夏は皮膚トラブルに注意


『夏は皮膚トラブルに注意』

夏になると、蕁麻疹、湿疹、接触性皮膚炎などの皮膚トラブルが発生しやすくなります。

急性の場合が多く、体の中からの対処としては、患部の状態


・赤い、熱を持っている、特に熱をもっていない
・乾燥、じゅくじゅく
・症状が全身に出ている、一部に出ている
など


を把握して、体質をお聞きしながら漢方薬を選定します。

次に夏場は、もう1つ重要なポイントがあります。皮膚表面の悪い細菌が繁殖しやすくなっていますので、細菌が繁殖して二次感染で悪化していないかを最優先で考えます。この時は、抗菌・抗炎症効果の外用剤を使います。漢方薬に固執せず、必要とあれば西洋薬を使います(^^)


補足として、皮膚トラブルを起こしやすい方の共通した生活習慣があります。


🔹偏食
🔹冷たい飲食物の摂りすぎている
🔹甘い物の間食を良くする
🔹疲労が残っている
🔹寝不足


このような生活習慣は、アレルギーが起こりやすくし、また免疫力が低下し炎症を抑える力が弱っている状態なので、皮膚トラブルを起こしやすくなります。

 


それでは、よくある皮膚症状に対する漢方薬の一例と養生をご紹介していきます。

<漢方薬>


◆蕁麻疹(じんましん)


急性の場合は、よくあるのが冷たい飲み物と一緒、冷たい麺類などをほとんど噛まずに食べることにより消化不良から起こります。(当店では夏場に多い症状の1つです)
蕁麻疹のファーストチョイスとして

消風散(しょうふうさん)

蕁麻疹が熱をもって赤くなり、化膿するような場合

十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)

皮膚の湿潤(じゅくじゅく)が強い場合、黄連解毒湯(おうれんげどくとう)などを合方することもあります。

胃腸が冷えて機能低下での蕁麻疹は、附子理中湯(ぶしりちゅうとう)、理中湯(りちゅうとう)、小建中湯(しょうけんちゅうとう)、黄耆建中湯(おうぎけんちゅうとう)、六君子湯(りっくんしとう)などを合方して、胃腸を温めてケアして皮膚炎の回復を手助けします。

 


◆湿疹やおでき


外からの細菌が起因して、赤く腫れ、化膿して痛む場合
荊防敗毒散(けいぼうはいどくさん)

※場合によっては、抗菌・抗炎症剤を含む外用剤も使用します

 


◆接触性皮膚炎


まず、皮膚炎を起こす原因物質の特定をし、それを身に着けない、触れないことが先決です。
特に夏場は、汗で皮膚炎を起こす物質が溶け出して起こることが多いです。今まで大丈夫だったけど、暑くなって皮膚炎が出だしたら十中八九これが原因です。

当店で原因だった物は以下。
イヤリング、ネックレス、指輪、時計のベルト、下着のワイヤやゴム、仕事で使うゴム手袋、野球のグラブ、テニスラケット/ゴルフクラブのグリップなど

皮膚炎を起こす対象物を触れないようにすると、症状が収まる場合が多いです。よって、短期間、痒みと炎症を和らげるために、消風散(しょうふうさん)などを使うことが多いです。また、細菌の二次感染が起こらないよう抗菌・抗炎症の外用剤も使ったりします。

 


◆あせも
当店では、漢方薬を使うよりも、市販の”あせもローション”が治りが早いのでそちらをご提案しています(^^)

 


養生としては、最初に挙げた生活習慣を正してもらうと皮膚トラブルを予防できますし、治りも早くなります。

<養生>


🔸食を見直す
バランスの良い、温かい食事、腹八分目でよく噛んで食べる。冷たい飲み物と一緒に食事を摂らない。

🔸十分な睡眠
体の修復は睡眠中に行われる為、十分な睡眠を

🔸患部は常に清潔に
汗をかいたら拭き取るなどしましょう。怠ると細菌の繁殖で悪化しやすくなります

 


皮膚トラブルでお困りの方は、まずはご相談ください。
患部の状態、体質に併せてお薬をご提案致します(^^)

 


<注意>
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより使う漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談して適切な漢方薬を購入し服用してください。

熊本 菊陽町 菜の花漢方堂

食欲不振の漢方薬


『食欲不振の漢方薬』

食欲不振と言っても原因は様々。ただ、相談をしていると、だいたい3つの原因による胃腸機能の低下に分類されるんです。


(1)過労、大病後、長く病気を患っている、少食などによるエネルギー不足(気虚)
(2)ストレス(気滞)
(3)偏食、間食、水分のとりすぎ(痰湿)


※原因は1つではなく、重なっていることの方が多いです。

因みに、暑さでの食欲不振は上記の(1)、(3)が原因であることが多い。(1)の場合は、もともとエネルギー不足のところへ、暑さで代謝が上がり、よりエネルギー不足で胃腸を動かすことができずに食欲不振になる。(3)の場合は、冷たい飲食物の摂り過ぎにより胃腸機能を低下させての食欲不振になります。


原因が特定できて、問診でその方の体質などがわかってくれば漢方薬はおのずと決まってきます。
では、食欲不振に対する代表的な漢方薬の一例をご紹介します。


<漢方薬>


健胃顆粒(けんいかりゅう)または香砂六君子湯(こうしゃりっくんしとう)
上述の3つの原因をすべてカバーするので、食欲不振のファーストチョイスで提案する漢方薬です。
痰湿、気虚、気滞のいずれかが強く出ている場合は、本剤をベースにして、各原因を補足する漢方薬を足していきます。


◆補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
体力が落ちて虚弱な状態で食が細くなっている人の食欲不振に


◆柴芍六君子湯(さいしゃくりっくんしとう)
ストレスが原因で、みぞおちあたりのつかえを感じているような食欲不振に


◆加味平胃散(かみへいいさん)
前に食べた物が残っているような食の滞りの胃もたれ、胸焼けなどでの食欲不振に


勝湿顆粒(しょうしつかりゅう)または藿香正気散(かっこうしょうきさん)
梅雨や夏場の湿度が高い暑い時期に、水や生もの摂り過ぎによる食欲不振に。
気分が悪い、ひどい時は嘔吐の症状を伴うことがあります。

 


次に食欲不振予防の養生をご紹介します。

<養生>


🔸温かい、消化の良い食べ物を腹八分目で

🔸脂っこい物、甘い物、味の濃い物、辛い物を摂りすぎない

🔸冷たい飲み物と一緒に食事を摂らない

🔸寝る3時間以内に間食はしない。

🔸体力低下、疲労蓄積の方は、休養をこころがける

🔸水分補給はほどほどの量で

 


食欲不振は、体を動かすエネルギー、体を作り/修復する材料が入ってこなくなることを意味します。長引けば、様々な不調のきっかけになり、または、今の不調をより悪化させてしまいます。

食欲不振が起こった時は、早めの対応が大切です。また、日頃から食欲不振にならないよう、養生を実践することが大事です(^^)

 


<注意>
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより使う漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談して適切な漢方薬を購入し服用してください。

熊本 菊陽町 菜の花漢方堂

口臭が気になったら漢方で改善


『口臭が気になったら漢方で改善』

口臭。
厚生労働省の口腔内症状に関する調査(1999年)だと、調査した33,000人のうち約10%が口臭が気になると回答しているそうです。

確かに口臭の相談は、当店でも1~2割くらいだなと実感しています。

口臭は、保険診療が適用されないですし、どの科の病院へ行けばよいかなど、困りますよね(^^)
漢方相談してみるのも1つの選択肢だと思います。

 


口臭での相談で話を聞いていると


①早食い
②冷たい飲み物で食事をする
③頻繁に間食
④暴飲暴食
⑤強い香辛料を頻繁に大量に使う
⑥口がよく乾く。潤い不足
⑦便秘気味


などの不摂生や症状を伴っている傾向があります。

これらは、口腔内が清潔に保ちずらいことを裏付けています。


①、②などは唾液が十分に出ないので菌が繁殖しやすくなります。
③は、口腔内が常に食べ物がある状態で、菌が繁殖しやすくなります。
④、⑤は、口腔内に負担をかけ炎症が起こりやすくなり、熱を持ち、臭いの原因になります。
⑥は、乾燥で菌が繁殖しやすくなります。
⑦は、熱が胃腸に溜まりやすくなり、繋がっている口腔内も熱を持ち、臭いの原因になります。

 


つぎに口臭を漢方的な視点で考えてみます。
口は脾(胃腸)の鏡と言われており、口腔内の症状は胃腸の状態を反映していると考えます。

特に口臭など口腔内のトラブルは、何らかの原因で胃に熱を持ち(胃熱)、その熱が口腔内に影響を及ぼしています。よって、胃熱を取り去ることで口腔内の炎症がとれ、臭いがなくなっていきます。

補足として、胃熱をとるために漢方薬を使いますが、歯磨き、歯間ブラッシングなどの口腔内ケアをしっかり行うことは大前提です。

では、漢方薬の一例をご紹介します。

<漢方薬>


桂枝五物湯(けいしごもつとう)
急性の歯茎の腫れ・痛み・出血、口内炎などが起因の口臭


甘露飲(かんろいん)
繰り返す口内炎、口の乾燥や粘つきを伴う慢性の歯周炎などが起因の口臭

 


つぎに養生です。基本的には最初に挙げた不摂生の逆を行えば良いです(^^)

<養生>


🔸毎日の歯磨きなどで口腔内を清潔に保つ
🔸よく噛んで、ゆっくり食べる
🔸冷たい飲み物で食事をしない
🔸腹八分目をこころがける
🔸香辛料はほどほどに

 


最後に、

「口臭の話をするのは恥ずかしいのですが・・・」

相談の会話が始まることが多いです。
当店では、プライベートをしっかり守られています。他の方に話が聞かれることはないですので、安心してご相談ください。

本ページで、口臭の悩みが少しでも解消されれば幸いです(^^b

 


<注意>
・糖尿病・尿毒症・肝硬変・肝癌など重い全身疾患由来の口臭というのがありますので、このような持病をお持ちの方、改善が困難な場合もあります。

・本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより使う漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談して適切な漢方薬を購入し服用してください。

熊本 菊陽町 菜の花漢方堂