ひ_疲労

<疲労(疲れ)>


疲労、疲れの相談は1年を通して多く、疲れから訴える症状も様々です。相談で聞く疲れに関連する症状を以下に挙げてみました。


<疲れに関連する症状>
だるい、動きたくない、やる気が起きない、朝起きれない、話すことが億劫、考えがまとまらない、集中力が上がらない、凡ミスを連発する、食欲がなくなり食べる気がしない、胃もたれしやすくなった、眼がかすんでくる、ふらふらめまいがする、食後とても眠くなる、冷えやすい、すぐに動けなくなる等


よく相談で「栄養ドリンク、エナジードリンクを飲むと、シャキっとして疲れがとれます」とお話される方がいます。この場合、疲労感を無くしているだけで、体の疲労はとれていないです


一般的に、疲労を回復するには一週間程度の休養が必要です。十分な睡眠とバランスの良い食事、そして規則正しい生活を行った休養で疲労は回復します。

 


<漢方での疲労への対応>

次に漢方では、疲労に対して、どのように対応するかをお話します。
疲労は様々な要素があいまって、体へ負担をかけることによって起こっています。よって、まず仕事や生活習慣(食事、睡眠、お通じ)、体重の変化、体質などをしっかりお聞きします。そして、症状を踏まえて回復の道筋を考えていきます。
対応は人によって千差万別で、色々は回復の道筋がありますので、漢方薬の一例を以下に示します。


一時的に忙しい労働、運動などで肉体的、精神的な疲労の場合
漢方薬の一例)
イスクラ 麦味参顆粒(ばくみさんかりゅう)
イスクラ 補中丸(ほちゅうがん)
律鼓心(りっこしん)
能活精(のうかっせい) <-頭脳労働で疲れる時


◎仕事等の忙しさが長引き、慢性的な疲労の場合
漢方薬の一例)
食欲が落ちているなら イスクラ健胃顆粒+瓊玉膏 or 麦味参顆粒
集中力低下なら    能活精(のうかっせい)
ふらふら貧血気味   婦宝当帰膠
貧血症状がより強ければ 婦宝当帰膠 + 参茸補血丸 or 心脾顆粒
体力低下なら     瓊玉膏、霊鹿参
疲れて眠れない    心脾顆粒、酸棗仁湯顆粒

 


<疲れへの養生法>

次に疲労への養生をお話します。養生はとても大切で漢方薬と合わせることで回復スピードを早めます。


1)規則正しい生活をする
2)朝日や木漏れ日を適度に浴びる
3)昼食後、可能であれば10~20分程度の仮眠をとる
4)胃に負担をかける甘い物、脂っこい物、味の濃い物は程々に、消化の良い物を腹八分目で食べる
5)冷たい飲食物は極力避ける。体温より温かい物を食べる
6)日付が変わる前に就寝。理想は23時頃就寝し、7時間ほどの睡眠時間を確保する
7)疲れているからといって、ずっと座ったり、寝ているのはNG。適度に体を動かす。
8)お風呂は湯船につかり体全体を温める

挙げた8つの養生をいきなり実践するのは困難です。まずは、4)、5)、6)を優先して行ってみてください。


上記の漢方薬と養生で、疲労症状の回復、または疲れない体作りの助けになれば幸いです。そして、元気で健やかに毎日が過ごせることを願っています。

 


※注意
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談して適切な漢方薬を購入し服用してください。

熊本 菊陽町 菜の花漢方堂

花粉症

<花粉症>


花粉症の方にとって、2月~4月は、鼻水、鼻詰まり、クシャミ、目のかゆみ、目の充血などに悩まされる憂鬱な時期です。相談を受けていると、生活習慣を少し改めると花粉症が緩和される方もおられます。本ページでは、原因、使う漢方薬、養生などをお話していきます。


花粉症は、花粉などのアレルギー物質が鼻腔内の粘膜に付着することにより、強いアレルギー反応が引き起こされ、先程挙げた症状がでてきます。病院へ受診すると抗アレルギー剤で対応することが多いです。

 


<漢方での花粉症対応>

では漢方の視点で花粉症の原因を説明し、対応を話していきたいと思います。
花粉症の鼻水、クシャミなどアレルギー反応が強く出ているということは、免疫調整力が弱っていると考えます。免疫調整力は、漢方では衛気(えき)が担います。衛気とは、体の外から侵入する邪気から守るバリア機能とイメージされるとわかりやすいと思います。



この衛気は、五臓でいうと「肺」で作られます。そして、「肺」と隣合わせで親子関係にあるのが「脾」(胃腸)があります。生活習慣、主に悪い食生活から「脾」(胃腸)を傷めることで「肺」に影響し弱まり、しいては衛気も衰え、花粉症の症状が強く出ると考えます。



この五行学説に沿ったメカニズムから、漢方で花粉症の対策をする時は、「肺」と「脾」を中心にケアして、体質改善をはかります。また、症状がすでに出てしまっている場合もあると思いますので、対処療法も併せて紹介していきます。尚、漢方は、必ずお薬+養生が必須ですので併せて紹介いたします。


<未病先防の体質改善として>


衛気(バリア機能)や脾、肺の回復に、黄耆という生薬を中心にした漢方薬を使います。

漢方薬の一例)
イスクラ衛益顆粒(えいえきかりゅう)
桂枝加黄耆湯(けいしかおうぎとう)エキス細粒(コタロー)
黄耆建中湯(おうぎけんちゅうとう)エキス細粒(コタロー)
など


次に養生です。(<-とても大事
・冷たい飲食物、なま物は極力さける
・温かい、消化の良い食べ物を腹八分目で摂る(暴飲暴食禁止)
・食事内容はバランスよく。食物繊維、発酵食品を摂りましょう。
・寝る3時間前から間食は避ける
・十分な睡眠時間をとる。日付が変わる前には就寝。夜更かししない
・体を冷やさない。寒い環境では衣服、カイロなどでしっかり防寒を心がける
・毎日のお通じがあるよう整える


体質改善はこれまでの悪い生活習慣を改めることによって、徐々に回復しますので、月単位で時間がかかることをご留意ください。

 


<花粉症の症状がすでにでてしまっている場合>


透明な鼻水がスタスタでてくる、くしゃみが頻発する、鼻炎

漢方薬の一例)
麗沢通気湯加辛夷(れいたくつうきとうかしんい)エキス細粒(コタロー)
小青竜湯(しょうせいりゅうとう)、苓甘姜味辛夏仁湯(りょうかんきょうみしんげにんとう)
など


鼻水が黄色い、目の奥が鈍痛する、鼻炎
漢方薬の一例)
精華 鼻淵丸(せいか びえんがん)
辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)エキス細粒(コタロー)
など


目のかゆみ、充血
漢方薬の一例)
消風散(しょうふうさん)エキス細粒(コタロー)
洗肝明目湯(せんかんめいもくとう)エキス細粒(コタロー)
など


花粉症の症状がすでにでてしまっている場合でも、養生は上記の体質改善で挙げたものと同様です。
症状が出ているときも、必ず養生はお忘れなく。


本ページをご覧になっていただき、少しでも花粉症が軽減し、健やかに生活できる手助けになれば幸いです(^^)
花粉症の相談も受け付けております。相談は予約制ですので事前にお電話、または当ホームページの予約ページからご予約ください。

 


※注意
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談して適切な漢方薬を購入し服用してください。


熊本 菊陽町 菜の花漢方堂

4)体全体の冷え

4)体全体の冷え


<原因>


体全体が冷えるという症状を訴える方は、何年にもわたり食が細い、胃腸虚弱、過度なダイエットをしている、大きな病気を患い著しく体力が低下していたりします。また、温めてもすぐ冷える、服を着込んでも寒さを感じると話されることが多いです。漢方でこのような状態を「陽虚(ようきょ)」と言い、体がエネルギーを作り出す力がなくなってきている状態です。例えると、焚き火の薪が不足している状態です。

 


<漢方薬の一例>


改善するためには、陽を補う漢方薬をベースにします。以下に一例を示します。
「霊鹿参(れいろくさん)」、「参茸補血丸(さんじょうほけつがん)」、「参馬補腎丸(じんばほじんがん)」、「瓊玉膏(けいぎょくこう)」

そして、各個人の体質、状態によって、補助する漢方薬を併用します。

胃腸虚弱の場合
「イスクラ健胃顆粒S(けんいかりゅう)」「イスクラ健脾散エキス顆粒(けんぴさんえきすかりゅう」「理中湯(りちゅうとう」

血不足の場合
「婦宝当帰膠B(ふほうとうきこう)」「イスクラ心脾顆粒(しんぴかりゅう)」

 


<養生>


次に養生を示します。
・食事は温かい、消化の良い物を腹八分目で摂る
(腹いっぱい沢山の量を食べると消化力が落ち、逆効果です)
・冷たい飲食物は避ける。特に冷たい飲み物での食事は控える
・体力が落ちている人は、十分な休息をとる。過労は厳禁
・しっかり睡眠をとる

 


※注意
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談して適切な漢方薬を服用してください。