体質別養生法 第1回~気虚~


『体質別養生法 第1回~気虚~』

二十四節気の白露を迎え、夜が涼しくなり、日中の暑さも和らいで、秋の気配が深まり始める頃・・・のハズなんですが、まだまだ日中は30℃超えで、秋の気配が感じにくいですね(^^;

さて、これから7回にわたって、体質別の養生法を紹介していきます。

漢方では、7つのタイプに体質を分けて※、タイプにあった養生法と漢方薬などで、体の立て直しをしていきます。


※体質は、1つの体質だけではなく、2つ以上のタイプが合わさっていたりもします。

 


今回は、ご紹介するのは、『気虚(ききょ)』
イメージをもって頂くために、気虚を言い換えると”エネルギー不足の状態”を指します。



🔹冷えやすい
🔹手足が冷える
🔹疲れやすい
🔹風邪を引きやすい
🔹下痢をしやすい
🔹食が細い
🔹汗をかきやすい


などの症状を訴えるのが特徴です。

気虚(ききょ)の場合は、養生を継続的に実践し、漢方薬も併用して体を回復させていくと良いです。

<養生>


🔶十分な睡眠(休養)をとる
過度な仕事、勉強、運動は控えましょう


🔶胃腸に優しい食事を摂る
温かくて消化の良い物
食べる物はバランスよく
食べる量は腹八分目
冷たい物、脂っこい物は控える
冷たい飲み物と一緒に食事をしない


🔶オススメ食材
イモ類(山芋、さつまいも、じゃがいも、里芋)
かぼちゃ、きのこ類(えのき、しいたけ、しめじ)
卵、大豆、お米、
肉類(牛肉、羊肉、鶏肉)


※消化力が落ちている時は、肉類は無理にとる必要はないです。摂る時は、細かく柔らかく調理して消化に負担をかけないようにしましょう。

 


次に気虚体質に使う漢方薬の一例をご紹介します。


<漢方薬>


◆疲れやすい、または疲れを感じる
麦味参顆粒(ばくみさんかりゅう)
補中益気湯(ほちゅうえっきとう)

 


◆胃腸の調子がよくない
補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
六君子湯(りっくんしとう)
健胃顆粒(けんいかりゅう)
小建中湯(しょうけんちゅうとう)
加味平胃散(かみへいいさん)
山楂子製剤(さんざしせいざい)

 


◆風邪を引きやすいと感じる場合
衛益顆粒(えいえきかりゅう)
麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)

 


◆体の冷えを感じる場合
人参湯(にんじんとう)
芎帰調血飲第一加減(きゅうきちょうけついんだいいちかげん)
鹿茸製剤(ろくじょうせいざい)
紅参製剤(こうじんせいざい)

 


”気虚”の立て直しは、少し時間がかかります。経験則では月単位で回復していく方が多いと感じています。
養生と漢方薬で焦らず体を立て直していきましょう。上述の漢方薬は一例です。他にも色々ありますので、ご相談ください(^^b

 


<注意>
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより使う漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談し、適切な漢方薬をご購入ください。

熊本 菊陽町 菜の花漢方堂

ドライアイ、かすみ目は、体の中から潤し改善


『ドライアイ、かすみ目は、体の中から潤し改善』

気候は、乾燥しない暑い時期ですが、ドライアイ、かすみ目の訴えは多いです。

そもそも、残暑の今は、暑さで大量の汗が出ます。汗を出すためには、心臓をいつもより動かすため気(エネルギー)も血も消耗します。6月後半から、大量に発汗する気温が続いているので、上手に休養し、かつ栄養が補給できていないと、気血水が大量に消耗しているので、潤いが不足状態になっています。
そこへ、エアコンの乾燥した部屋に入れば、目を潤す力が減少しているため、ドライアイやかすみ目になりやすくなります。
昨今は、長時間パソコンでの仕事、ずっとスマホで動画視聴などをするため、目が拍車をかけて乾燥します。

対処としては、外から目薬をさしながら、体の中からも潤いを取り戻したほうが症状の改善を早め、かつ予防にもなります。


では、ドライアイやかすみ目でよく提案する漢方薬と養生をご紹介します。
<漢方薬>


◆目を使いすぎてのかすみ目、目の乾燥
杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)
石決明製剤(せきけつめいせいざい)


【併用】
・目の充血を伴っている場合
洗肝明目湯(せんかんめいもくとう)


・加齢から腎の弱りを伴う場合
滋腎明目湯(じじんめいもくとう)

 


<養生>


🔶こまめに目の休憩
1時間に1回、5分ほど目の休憩をしましょう。この時、スマホ📱を見るのはNGですよ(^^b
肩こりがある場合は、肩のこりをほぐすストレッチをしましょう。肩周りの血流が良くなると首から上への血流も良くなります。


🔶目の血行を促すツボをマッサージ
下図に示すツボを指の腹でやさしく押してあげましょう(10回程度)


🔶目の乾燥を防ぐ
エアコンの風が直接目に当たらないようにする。乾燥がひどい時は、目薬をこまめに使う


🔶十分な睡眠をとる
就寝1時間前から、スマホ、パソコン、テレビの視聴を控える


🔶目に良い栄養をしっかり補給
にんじん、山芋、ほうれんそう、大豆製品、肉・魚
ブルーベリー、クコの実(ゴジベリー)
などを積極的にとりましょう

 


目の乾燥は、目の病気を誘引します。目の病気で見えづらくなれば、たちまち生活に支障がでて、生活が不便になります。毎日のケアで目をスッキリさせて、快適に過ごしたいですね✨

 


<注意>
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより使う漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談し、適切な漢方薬をご購入ください。

熊本 菊陽町 菜の花漢方堂

残暑を乗り切る漢方の知恵


『残暑を乗り切る漢方の知恵』

日中の猛暑。あと一ヶ月くらいは続きそうですね😓。皆さん夏バテにはなっていませんか?

30℃を超える暑い日は、たくさん汗💦をかくため、🔥エネルギー(気)と💧水分(陰)を大量に消費します。漢方ではこれを、気陰両虚(きいんりょうきょ)といいます。

急激な水分の消耗は、水分を含む血液も減ります。血が減ると、心臓は、体を維持するためにもっと動くため、エネルギー(気)をより消費します。

そして、水の量が少ない川の流れが悪くなるのと同じで、血量が少ないと末端の流れが悪くなります。栄養が運ばれる量が減ると同時に、老廃物を持って返る量も減ります。

このダブルパンチで、疲労がたまる負のスパイラルに陥ります。

そして、8月も後半になってくると、かなり疲労が蓄積して次のような症状が出てきます。一般的に夏バテといいますね(^^)


🔹ちょっとした運動(階段の上り等)で動悸、息切れ
🔹倦怠感が抜けない
🔹胃もたれを起こしやすい
🔹食が細る
🔹すぐに疲れ、喋るのが億劫になる。声がか細くなる
🔹むくみやすい
など


漢方の対策としては、漢方薬で体の立て直しをはかり、養生で回復を早めます。この対策は、気陰両虚にならないよう予防にもなります。

では、漢方薬と養生をご紹介します。

<漢方薬>


◆気陰両虚のファーストチョイス
麦味参顆粒(ばくみさんかりゅう)


・気の不足が大きい場合、次を併用
補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
清暑益気湯(せいしょえっきとう)


・陰の不足が大きい場合、次を併用
味麦地黄丸(みばくじおうがん)
杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)
亀板製剤(きばんせいざい)

 


<養生>


🔸朝食は必ず食べる。消化の良い温かい物で

🔸こってり脂物、甘い物、味の濃い食べ物は程々に

🔸こまめな水分補給


ノドが乾いたと感じる前に適度に水分補給を
常温、または温かいお茶などがオススメ


🔸冷たい飲食物は極力避ける

🔸日付が変わる前に就寝し、十分な睡眠をとる

🔸日中の暑い時間の活動は避ける

🔸過労は避ける

 


以上です。

あと一ヶ月くらい続く暑い時期を漢方薬と養生で元気に乗り切りましょう😊

 


<注意>
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより使う漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談し、適切な漢方薬をご購入ください。

熊本 菊陽町 菜の花漢方堂