秋が始めどき!!漢方で貧血対策


『秋が始めどき!!漢方で貧血対策』

一年を通して相談が多い貧血
秋の時期に貧血対策記事をよく書いています。それには理由があります。

会社勤めの方は、4,5月くらいに健康診断が行われることが多いです。

経験則ですが、漢方で貧血を改善する場合は、だいたいの人が4ヶ月以上かかります。
よって、秋くらいから始めると貧血の改善を感じている頃に、健康診断があります。血液検査の結果から、改善効果が数値でわかるという利点もあります。


では、貧血対策のお話に入っていきます。

貧血の症状を挙げると


・めまい、立ちくらみ
・顔の血色が悪い
・首、肩のこり
・動悸、息切れ
・爪が割れやすい
・朝起きれない
・眠りが浅い
・情緒が不安定 など

 


そして、貧血原因の多くは、悪い生活習慣にあります。


・栄養の偏り(偏食、少食)
・睡眠不足
・筋力不足
・不正出血(月経過多など)
・過労


等に、心当たりはございませんか?

 


漢方は、養生7割、漢方薬3割と言われており、特に貧血を改善していく場合、生活習慣を正す養生を実践できるかどうかで改善スピードが変わってきます。

まず、貧血の養生をご紹介します。
<養生>


🔶食養生


1)バランスの良い食事(タンパク質、ミネラル、ビタミン)
<オススメ食材>
肉やレバー(鶏、豚、牛)、タマゴ、納豆、豆乳、黒豆、あずき
人参、ほうれん草、小松菜、黒ごま
あさり、しじみ、牡蠣、なまこ、海藻類(わかめ、こんぶ、もずく、のり)
2)温かい物をよく噛んで、腹八分目の量を食べる
3)鉄などのミネラルは消化が悪いので、酢の物など消化を助ける酸味の物と一緒に摂ると良い
4)冷たい飲み物と一緒に食事を摂らない


🔶十分な睡眠をとって休養する
日付が変わる前には就寝を。
眠る4時間前には夕食をすませておくと睡眠の質があがります。


🔶適度な運動で筋力アップ
体の筋肉の70%は下半身にあるため、下半身から筋力をつけることをオススメします。
少しの距離は車やバス、自転車などを使わず歩いたり、階段を使ったり、ながらで「かかとの上げ下げ運動」など、生活に運動を取り入れると継続しやすくオススメ

 


次に例を示しながら貧血の漢方薬をご紹介します。
<漢方薬>


◆胃腸虚弱(脾気虚:ひききょ)で、食べても栄養が吸収をされず、血の材料が不足しての貧血
この場合は、まず胃腸を正すという根本をケアします。


イスクラ 健脾散エキス顆粒(けんぴさんえきすかりゅう)
イスクラ 健胃顆粒(けんいかりゅう)
補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
小建中湯(しょうけんちゅうとう)
山査子製剤(さんざしせいざい)


補血の生薬を含む漢方薬を併用すると回復が早まりやすいです
イスクラ 心脾顆粒(しんぴかりゅう)
イスクラ 婦宝当帰膠B(ふほうとうきこう)
イスクラ 参茸補血丸(さんじょうほけつがん)

 


◆月経過多での不正出血で、シンプルに血が不足しての貧血
補血と止血の生薬を含む漢方薬を併用しながらが良いです


イスクラ 婦宝当帰膠B(ふほうとうきこう)
イスクラ 参茸補血丸(さんじょうほけつがん)
イスクラ 心脾顆粒(しんぴかりゅう)
芎帰膠艾湯(きゅうききょうがいとう)

 


◆過労からくる睡眠不足
働きすぎで寝付けない、または眠りが浅くて睡眠不足など


酸棗仁湯(さんそうにんとう)
温胆湯(うんたんとう)
柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)

仕事で目を使いすぎている方に、以下をよく併用します
杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)

 


以上は、漢方薬の一例です。漢方薬は、その方の体質、年齢、生活スタイルなどで変わってきます。まずは、お気軽にご相談ください(^^b

 


<注意>
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより使う漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談し、適切な漢方薬をご購入ください。

熊本 菊陽町 菜の花漢方堂

寒暖差に負けないための漢方


『寒暖差に負けないための漢方』

酷暑の夏、そして残暑の初秋を過ぎ、やっと爽やかで過ごしやすい時期になってきました😊
でも油断は禁物。
1年で寒暖差が激しい月の1つが10月です。
気象庁のデータで、熊本市の10月の気温を確認すると


10月 旬ごとの気温(2023年)
上旬 日平均 21.7℃(最高27.0℃ 最低17.3℃)
下旬 日平均 16.2℃(最高23.3℃ 最低10.1℃)


日平均の気温差に注目すると、上旬と下旬で約5℃も低下します。
季節の変わり目は、よく体調を崩すと店頭で話される方がいます。この温度差に体が対応できないことが大きな要因の1つです。

漢方の視点でみても、この季節に体調を崩しやすい体質があります。この大きな気温差に対応できない体質で、


それは
”気血不足(きけつぶそく)”の体質
です。


※他にも体調を崩しやすい体質はございますが、その中でも多いものを挙げています


気と血は、身体を温めるなどの体温調節作用を持ちます。よって、気血不足状態では、寒暖差に対応できず体が冷えてカゼを引いてしまったりします。また、激しく変わる気温差へ対応するために、気血をいつもより消耗するため、体力が低下し、疲れやすくなったり、食欲不振なども起こってきます。


では、気血不足をケアし、秋の寒暖差に負けない身体づくりを手伝う漢方薬の一例と養生をご紹介していきます。


<漢方薬>
気血不足は、なんといっても脾胃(胃腸)を整えることが大事です。胃腸を整え、十分な栄養を体に取り込むことで気血不足が解消されます。


◆主に胃腸を整えて気血不足をケア
補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
香砂六君子湯(こうしゃりっくんしとう)
参苓白朮散(じんりょうびゃくじゅつさん)
人参湯(にんじんとう)
山査子製剤(さんざしせいざい)


◆血不足が強い場合を以下を単独、または上に列挙した漢方薬と併用
イスクラ 婦宝当帰膠B(ふほうとうきこう)
イスクラ 参茸補血丸(さんじょうほけつがん)
イスクラ 心脾顆粒(しんぴかりゅう)
イスクラ 麦味参顆粒(ばくみさんかりゅう)

 


<養生>


🔶食事は、腹八分目で消化の良い温かい物をバランスよく食べる


【オススメ食材】
米、山芋、さつまいも、里芋
かぼちゃ、人参、ほうれん草、小松菜、
玉ねぎ、ニラ、ネギ
大豆類(味噌、納豆、豆腐など)
きのこ類(しいたけ、えのき、しめじ)
鶏肉、卵など


🔶冷たい飲食物は極力避ける


🔶お風呂は、入浴し体の芯まで温める


🔶日付が変わる前に就寝し、十分な睡眠をとる


🔶過労は避ける


🔶適度な運動を、できれば毎日
ストレッチでも良いです。習慣化して続けましょう

 


気血不足の解消で、季節の変わり目の寒暖差に強い身体づくりをすると、冬の寒さにも強くなりますよ(^^)

 


<注意>
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより使う漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談し、適切な漢方薬をご購入ください。

熊本 菊陽町 菜の花漢方堂

 

唾液(だえき)は健康のバロメーター


『唾液(だえき)は健康のバロメーター』

口腔ケアのお話は、テレビやインターネットでよく耳にします。漢方でも口腔ケアは、健康を維持するうえで大事な要因と考えます。特に唾液は、体の調子を反映するバロメーターであるため、唾液に関する質問は相談でもよくします。

ちなみに漢方で唾液は、津液(しんえき:血液以外の体内の水液)に属し、涎(よだれ)唾(つば)に分けて考えます。


は、涎(よだれ)
は、唾(つば)


と深く関連します。


脾が弱ると気血水を体に留める力(固摂作用:こせつさよう)が弱くなるので、口から涎(よだれ)がでやすくなります。いわゆる唾液過多です。加えて、体の芯(脾を含む)が冷えることでも、脾が弱るため、口中に唾液が増えます。


腎が弱ると、潤いの不足、水の巡りの悪化が起こり、唾が出にくくなります。いわゆるドライマウスです。ドライマウスは、乾燥で細菌が増え、虫歯、歯周病になりやすくなります。高齢者ですと、唾液の減少で飲み込みにくくもなるため、細菌の繁殖も含め、誤嚥性肺炎の原因になります。


整理すると、唾液は、多すぎても少なすぎても体に害を及ぼすため、唾液が適切な量でることは、健康にとって欠かせないものです。

では、唾液が多い場合、少ない場合に対して漢方薬の一例をご紹介します。
<漢方薬>


◆脾が弱っての唾液過多


弱っている脾を立て直すことで、涎を留める力を取り戻す
補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
イスクラ 健胃顆粒(けんいかりゅう)


体の芯(脾を含む)が冷えをとり、涎を留める力を取り戻す
人参湯(にんじんとう)
小建中湯(しょうけんちゅうとう)
呉茱萸湯(ごしゅゆとう)


◆腎が弱っての口渇


腎の弱りを立て直し、潤いを補うことで、口中の潤いを取り戻す

イスクラ 八仙丸(はっせんがん)
イスクラ 杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)
イスクラ 瀉火補腎丸(しゃかほじんがん) <- ほてりが強い場合


<養生>


🔶胃腸に負担をかけない
暴飲暴食、冷たい物の飲食、刺激物の食べ過ぎを避ける


🔶体の冷えを防ぐ
温かい衣服、入浴、就寝時は布団で体を温め、冷やさない


🔶十分な睡眠をとる
慢性の寝不足は、腎を傷め弱らせます。日付が変わる前に就寝しましょう


🔶ドライマウスの方は、耳下腺、顎下腺、舌下腺をマッサージして唾液を促しましょう(それぞれ、優しく10回程押してマッサージましょう)
食事前に行うと、唾液がしっかりでて、消化を助け、飲み込みやすくなりますよ(^^b



男女とも、40代以降になると口腔トラブルが増加します。口の唾液をケアすることで、口腔トラブルを防ぎ、健康維持を心がけましょう。

 


<注意>
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより使う漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談し、適切な漢方薬をご購入ください。

熊本 菊陽町 菜の花漢方堂