怒りからくる不調を漢方でケア


『怒りからくる不調を漢方でケア』

イライラして怒りやすい、不安でいろいろ考えてしまう、ため息がよく出るなど
心当たりがありますか?

体に現れる不調としては、


・胸脇部(横隔膜や横腹あたり)が脹ってくるしい
・便秘、下痢を繰り返す
・ゲップやガスが多くなる
・眠れず、よく夢をみたりする
・梅核気と言って、のどに物がつまったような感じがする


などになります。

このような状態を漢方では、気が滞っている(気滞:きたい)と捉えます。また、「」という感情に深く関係し、「」という臓が傷められていると推測します。

」は疏泄(そせつ:自律神経の働きに似たもの)をつかさどると言われております。よって、肝が傷められると自律神経系に支障をきたします。

ちなみに「」というと、
顔を真っ赤にして起こるイメージが強いですが、人間の怒りは


・思い通りにならなくて我慢からの怒り
・不公平なことへの怒ったり
・他の人の悪い行いをみて怒ったり
・家族、友人を守ろうとして怒ったり


など、とても複雑なんです。

上記のような怒りが程々で、怒りからくるストレスが貯まることなく発散されていれば体に症状として出てくることはありません。
ただ、現代はSNS、ニュースなどから得る情報が多く、自分とは関係ないことに対して怒りを覚えたりして、知らないうちに肝を傷めてしまっていることが多いです。

相談でも、「特にストレスは溜まっていないと思う」とご自身でお話されるかたでも、話を聞いていると気滞の症状がでている方は多くおられます。

ということで、今回は、怒りからくる気滞症状へご提案する漢方薬と養生をご紹介します。


<漢方薬>


◆イライラ、不安があるとき


逍遙顆粒(しょうようかりゅう)


併せて便秘を伴う時
桃核承気湯(とうかくじょうきとう)

 


◆胸脇部の脹るような痛みがある時


柴胡疎肝散(さいこそかんさん)
開気丸(かいきがん)

 


◆喉のつまりがあるとき


半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)

 


<養生>


🔶余計な情報を避ける


ストレス要因になるニュース、SNSなどの情報を避けることが大事です。


🔶ストレスを貯めないよう発散する


心許す友達や家族とおしゃべり、運動、推し活、趣味に没頭、ゆっくり入浴、アロマ


🔶暴飲暴食、冷たい飲食物をさける


弱っている胃腸へこれ以上負担をかけない


🔶日付が変わる前に就寝する


🔶朝の日差しを浴びてリフレッシュ


🔶気滞解消のおすすめ食材


香草野菜(セロリ、春菊、三つ葉、しそ)
柑橘類(オレンジ、みかん、グレープフルーツ、レモン、ゆず)
苦うり、レバー(牛、豚)イカ、あさり、しじみ

 


漢方薬と養生でうまく怒りを溜めずに発散して、心身ともに健康に過ごしましょう。(^^)

 


<注意>
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより使う漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談し、適切な漢方薬をご購入ください。

熊本 菊陽町 菜の花漢方堂

春の不調は漢方で~情緒編~


『春の不調は漢方で~情緒編~』

前回にお話しておりますが、春は五臓の「肝」と「脾」に影響を与えやすい時期でもあります。
漢方の五行学説を見ると、肝と脾に深く関係している感情は


肝は、「怒」
脾は、「思」(心配、悩み)



となっています。


肝は、ストレスなどで抑制をうけると、肝に熱がたまり、その熱が頭へ上がります。その熱が怒りを誘発すると考えられています。


次に、ストレスなどが起因して、悩みすぎたり、心配しすぎたりすると、肝の疏泄(自律神経の制御)が乱され、胃腸が不調になります。

食欲不振、下痢などがおこり、栄養がうまく吸収されなくなると、身体を滋養する血が不足してきます。

人間は、血が十分でないと、”不安”や”過剰な心配”が起こるようになるので、脾は「思」という感情に深く結びついていると考えられています。


 


それでは、春の情緒不安定にご提案する漢方薬の一例と養生をご紹介していきます。


<<漢方薬>>


🟧イライラ、不安など、気持ちが不安定であるときのファーストチョイス。またはベースとして


逍遥顆粒(しょうようかりゅう)

 


🟧日頃から貧血気味で、思い悩みむことが多い又は強いようであれば


心脾顆粒(しんぴかりゅう)


🟧心配、不安、緊張などで、ときにお腹が崩れるようであれば


救心感應丸氣(きゅうしんかんのうがんき)


🟧焦り(焦燥感)が強く、頭が疲れているようであれば


能活精(のうかっせい)

 


<<養生>>


🔶しっかり寝る


寝付けない場合は、漢方薬の力を借りましょう。
酸棗仁湯(さんそうにんとう)柴胡加竜骨牡蛎湯などをよくご提案しています。


🔶食事は、消化の良い温かい物を腹八分目で


🔶お風呂へ浸かり、リラックス


🔶趣味に没頭、おしゃべりなどで不安や嫌な事は考えないようにする


🔶運動で気分転換

 


情緒の不安定は、数日で改善するものではなく、月の単位で回復させていきます。養生と漢方薬を併用しつつ、「少し時間がかかるけど回復する、大丈夫」という気持ちを持って進めていくと良い結果が得られやすいです。

上記をお悩みをお持ちの方がおられましたら、お気軽にご相談ください(^^)

 


<注意>
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより使う漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談して適切な漢方薬を購入し服用してください。

熊本 菊陽町 菜の花漢方堂