鼻みず、鼻詰まり、後鼻漏は漢方で解決!!


『鼻みず、鼻詰まり、後鼻漏は漢方で解決!!』

二十四節気の『大雪(たいせつ)』になり、寒さが増してきました。店では、鼻みず、鼻詰まり、後鼻漏など鼻症状の相談が増えてきています。

冬は、寒さ、寒暖差、カゼなどに加えて、乾燥でホコリなどのハウスダストが鼻を刺激することで、鼻みず、鼻づまりを引き起こします。そして、鼻みず、鼻詰まりなどから口呼吸になり、カゼを誘引する方も多く見られます。

漢方の視点で、鼻みず、鼻詰まりなどの鼻症状をみるとき、”寒”,”熱”どちらの要因が強いかをまず確認します。理由は簡単で、”寒”,”熱”によって、使う漢方薬が変わってくるからです。

鼻みずが透明でスタスタ多く出て、鼻詰まりも伴っているときは、”寒”の要因が強いと捉えます。このような鼻の症状のときは、併せて、後鼻漏を訴える方が多いです。

一方、
鼻みずが黄色または緑色の色がついていてドロっと粘り気があり、鼻詰まりが伴っているときは、”熱”の要因が強いと捉えます。併せて、目の奥に痛みや頭重感を訴える方もおられます。いわゆる副鼻腔炎です。

余談ですが、
相談を受けていると、透明なスタスタ鼻みず鼻詰まりの症状がよく出る方が、疲れなどで免疫が落ちて、副鼻腔で細菌が繁殖し、炎症をともない熱の鼻みず鼻詰まりに変わっていくというパターンをよく経験します。

それでは、鼻の症状にあわせて、適する漢方薬をご紹介します。


<<漢方薬>>

◆寒が原因の鼻みず、鼻詰まり、後鼻漏


ファーストチョイスの漢方薬
  ????※


※一番オススメしたい鼻の漢方薬がありますが、販売メーカーより
 インターネットでの宣伝が禁止をされております。
 お店にお越しのさい、ご紹介致します。


体力がある方:小青竜湯(しょうせいりゅうとう)
虚弱な方:苓甘姜味辛夏仁湯(りょうかんきょうみしんげにんとう)

 


体を温め、水をさばく生薬で鼻みず、鼻詰まりに対処していくのは同じです。しかし、小青竜湯は体力があり急性かつ短期間の服用に向きます。一方、虚弱で体力がなく慢性化している方は、苓甘姜味辛夏仁湯が適しています。


補足)日頃からの予防や体質改善

衛益顆粒(えいえきかりゅう)
荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)


◆熱が原因の鼻みず、鼻詰まり、後鼻漏


ファーストチョイスの漢方薬
・エンピーズ

・辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)


寒性の生薬で炎症を鎮め、鼻みずを排出する生薬で増えた細菌を排出し、鼻詰まりとドロッとした鼻みずの改善をしてくれます。

 


次に鼻みず鼻詰まりでの養生をご紹介します。

<<養生>>
鼻みず鼻詰まりの根本原因は、”寒”です。よって、養生は、体の中に冷えを作らないことが最優先です。


🔶体を冷やさない

🔶冷たい飲食物を避ける

🔶マスクを着用し、寒暖差・乾燥・アレルギー物質などから敏感な鼻粘膜を守る

🔶十分に休養し体力を落とさないようにする

 


鼻みず、鼻詰まり、後鼻漏は、煩わしく地味にツラく、仕事や勉強など集中を要する作業の効率を落とします。長く続けば睡眠を妨げて不眠、口呼吸になり喉を傷めるなどして、次の大きな病気への引き金にもなります。よって、早めのケアで日頃の体質を改善することが重要になってきます。

鼻みず鼻詰まりでお困りの方は是非ご相談ください。症状と体質をしっかり見極め、適切な漢方薬と養生をご提案致します。


<注意>
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより使う漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談して適切な漢方薬を購入し服用してください。

熊本 菊陽町 菜の花漢方堂

カゼの季節、脾胃のケアで免疫を応援!!


『カゼの季節、脾胃のケアで免疫を応援!!』

脾胃(ひい)って、どの部分を指すんですか?」とたまに店頭で聞かれることがあります。

脾胃は、現代医学で言うと消化器官(口、食道、胃、腸)を含みます。(※脾胃は、他にも機能を持ちますが、ここでは説明を省略します。)

消化器官は、外から入ってきた飲食物が通ります。体に良い物だけでなく、害となる異物も混ざってきます。よって、体に悪い物が簡単に入ってこないために、腸には免疫細胞の約70%が集まっています。この腸管免疫が低下しないよう保つことが、体に悪いものを入れないために重要となります。また、腸管免疫は体全体の免疫力に影響を与えます。腸だけでなく、鼻やノド、肺、皮膚などから入ってくる、体に害を及ぼす細菌やウイルスから守るために非常に重要となります。

一方、

漢方で免疫にあたるものに衛気(えき)というものがあります。面白いことに、衛気(えき)は脾胃で生み出されます。

ピンと来られた方も多いと思いますが、言葉を変えただけで、東洋医学も西洋医学も同じことを言っています(^^)

ということで、
風邪が流行る今の時期は、脾胃をケアして、西洋医学で言う腸管免疫を低下しないようにし、カゼを予防する。そして、漢方視点で言うと、衛気(えき)を高めて、風邪などの予防をするとなります。

この脾胃を整える時に大事なのが食養生です。
食養生と言うと、食べ物の内容に意識が行きがちですが、他に


・食べる量
・食べ物の温度
・食べるタイミング


が大事です。

お店でお客さんへ伝えているのが


・バランスよく
・腹八分目の量で
・温かい物を
・ゆっくり、よく噛んで食べる
・食事は、朝昼夕と3度とる
・間食はしない
・食べて寝るまでに4時間以上あける


です。

 


そして、養生を実践しながら、体質的などに問題がある場合は、漢方薬のサポートを提案しています。漢方薬の一例をご紹介します。


◆胃腸が虚弱な方
・六君子湯(りっくんしとう)
・補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
・小建中湯(しょうけんちゅうとう)
・黄耆建中湯(おうぎけんちゅうとう)
・健脾散顆粒(けんぴさんかりゅう) <-併せて下痢を伴う方
・山楂子製剤(さんざしせいざい) <-消化力が弱い方

 


◆暴飲暴食の方
・健胃顆粒(けんいかりゅう)
・加味平胃散(かみへいいさん)
・清営顆粒(せいえいかりゅう)
・山楂子製剤(さんざしせいざい)
・大黄甘草湯(だいおうかんぞうとう) <-併せて便秘を伴う方

 


◆ストレスで脾胃の調子が悪い方
・逍遙顆粒(しょうようかりゅう)
・開気丸(かいきがん)
・桃核承気湯(とうかくじょうきとう) <-併せて便秘を伴う方

 


以上、脾胃をケアして、免疫力を維持する養生漢方薬のご紹介をさせていただきました。
冒頭でも述べていますが、カゼ、インフレンザが流行っています。本文を参考にしていただき、元気に冬を乗り切りましょう(^^b

 


<注意>
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより使う漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談し、適切な漢方薬をご購入ください。

熊本 菊陽町 菜の花漢方堂

体質別養生法 第7回 ~痰湿~


『体質別養生法 第7回 ~痰湿~』

7回にかけて紹介してきた体質別養生。今回が最終回です。
取り挙げる体質は、『痰湿(たんしつ)』です。

気血水の水が滞ると痰湿(たんしつ)という状態になっていきます。
イメージするとしたら、ネバネバの水の流れです。



痰湿でよく起こる不調としては


🔹体が重だるい、頭が重い(頭重感)
🔹吹き出物が多い
🔹太りやすい
🔹中性脂肪、コレステロール値が高い
🔹むくみやすい
🔹めまい
🔹悪心、嘔吐
🔹下痢、軟便
🔹排尿痛、残尿感
🔹関節の痛み
🔹口が粘る、舌に厚い苔
🔹口臭


などです。また、怪病多痰(かいびょうたたん)と言う言葉があります。”原因不明の症状は、痰湿(たんしつ)が絡む”ということ表した四字熟語です。

では、痰湿症状を立て直すための養生と漢方薬をご紹介していきます。
瘀血(おけつ)同様、痰湿という体質は、養生を徹底しながら、漢方薬の助けをかりると改善が早まります。養生もほぼ瘀血と一緒です。


<養生>


🔶肥甘厚味、アルコール控える
🔶冷たい飲食物、なま物を控える
特に甘い冷たい飲み物は避ける
🔶冷たい飲み物と一緒に食事をとらない
🔶湿気の多い場所を避ける
🔶夜食、間食を控える
🔶よく噛んで食べる
🔶適度な運動(少し息があがる程度)


🔶オススメ食材


白菜、大根、人参、カブ、緑豆もやし、ごぼう、里芋、タケノコ、こんにゃく
海藻類(わかめ、ひじき、昆布、のり)
きのこ類(しいたけ、えのき、なめこ)


次に痰湿体質で使う漢方薬の一例をご紹介します。
<漢方薬>


◆体が重だるい
勝湿顆粒(しょうしつかりゅう)
藿香正気散(かっこうしょうきさん)

 


◆めまい、めまいからくる吐き気
五苓散(ごれいさん)
柴苓湯(さいれいとう)
沢瀉湯(たくしゃとう)

 


◆胃部不快感、悪心、嘔吐
二陳湯(にちんとう)
健胃顆粒(けんいかりゅう)

 


◆下痢、軟便
健脾散エキス顆粒(けんぴさんえきすかりゅう)

 


◆排尿痛、残尿感
瀉火利湿顆粒(しゃかりしつかりゅう)
竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)

 


◆関節痛
清湿化痰湯(せいしつけたんとう)
疎経活血湯(そけいかっけつとう)
五積散(ごしゃくさん)


瘀血(おけつ)と同様に痰湿も、放って置くと重大な病気へとつながります。養生と漢方薬で早めに痰湿を改善し、未病先防で健康を維持しましょう!!

 


<注意>
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより使う漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談し、適切な漢方薬をご購入ください。

熊本 菊陽町 菜の花漢方堂