『夜になるとでてくる不調に』
相談を受けていると
「夜になると不調がでてくる」と、お話される方がおられます。
その中でよく挙がる、3つの症状があります。
①痛み
特徴は、痛みの場所は固定で、刺すような痛みが起こる
②ほてり、発熱
特徴は、手足がほてる、顔がほてる、夕方くらいから微熱がでる、寝汗が出るなど
③不安になる(不安感)
血液検査などで貧血傾向にあったり、少食または偏食の方に多いです
上記症状に対して、漢方視点で主な原因を挙げると
①は、瘀血(おけつ)。血の巡りが悪い状態
②は、陰虚(いんきょ)。熱を抑える栄養を含む潤いが少ない状態
③は、心血虚(しんけっきょ)。血が十分量なく、特に血の中に鉄分などミネラルが不足している状態
原因がわかれば、漢方薬と養生の出番です(^^)
<漢方薬>
一例を示します。
①瘀血(おけつ)による痛みには
血の巡りを良くする活血薬で対応します。
【注意】ほてり、のぼせ、出血傾向にある時は避けた方が良い漢方薬があります。また、痛みの部位により漢方薬が変わりますので、必ず専門家に相談してください。
冠元顆粒(かんげんかりゅう)
血府逐瘀丸(けっぷちくおがん)
芎帰調血飲第一加減(きゅうきちょうけついんだいいちかげん)
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
疎経活血湯(そけいかっけつとう)
②陰虚によるほてり、発熱には
潤いを増やす滋陰清熱薬で対応していきます。
【注意】漢方薬を服用しても回復に月単位の時間がかかります。あせらずじっくり取り組むことが大事です。
瀉火補腎丸(しゃかほじんがん)
杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)
六味丸(ろくみがん)
③心血虚による不安感には
脾(いちょう)を整え、栄養の吸収を改善し、血を補う生薬が配合されている漢方薬で対応していきます。
桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)
柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)
天王補心丹(てんのうほしんたん)
婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)
逍遙顆粒(てんのうほしんたん)
次に養生を示します。
<養生>
・体を冷やさない
冷たい飲食物は極力避ける。
冷房の部屋にいる方は、衣服で防寒を
・十分な睡眠をとる。日付が変わる前には就寝を
眠れないと言われる方が多いですが、横になっているだけでもよいです。
・バランスの摂れた食事を行う
ミネラル不足が多いので、わかめ、こんぶ、ひじきなどの海藻類は積極的に摂りましょう。
・深い深呼吸でリラックス(不安が生じる方)
吸った時間の倍の時間で息を吐くと良いです
例えば、5秒で吸って、10秒かけてゆっくり息を吐く
副交感神経が優位になり、体全体に血流が流れやすくなる
・不安を他の人に話す(不安が生じる方)
家族、友達など信頼できる人に不安になっていることを話しましょう
夜になるとでてくる不調は、これまでの悪い生活習慣が積み重なり生じていますので、漢方薬を服用しながら養生をしっかり実践しましょう(^^)
<注意>
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより使う漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談して適切な漢方薬を購入し服用してください。
熊本 菊陽町 菜の花漢方堂