動かす
※当店では腰痛の相談時、腰痛体操をお伝えしています。
いくつか腰痛のパターンを挙げ漢方薬をご紹介していますが、漢方薬の組み合わせは、その方の体質によって変わります。ぜひ、ご相談ください。
<注意>
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより使う漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談し、適切な漢方薬をご購入ください。
熊本 菊陽町 菜の花漢方堂