血の巡りを良くしよう


『血の巡りを良くしよう』

漢方では、血の巡りが悪い状態を瘀血(おけつ)と言います。

瘀血の症状は


🔸目の下にくま
🔸シミ・そばかすが多い
🔸手足の冷え
🔸首・肩が凝る
🔸生理痛(刺すような固定痛)
🔸舌の色が暗い
🔸肌がザラザラしている

などです。

 


瘀血の原因を探ってみると、気滞(きたい)、痰湿(たんしつ)、血虚(けっきょ)の3タイプに多いと感じています。


🟣気滞瘀血(きたいおけつ)
血を押し出す力の「気」が滞り、血の巡りが悪くなっている状態

🟣痰湿瘀血(たんしつおけつ)
冷たい飲食物、甘い物、脂の物、味の濃い物の摂り過ぎや運動不足で、血液がドロドロで巡りが悪い状態

🟣血虚瘀血(けっきょおけつ)
血が不足しており、血の流れが悪く巡らない状態


ちなみに、当店だと


気滞瘀血日頃強いストレスを継続的に受ける人に多く、
痰湿瘀血一日中デスクワークの動かない人に多く、
血虚瘀血偏食、食事の量が少ない人、痩せている人に多い


です。

 


それでは、3タイプの瘀血に使っていく漢方薬の一例をご紹介いたします。

<漢方薬>


🟣気滞瘀血(きたいおけつ)タイプ

血府逐瘀丸(けっぷちくおがん)

冠元顆粒(かんげんかりゅう)+逍遥顆粒(しょうようかりゅう)

冠元顆粒(かんげんかりゅう)+柴胡疎肝湯(さいこそかんとう)

 


🟣痰湿瘀血(たんしつおけつ)タイプ

冠元顆粒(かんげんかりゅう)※+温胆湯(うんたんとう)

冠元顆粒(かんげんかりゅう)※+健脾散エキス顆粒(けんぴさんえきすかりゅう)

※または、芎帰調血飲第一加減(きゅうきちょうけついんだいいちかげん)

 


🟣血虚瘀血(けっきょおけつ)タイプ

婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)

婦宝当帰膠+冠元顆粒(かんげんかりゅう)※

参茸補血丸+冠元顆粒(かんげんかりゅう)※

※または、芎帰調血飲第一加減(きゅうきちょうけついんだいいちかげん)

 


次に、瘀血に対する養生をご紹介します。

<養生>


🔶ストレスを溜めない
趣味、好きな事に没頭、家族・友人に話すなどしてストレスを溜めないようにしましょう
🔶食事は温かい、消化の良い物をよく噛んで食べる
🔶食事の量は腹8分目
🔶バランスの取れた食事を心がける
参考までに
血の巡りをよくする食材
玉ねぎ、ネギ、ナス、にんにく、
らっきょう、生姜、みょうが、黒酢、山椒
青魚(あじ、いわし、さば)
血を補う食材
人参、ほうれん草、小松菜、黒ごま、
黒豆、小豆、ぶどう、レーズン、イチゴ
プルーン、ナツメ、あさり、しじみ、
牡蠣、レバー、鶏肉

🔶適度な運動を行い、筋力をつける
血を消費する筋力が増えることで体が血を増やす方へ働きます。すると血量が増え、血の巡りがよくなります。

 


瘀血は、日々の不摂生な生活習慣が原因です。
上記の養生をできるところから実践して、血の巡りをよくしていきたいですね😊


<注意>
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより使う漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談して適切な漢方薬を購入し服用してください。

熊本 菊陽町 菜の花漢方堂

爪から体の状態を知ろう


爪から体の状態を知ろう


中医学で、肝の華は「」と言われます。
肝の状態は、目で見える体の表面部だと爪へ現れるという意味です。

どうしてなのかというと、
肝で作り出された栄養は、血液をとおして手先・足先の末端まで送り届けられます。もし肝が弱って栄養不足などがあると、の生成に影響がでてくるからです。

手の爪は、成人で1ヶ月で平均3mm伸びると言われております。
私の場合で説明すると
人差し指の爪は約16mmなので、少なくとも5、6ヶ月ほど前からの状態を表してくれていると言えますね。

それでは、爪の色や形による体の状態とその養生をご紹介します。
※漢方薬は、爪以外の情報も含めて選定するため、本ページでは漢方薬の紹介はしておりません。

 


<<爪の色>>


◆全体はうす白く(半透明)、爪が薄い

中医学で血虚(けっきょ)と呼ばれる状態に多い爪です。言い換えると、血の量や栄養の不足している状態。
<養生>
血を補う食べ物をしっかりとりましょう。

 


◆白く(透明でない)<-足の爪に多い
真菌(水虫)に感染している可能性が高いです。まずは、病院の受診をお勧めします。

 


◆赤みが強い※ <-運動直後、入浴後以外で
中医学で血熱(けつねつ)と言って、体に熱がこもっていたりする状態に多いです。また、血圧が高い人にも多いです。
<養生>
肥甘厚味と言って、脂物、甘い物、味の濃い物、非常に辛い物を頻繁に多く食べていると熱を生じやすくなります。肥甘厚味の食事を減らしましょう

 


◆くらい紫色(暗紫色)
手足が冷えている、血虚※等で、血の巡りが悪い状態。
<養生>
いつみてもを暗紫色をしている時は、血液の量を補うとともに、温めて血の巡りを良くしましょう。

※血虚:血の量・栄養が少ない状態

 


◆黄色っぽい
黄疸などの肝胆病が考えられます。まずは、病院の受診をお勧めします。

 

 


<<爪の形>>


◆爪に横線がある
気血両虚と言って、血の量・栄養と元気の不足です。

<養生>
元気と血を補う食べ物を摂り、そして過労、寝不足などを避けましょう。

 


◆爪に深い縦線が多くある
爪は、縦線があるので判断がつきにくいです。
しかし、爪に深い縦線が多くある場合などは、老化が進んだり、栄養不足が起こっているといえます。老化は、過労、強いストレス、寝不足などが起因しています。
<養生>
過労、強いストレス、寝不足が毎日続く時は、可能な限り回避、改善しましょう。栄養不足の場合は、食べ物でしっかり補いましょう。

 


◆爪先が割れやすい
血虚(血の量や栄養の不足)、過労、強いストレス、寝不足、乾燥などで起こります。
<養生>
上述の”爪に深い縦線がある場合”と同じ養生を行いましょう。

 


◆爪が反って、スプーン状にくぼんでいる
貧血の人に多いです。血虚(血の量や栄養の不足)です。
<養生>
血を補う食べ物をしっかり摂りましょう。特に鉄などのミネラルが不足しないよう注意しましょう。

 

 


<補足>
爪の状態は、いくつか重なった状態で現れてくることがほとんどですので、あくまでもご参考にしてくdさい。また、上述の養生とともに、最初は漢方薬の助けをかりると回復が早い場合がありますので、気になる方はお気軽にご相談ください。

 


最初に述べているように、爪は5~6ヶ月前からの体の状態を表しています。
よって、養生も5~6ヶ月くらい続けることによって、爪の状態に反映してきますので、あせらずじっくり取り組みましょう。日々の養生が回復につながりますよ😊

ノドの痞(つか)えがとれない時の漢方


『ノドの痞(つか)えがとれない時の漢方』

相談で「ノドが痞(つか)えているような感じがする」という話をよく受けます。
病院へ行き、胃カメラで検査し、何も痞えている物は無いことを確認したとお話くださるお客さんもおられます。

古くからこのような症状を


「梅核気(ばいかくき)」:梅の種が喉に痞えているような感じがする状態
「咽中炙臠(いんちゅうしゃれん):肉の塊が喉に痞えているような感じがする状態


などと呼んでいます。
いずれもノドの異物感があって痞えた感じがすることを言い表しています。
ちなみに、ノドだけでなくノドからみぞおちあたりまでを指して痞え感を訴える方もおられます。


この痞えの症状、原因は、主にストレスであることが多いです

漢方の視点でどのようにノドの痞えが発症したのかを説明します。


まずストレスが長期間続くと肝が傷つきます。肝は気の流れをコントロールしていますが、うまく機能しなくなり、気が滞ります(気滞)。気の推動力で血や水を動かしますが、気が滞ると水も滞ります(水滞)。水の滞りは、主に胃部で体を害する水(痰飲)を発生させます。この痰飲によって、吐き出すことも飲み込むこともできず、ノドからみぞおち辺りで痞えを感じるようになります。

 


原因がわかれば漢方薬で対応できます。
ポイントは、体の寒熱で漢方薬が変わる点です。寒熱を判断するのは舌や胃部の状態を見ます。

<漢方薬>


舌苔が白く厚い、またベットリしている時もある(体がに傾いている)
半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)


舌苔が黄色く厚い、またベットリしている時もある(体がに傾いている)
温胆湯(うんたんとう)


お腹がゴロゴロなり、下痢軟便がち、口臭(、どちらもある)
半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)


他にも使う漢方薬はありますが、まず上記を目安にしてみてください。
判断が難しいと思う場合は、お店で専門家に状態を話して選んでもらうと良いです(^^)

 


次に養生です。

<養生>


🔸ストレスを溜めない、発散する
クヨクヨ考えてしまいどうしてもストレスを溜めてしまう人は、何かに集中すると良いです。
例えば、趣味に没頭、お友達と話す、好きなテレビ/映画を見るなど


🔸入浴と適度な運動
滞った気血水を巡らせるのに最も簡単な方法が入浴と運動(^^)


🔸夜に考え事はせず、早めに寝る
夜は頭を滋養する力が落ちてきているので、答えがでずに悪い方へ考えがちになります。

 


ノドの痞え症状が出てしまっている時は漢方薬で対応しますが、ノドの痞えがなるべく出ないような体へもっていく養生がより重要です。上記の漢方薬と養生で、すこしでもノドの痞えが改善し、発症頻度が少なくなれば幸いです(^^)

 


<注意>
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより使う漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談して適切な漢方薬を購入し服用してください。

熊本 菊陽町 菜の花漢方堂