子宮筋腫(しきゅうきんしゅ)
子宮の筋層にできる良性の腫瘍のことをいいます。腫瘍は1つだけでなく、複数できることもあります。
子宮筋腫ができると
🔹月経痛
🔹過多月経
🔹過長月経
🔹貧血
などの症状が現れます。
また、子宮筋腫が大きくなり、周囲の臓器に影響しはじめると
🔹頻尿
🔹排尿困難
🔹便秘
🔹腰痛
なども症状として現れてきます。
上記症状から、「子宮筋腫かも?」と心当たりのある方は、病院の受診を推奨します。病院で検査を受けておくと、他に大きな病気が隠れていないかも確認できるので安心です(^^b
さて本題の漢方での子宮筋腫への対応に入ります。
漢方の視点で子宮筋腫は、血と水の滞りが直接の原因で生じていると考えます。なお、ストレスなどの気の滞り(気滞)は、血と水の滞りを発生させるので、気滞も二次的原因と考えます。
漢方薬の一例をご紹介していきます。子宮筋腫で生じる月経痛、貧血、便秘などへの対応としては、滞っている気血水を巡らすことが主になります。
<漢方薬>
◆月経痛が強い。経血に血塊がある
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
桃核承気湯(とうかくじょうきとう) <-便秘を伴う場合
血の滞りが強いと判断出来た場合は、次の生薬を併用
三棱(さんりょう)、莪朮(がじゅつ)、水蛭(すいてつ)など
水の滞りが強いと判断出来た場合は、次の生薬を併用
薏苡仁(ヨクイニン)など
◆過多月経
阿膠製剤(あきょうせいざい)
◆貧血
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
心脾顆粒(しんぴかりゅう)
◆月経不順
芎帰調血飲第一加減(きゅうきちょうけついんだいいちかげん)
【補足】
・気の停滞を伴う場合は、気を巡らす漢方薬を併用します
四逆散(しぎゃくさん)、逍遙散(しょうようさん)、柴胡疎肝散(さいこそかんさん)
・痰飲を伴う場合は、去痰の漢方薬を併用します
二陳湯(にちんとう)
<養生>
🔸体を冷やさない
食事:冷たい飲食物を極力避ける
衣服:特にお腹より下を冷やさないよう心がける
風呂:シャワーだけですませず。しっかり湯船につかり体の芯まで温めましょう
空調温度:1年を通して、外気で体が冷えすぎないよう注意しましょう
🔸食事はバランスよく
偏食、少食による血不足、また、脂っこい物、甘い物、味の濃い物のとりすぎによる血の巡り悪化に注意しましょう。相談時、体質に併せて適切な食材をご紹介しています。ご相談ください。
🔸食べ過ぎ、暴飲暴食、間食に注意
三度の食事以外での間食を極力減らしましょう。特に寝る前の飲食は厳禁
🔸適度な運動を心がける
運動は、気血水を巡らせてくれます。
デスクワークの方は、積極的に運動しましょう
🔸十分な睡眠をとる
血を作るには、十分な睡眠が必要です。夜更かしせず、しっかり寝ましょう。
血が十分あれば、血の巡りもよくなります。
🔸長期間のストレスを避ける
長期間ストレスがある方は、ストレス対象から距離をおく、適度に発散するなどして、ストレスを受けないまたは溜めないようにしましょう。
養生は、いきなり全部実践するのは困難です。できるところから、少しずつ実践していきましょう(^^)
<注意>
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより使う漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談し、適切な漢方薬をご購入ください。
熊本 菊陽町 菜の花漢方堂