夏の咳カゼ、漢方で対策


『夏の咳カゼ、漢方で対策』

夏の暑い盛りですが、例年よりカゼ症状のお客さんが多いかなと感じます。
例えば


🟣カゼを引いた後になかなか咳が止まらない
🟣ノドに違和感がある
🟣倦怠感が抜けない


などの声を聞きます。

その中で問い合わせの多い、咳への漢方対策を今回はお話します。

日本の夏は、暑さと湿気が特徴です。しかし、真反対とも言える冬のような咳症状を訴える人がなぜ増えているのか不思議ですよね。

お客さんからの声をお聞きしていると


🔹外出して汗をかき、そのまま冷房の部屋にいて体を冷やした
🔹夕立などでびしょ濡れになったあと、冷房の部屋で体を冷やした
🔹冷房のきいた乾燥した部屋に長時間いてノドを痛めた
🔹睡眠中も冷房をかけっぱなしの溜め、口やノドがひどく乾燥
🔹冷たい物を摂りすぎて体を冷やす
など


冬の環境を作り出してカゼになっていることが見えてきます。
とくに冷房による乾燥と冷えが、気管支を痛めやすくしており、咳症状につながっています。

このように原因が絞れてくると、漢方薬でのカゼ対策が立てやすくなります。
では、漢方薬の一例をご紹介します。


<漢方薬>


◆予防
・イスクラ 麦味参顆粒(ばくみさんかりゅう)
・板藍根製剤(ばんらんこんせいざい)


◆急性の咳
・麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)
・柴陥湯(さいかんとう)
・参蘇飲(じんそいん)


◆長引く咳
・竹葉石膏湯(ちくようせっこうとう) <- コンコン空咳
・小陥胸湯(しょうかんきょうとう) <- 痰が絡む時


◆咳と共にノドの痛みがある
・イスクラ 涼解楽(りょうかいらく)
・駆風解毒湯(くふうげどくとう)

 


次に養生を紹介します。未病先防および早期回復には、漢方薬と併せて、養生が非常に大切になってきます。ご参考にしてください。

<養生>


◆汗、雨でぬれての冷えを防ぐ
タオルを数枚常備し、濡れた部分をこまめに拭き取る。
背中に濡れている場合は、服と背中の間にタオルを1枚入れて冷えを防ぐ


◆仕事中、冷房のきいた部屋にいる人はマスクをし、こまめにうがい


◆温かい飲食物を摂る。冷蔵庫で冷えたものを直接摂らない


◆睡眠中は、部屋を加湿する
加湿器を使う。
寝室に、絞ったタオルを何枚か干す。水をはった洗面器を置く(こぼさないよう注意)

 


以上です。漢方薬と養生で、元気に夏を乗り切りましょう(^^)

 


<注意>
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより使う漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談し、適切な漢方薬をご購入ください。

熊本 菊陽町 菜の花漢方堂

『目眩(めまい)~高血圧からくる目眩~』


『目眩(めまい)~高血圧からくる目眩~』

様々な目眩(めまい)の中でも、今回は高血圧からくる目眩への漢方薬をご紹介します。

相談では


🔹慢性的な高血圧があり
  ・たまにクラクラするめまいがある
  ・朝起きて、頭痛を伴うめまいがある
  ・ストレスを感じるとめまいが起こる


などと話される方が多いです。

原因は、一般的な高血圧の原因とほぼ同じです。一例を示します。


🔹加齢
🔹塩分の摂りすぎ
🔹ストレス
🔹アルコールの摂りすぎ
🔹メタボ、運動不足
🔹喫煙
🔹血の巡りが悪い(瘀血:おけつ)
  血流が悪いと血管の柔軟性が低下し、高血圧の要因に


上述の原因により、肝の働きが悪くなり、そして気の巡りも悪くなることで、肝の陽気が頭部へ上昇し、頭部に熱がこもり目眩を起こさせると漢方では考えます。また、頭痛を伴う方も多いです。

では、このような慢性的な高血圧での目眩(めまい)に対して使う漢方薬をご紹介します。

<<漢方>>

ベースで使う漢方薬が


『釣藤散(ちょうとうさん)』

『七物降下湯(しちもつこうかとう)』


どちらも鎮静、降圧の作用のある釣藤鈎(ちょうとうこう)という生薬を使っていますが体質によって使い分けます。

釣藤鈎は、体に余剰があり、それが悪さをしての不調を起こす実証タイプによく提案します。例えば、痰飲(体に病的な水が滞っている)があり、イライラした時に血圧があがったり、側頭部から後頭部にかけての痛みが起こったりする方

七物降下湯は、体に不足があり、それにより不調を作り出している虚証タイプによく提案します。例えば、イライラして血圧が上がるのは似ているのですが、疲れやすかったり、顔色が悪かったりする方

※どちらのタイプか判断が難しい場合もございます。漢方薬をご購入際、専門家へお問い合わせください。

 


次のような漢方薬を併用して使うことがあります。


◆血の巡りが悪い瘀血を伴う場合

釣藤散 + 冠元顆粒(かんげんかりゅう)

七物降下湯 + 芎帰調血飲第一加減(きゅうきちょうけついんだいいちかげん)

 


◆ストレスなどで気の巡りが悪い気滞を伴う場合

釣藤散 + 四逆散(しぎゃくさん)

七物降下湯 + 逍遙顆粒(しょうようかりゅう)

 


次に、目眩(めまい)を起こしにくい体作りの養生をお伝えします。

<<養生>>


🔶ストレスをためない。できるだけ避ける
趣味に没頭。信頼できる友人と楽しい会話などしてストレスをためないようにしましょう。


🔶お酒の飲み過ぎに注意。程々に
アルコール摂取量が多いと血圧が上がる傾向があります。


🔶適度な運動を心がける
高血圧の薬を服用している方は、医師と相談して運動をしてください


🔶禁煙
たばこは、血管収縮を促すため、一般的に血圧が上昇しやすくなります。
喫煙者の方は、まずは本数を減らすことから始めましょう


🔶気血の巡りを良くする食事を心がけ、塩分は控えめに
気を巡らすには、芳香野菜柑橘類の食材がオススメ
血を巡らすには、玉ねぎ、黒酢、にんにく、ネギなどの食材がオススメ
一般的に塩分が多い食事を摂ると血圧が上昇しやすくなりますので塩分は控えめに


以上です。

上記に挙げている以外にも漢方薬がございます。体質をしっかり見定めて、適切な漢方薬をご提案しますので、まずは、ご相談ください😊

 


<注意>
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより使う漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談して適切な漢方薬を購入し服用してください。

熊本 菊陽町 菜の花漢方堂

目眩(めまい)~立ちくらみの目眩~


『目眩(めまい)~立ちくらみの目眩~』

様々な目眩(めまい)中でも、立ちくらみの目眩への漢方薬をご紹介します。

相談では、


🔹立ち上がるときに


・ふらっとする
・血の気が引くような感じ
・眼前が急に暗くなる
・もう一度しゃがむか、手をつかないと倒れそうになる


🔹長く立っているとふらっとする。ふらつく。


などと表現されるお客さんが多いです。

この立ちくらみの大きな原因の1つとして、痰湿(体の病的な水)※が絡んでいます。
※フワフワ浮遊感のする目眩の原因と同じです。

立ちくらみは、心下部辺りに水が滞ることにより、自ずと血管内の血量が少なくなり、一時的に、血が頭部へ十分に上がらないことで、立ちくらみが起こると考えます。立ちくらみをよく起こす方は、慢性的な血不足(血虚:けっきょ)低血圧を伴っている方がほとんどです。

お腹(心下部)あたりに水が滞る原因の一例


🔹脂物、甘い物、味の濃い物の摂り過ぎ(偏食)
🔹冷たい飲食物をよくとる
🔹仕事の都合などで尿の回数が少ない
🔹デスクワークなどでほとんど発汗しない
🔹運動不足による筋力低下(下半身やインナーマッスル)

 


このような立ちくらみの目眩(めまい)に対して、使う漢方薬をご紹介します。

<<漢方>>


ファーストチョイスで使う漢方薬が


苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)』✨


胃腸を整え利水作用をもつ茯苓、白朮で水の巡りを良くし、桂皮で温めて体の腹部や頭部の血行をよくすることで立ちくらみの目眩をケアします。


上述しました、根底に血不足や低血圧気味という場合は、次のような漢方薬を併用して使うことがあります。


血不足を伴う場合
苓桂朮甘湯 + 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
苓桂朮甘湯 + 心脾顆粒(しんぴかりゅう)
※血不足の改善には数ヶ月以上かかります。


低血圧気味の場合
苓桂朮甘湯 + 補中益気湯(ほちゅうえっきとう)

 


次に、たちくらみの目眩(めまい)を起こしにくい体作りの養生をお伝えします。


<<養生>>


🔶脂物、甘い物、味の濃い物を控える
水の巡りが悪化しやすくなります。


🔶バランスの良い食事を心がける
目眩を起こしにくい体作りの第一歩は、血を巡らせるエネルギー、血を作り出す栄養(タンパク質など)をしっかりとること。目眩の相談を受けていると、食事に問題がある方が多いです。


🔶冷たい飲食物を極力摂らない
痰湿(体にとって病的な水)を作り出す原因になります。


🔶適度な運動で発汗と筋力アップを心がける
運動は気血水を巡らせてくれます。また筋力をつけることで血液の循環を補助すると共に、血を消費する筋肉がつくことで、血をもっと作る必要があると身体へ認識させることができます。


🔶インナーマッスルを鍛える
筋肉が血液の循環を補助してくれます。手軽なところでは、深い深呼吸がオススメ。

 


以上です。

立ちくらみの目眩(めまい)でお困りの方は、お気軽にご相談ください😊
体質をしっかり見定めて、適切な漢方薬と養生をお伝えします。

 


<注意>
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより使う漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談して適切な漢方薬を購入し服用してください。

熊本 菊陽町 菜の花漢方堂