『子午流注で、不調知らずの体づくり!!』
「子午流注(しごるちゅう)って、何?」と思われる方、多いと思います。
子午(しご)は時刻のこと、流注(るちゅう)は気血の流れを指しています。もう少し説明すると、気血の流れで活発になる体の臓腑を、時刻にあてはめて表したものです。二千年前の医学書「黄帝内経(こうていだいけい)」には、子午流注に沿った生活を行うことで、体が健康に保たれることが書かれています。
さて、漢方相談で色々な不調を聞いていると、この子午流注で守れていないポイント(時間帯)が共通しています。今回、この守れていないポイントの4つと、なぜ改善しないといけないのかをお話したいと思います。
<不調者に多い、子午流注の守れていないポイント>
①夕食が遅い
②寝る直前までテレビやスマホを視聴
③日付が変わってから就寝
④朝食を食べない
※相談で受ける不調のほとんどが、上の4つのどれかに該当します。因みに、全部該当という方も多い(^^;
①「夕食が遅い」は、17時~19時(腎)が守られていない
腎は、精(せい)と呼ぶ生命エネルギーを蓄える臓です。
この時間に精の元になる食べ物をとり、補給することで、これから朝までに体で行われる体の修復、疲労回復などが十分できるようになります。
よって、夕食が遅いと補給が遅れ、体を回復する時間に必要な栄養が間に合わず、翌朝に疲れが残ってしまいます。また、夕食が遅く就寝までの時間が十分にとれていないと、就寝中も胃腸が動くため、睡眠の質が低下し、これも体の回復を妨げます。
②「寝る直前までテレビやスマホを視聴」は、21時~23時(三焦)が守られていない
三焦は、気や水が流れる経路のことです。
寝る前の三焦の時間にリラックスして副交感神経を優位にすることで、体の末端まで、くまなく気血水がいきわたり、寝付きが良くなり、睡眠の質を高めます。
逆に、寝る直前まで脳を刺激し交感神経優位な状態を保つと、血管が収縮し気血水がすみずみまで行き渡わらず、脳も覚醒状態のままなので、睡眠の質が低下します。①と同様、体の回復を妨げます。
③「日付が変わってから就寝」は、23時~1時(胆)、1時~3時(肝)が守られていない
胆は消化器官であるとともに精神活動に関わる臓腑。そして、肝は、血の貯蔵と疏泄(そせつ:自律神経の機能)を司る臓腑と考えます。
23時~3時に質の高い睡眠ができると、精神状態を健康に保ち、肝臓で産生された栄養分で体の滋養、回復が行われます。また肝臓での解毒も活発に行われ、次の日にほとんど疲れが残りません。
逆に、この時間帯に睡眠がとれないと、体の疲れが抜けず、次の日に強い疲労、倦怠感が残りやすくなります。加えて、精神状態も悪化し、集中力が低下したり、怒りやすくなったり、反対に不安や鬱々した状態にもなりやすくなります。
④「朝食を食べない」は、7時~9時(胃)が守られていない
胃は、皆さんご存知の消化を司ります。
朝の胃が活発になる時間帯に食事を摂ることで、これから活動に必要な栄養を消化吸収し、体全体に栄養が届けます。特に脳が活動モードに入り、体内時計もリセットされますので、最高の一日のスタートがきれます。パフォーマンスも上がりますよ。
逆に朝食が摂れていないと体も脳も活動状態に入れないので、パフォーマンスが下がります。
加えて、朝食でしっかりタンパク質が摂れていないと、夜の睡眠を促すメラトニンが不足しますので、睡眠の質を悪化させます。
今回、漢方薬をご紹介していませんが、上記が実践できていると漢方薬を頼る頻度も減り、また漢方薬を使う場合でも良い結果が得られる傾向にあります。
まずは、上記の子午流注の4ポイント(時間帯)を実践していただき、不調になりにくい体づくりの一助になれば幸いです(^^)
<注意>
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより使う漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談し、適切な漢方薬をご購入ください。
熊本 菊陽町 菜の花漢方堂