漢方で快眠


『漢方で快眠』

相談で多い悩みの1つが不眠!!

眠れていないという相談で話を聞いていると
「7時間くらい寝ないといけないですよね」とお話される方がいます。

以前は、テレビの健康番組などでよく言われていたので、睡眠時間7時間程度が常識のようになってしまっています。
しかし、睡眠の研究も進んできており、年齢や体質などにより睡眠時間は変わるという認識になりつつあります。

相談で確認するのは、睡眠時間の長さより、寝入りから3、4時間深く眠れているかという、眠りの質についてです。
眠りの質が良いと、朝スッキリ目覚めて、前日の疲れも解消されています。


※注意:3,4時間寝れば十分ということではありません。適切な睡眠時間は人によって変わります


相談では、この眠りの質を高めることを考慮して漢方薬を提案しています。
漢方で眠りに深く関連するのは、主にです。
血が不足していると心と肝に影響を与え、眠りを妨げることになります。

をキーワードにタイプ別に漢方薬をご紹介していきます。

 


<<漢方薬>>


◆寝つきが悪い(入眠困難)


血が十分でなく肝を滋養できていない、またはストレスなどで肝の機能が低下すると、体内に熱がこもりやすくなり、イライラなどがおこります。そして、その熱が上に昇り、眠りを妨げると考えます。


温胆湯(うんたんとう)

加味逍遙散(かみしょうようさん)

柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)

酸棗仁湯(さんそうにんとう)

 


◆夜中に何度も目が覚める(中途覚醒)


精神を安定させる心血の不足とも言い、血が十分でなく心を滋養できていない状態の時、不安感やくよくよ悩んでしまいやすくなり、かつ心血不足で頭がクールダウンできないため、眠りが浅くなってしまいます。


心脾顆粒(しんぴかりゅう)

婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)

天王補心丹(てんのうほしんたん)

甘麦大棗湯(かんぱくたいそうとう)

 


<<養生>>
質の良い眠りには、生活習慣を改める養生がとても重要ですのでご紹介します。


🔶朝起きたら、必ず日光を浴びる

🔶朝食でタンパク質を摂りましょう。朝食抜きは厳禁

🔶日中は、しっかり体を動かしましょう

🔶お昼寝は20分以上しない

🔶午後以降、カフェイン(コーヒー、緑茶など)は控える

🔶夜のお酒は程々に。寝酒は眠りを浅くするので控えましょう

🔶寝る3時間前には食事は済ませる。間食も控える

🔶お風呂に入浴して体の芯を温める(寝る2時間前が目安)

🔶寝る前のスマホは控える。目へ強い光の刺激が有ると脳が覚醒します。


以上、ご紹介した漢方薬と養生で眠りの質があがり、快眠の手助けになれば幸いです(^^)

 


<注意>
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより使う漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談して適切な漢方薬を購入し服用してください。

熊本 菊陽町 菜の花漢方堂

 

春の不眠


<春の不眠>


環境が変わることも起因するのかもしれませんが、春に不眠のご相談は多いです。
不眠と言っても大きく分けて、寝付きが悪い(入眠障害)、何度も目が覚める(中途覚醒)、朝早く目がさめる(早朝覚醒)があります。


また原因は様々で、複数の要因が重なっていることがほとんどです。漢方は、西洋薬のように直接脳の活動を抑えて眠らせるのではありません。原因である身体の弱りを見極めて、漢方薬と養生で弱った部分を立て直すことによって、眠れる体に持っていきます。そのため、原因によって回復期間は数日~数ヶ月と幅は広くなります。


それでは、入眠障害、中途覚醒、早朝覚醒のタイプ別に代表例とそれに合う漢方薬をご紹介します。


<入眠障害>


ストレスの場合
ストレスでイライラが過ぎると気の巡りが滞ります。気の停滞は熱を生み、それが頭に上り熱がこもり入眠を妨げます。気を巡らし、熱が上がらないようにする漢方薬で自然な眠りを目指します。


【漢方薬の一例】
イスクラ逍遙顆粒(しょうようかりゅう)
イスクラ酸棗仁湯顆粒(さんそうにんとうかりゅう)
イスクラ温胆湯(うんたんとう)
柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)


【養生】
・柑橘系の果物、香草野菜などを摂り、気の巡りをよくする
・ハーブティーやアロマでリラックスする
・運動、音楽を聴く、趣味や好きなことに没頭、気の合う友だちとおしゃべりなどで上手にストレスを解消する


頭の使い過ぎなどの場合
脳が興奮状態で熱を持ち、寝付きが悪くなっているため、クールダウンさせる漢方薬を使います。


【漢方薬の一例】
イスクラ 酸棗仁湯顆粒(さんそうにんとうかりゅう)
羚羊角を主薬とした漢方薬


【養生】
・寝る1時間前に脳が興奮することは避ける(スマホ、動画視聴、ゲーム等)
・ハーブティーやアロマでリラックスする

 


<中途覚醒>


眠りが浅く、夢をたくさん見るの特徴です。何度も目が覚めるため、朝、疲れが残っていると訴える方が多いです。


血が不足している場合
考え過ぎ、悩み過ぎで脾(胃腸)を傷め、栄養吸収が少ないため血不足になり、血が少ないため脳を養えずに眠りが浅いということがあります。また、女性の場合、脾を傷めると血管に血をとどめておく力が弱くなるため、生理時に出血過多で血不足が生じ、中途覚醒になることもあります。
脾をケアしながら、血を補う漢方薬で眠りの回復を目指します。


【漢方薬の一例】
イスクラ 心脾顆粒(しんぴかりゅう)
イスクラ 婦宝当帰膠B(ふほうとうきこう)
イスクラ 参茸補血丸(さんじょうほけつがん)


【養生】
・消化の良い、温かい食べ物を腹八分目で食べて胃腸をケア
・よく噛んで食べる
・冷たい飲食物は控える
・趣味や好きなことに没頭、気の合う友だちとおしゃべりなどでクヨクヨ考えないようにする
・過労は避ける


痰湿(病理的な水)による場合
暴飲暴食、偏食(脂物、甘い物、味の濃い物の摂りすぎ)、お酒の飲み過ぎたりすると”痰湿”という病理的な水が体に溜まりやがて熱を持ちます。その熱が上がり、頭にこもるため眠りが浅くなります。痰湿と熱を取り除く漢方薬を使い、眠れるよう体を整えていきます。


【漢方薬の一例】
イスクラ 温胆湯(うんたんとう)
イスクラ 瀉火利湿顆粒(しゃかりしつかりゅう)
竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)


【養生】
・消化の良い、温かい食べ物を腹八分目で食べて胃腸をケア
・脂物、甘い物、味の濃い物の摂りすぎない
・冷たい飲食物は控える
・よく噛んで食べる
・少し息があがる程度の運動をする
・夕食と寝るまでの時間を4時間以上あける

 


早朝覚醒


老化と密接に関わる腎の弱りが原因です。潤いの源である腎が弱ると熱を冷ますことができなくなり、持続して頭をクールダウンさせて置くことができず、早く目覚めてしまいます。早朝覚醒は、ご年配の方に多いです。腎を補い、潤いを戻してあげる漢方薬を使い、しっかり眠れることを目指します。


【漢方薬の一例】
イスクラ 杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)
イスクラ 天王補心丹(てんのうほしんたん)
瓊玉膏(けいぎょくこう)
亀板を主薬にした漢方薬


【養生】
・消化の良い、温かい食べ物を腹八分目で食べて胃腸をケア
・脂物、甘い物、味の濃い物の摂りすぎない
・冷たい飲食物は控える
・体を冷やさない
・過労は避ける

 


以上が不眠タイプ別の漢方と養生法です。タイプは違いますが、養生は共通することが多いです。特に食べるタイミング、食べ方、食べ物の種類、食べる量の養生を守ると質の良い眠りが得られやすくなります。

ご参考にして頂き、良い睡眠の助けになれば幸いです(^^)

 


<注意>
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談して適切な漢方薬を購入し服用してください。


熊本 菊陽町 菜の花漢方堂