目眩(めまい)は、漢方で解消!!~その4~


『目眩(めまい)』

目眩(めまい)にも色々ありますが、今回は高血圧からくる目眩への漢方薬をご紹介します。

相談では


🔹慢性的な高血圧があり
  ・たまにクラクラするめまいがある
  ・朝起きて、頭痛を伴うめまいがある
  ・ストレスを感じるとめまいが起こる


などと話される方が多いです。

原因は、一般的な高血圧の原因とほぼ同じです。一例を示します。


🔹加齢
🔹塩分の摂りすぎ
🔹ストレス
🔹アルコールの摂りすぎ
🔹メタボ、運動不足
🔹喫煙
🔹血の巡りが悪い(瘀血:おけつ)
  血流が悪いと血管の柔軟性が低下し、高血圧の要因に


上記原因などにより、肝の働きが悪くなり、そして気の巡りも悪くなることで、肝の陽気が頭部へ上昇し、頭部に熱がこもり目眩を起こさせると漢方では考えます。また、頭痛を伴う方も多いです。

では、このような慢性的な高血圧での目眩(めまい)に対して使う漢方薬をご紹介します。

<<漢方>>

ファーストチョイスで使う漢方薬が


『釣藤散(ちょうとうさん)』


鎮静、降圧の作用のある釣藤鈎を主薬にし、頭へ上がった熱を下げ、気の巡りを整える生薬で、めまいを楽にしていきます。


また、次のような漢方薬を併用して使うことがあります。


◆血の巡りが悪い瘀血を伴う場合

釣藤散 + 冠元顆粒(かんげんかりゅう)


◆気の巡りが悪い気滞を伴う場合

釣藤散 + 逍遙顆粒(しょうようかりゅう)

 


次に、目眩(めまい)を起こしにくい体作りの養生をお伝えします。

<<養生>>


🔶ストレスをためない。できるだけ避ける
趣味に没頭。信頼できる友人と楽しい会話などしてストレスをためないようにしましょう。


🔶お酒の飲み過ぎに注意。程々に
アルコール摂取量が多いと血圧が上がる傾向があります。


🔶適度な運動を心がける
高血圧の薬を服用している方は、医師と相談して運動をしてください


🔶禁煙
たばこは、血管収縮を促すため、一般的に血圧が上昇しやすくなります。
喫煙者の方は、まずは本数を減らすことから始めましょう


🔶気血の巡りを良くする食事を心がけ、塩分は控えめに
気を巡らすには、芳香野菜柑橘類の食材がオススメ
血を巡らすには、玉ねぎ、黒酢、にんにく、ネギなどの食材がオススメ
一般的に塩分が多い食事を摂ると血圧が上昇しやすくなりますので塩分は控えめに


以上です。

上記に挙げている以外にも、高血圧での目眩(めまい)への漢方薬がございます。体質をしっかり見定めて、適切な漢方薬をご提案しますので、まずは、ご相談ください😊

 


<注意>
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより使う漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談して適切な漢方薬を購入し服用してください。

熊本 菊陽町 菜の花漢方堂

唇の荒れは漢方で~体の中からケア~


『唇の荒れは漢方で~体の中からケア~』

秋も深まり、乾燥が進んできました。
これからの時期は唇が荒れ、リップクリームが手放せない人も多いと思います。
今回は、唇が荒れにくい体質づくりのお話をします。

中医学の五行色体表を見ると、口と胃腸は深く関係しています。



唇の荒れや口端が切れやすいなどの原因は、胃腸に負担をかけて弱り、余分な熱を持っていることが多いんです✨

胃腸の余分な熱🔥は


🔹脂物、味つけの濃い物の摂り過ぎ
🔹食べる量が多い
🔹早食い(よく噛まない)

そして、以外にも
🔹冷たい物の摂り過ぎ


で生じます。

まず、日頃の食習慣を見直して、正す養生が何より重要となります。

<養生>


🔸脂物、甘い物、味の濃い物の食べ過ぎに注意
🔸腹八分目で、よく噛んで食べる
🔸冷たい食べ物は、極力控える
🔸おススメ食材
白菜、水菜、小松菜、キャベツ、かぼちゃ
長芋、こんにゃく、お米、大豆製品(豆腐、味噌)
豚肉、鶏肉


漢方薬は、慢性的に胃腸が弱いなど、胃腸の不調を立て直すことにより、胃腸に熱を持つことを防ぎ、唇の荒れを予防するという補助的な役割で使うと良いです。胃腸の調子を整えておくと唇が荒れにくくなります(^^)

 


<漢方薬>


すでに胃腸に熱があり、口内炎なども併発している時
甘露飲(かんろいん)

 


食べ過ぎた時、胃腸の負担を軽減させる
加味平胃散(かみへいいさん)
健胃顆粒(けんいかりゅう)

 


冷たい物を摂りすぎての腹痛、下痢、渋り腹
附子理中湯(ぶしりちゅうとう)
人参湯(にんじんとう)
大建中湯(だいけんちゅうとう)

 


ストレスがあって、胃腸の調子が悪い

柴胡疎肝湯(さいこそかんとう)
逍遙顆粒(しょうようかりゅう)
救心感應丸氣(きゅうしんかんのうがんき)
柴芍六君子湯(さいしゃくりっくんしとう)

 


この秋冬は、胃腸を整えて、唇が荒れにくい体質を作りましょう😊

 


<注意>
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより使う漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談して適切な漢方薬を購入し服用してください。

熊本 菊陽町 菜の花漢方堂

漢方でイライラとサヨナラ


『漢方でイライラとサヨナラ』

男女問わず、現代社会はストレスが日々かかっています。
年中を通して、ストレスによるイライラを緩和したいという相談があります。経験則ですが、温かい、または暑い時期に相談件数が増えると感じています。


さて、中医学の視点で考えると、ストレスによるイライラに深く関わってくるのは「肝(かん)」と「心(しん)」です。

肝は、気の巡りをコントロールしており、ストレスで気の巡りに滞りが生じると、鬱々(うつうつ)として、イライラや憂鬱(ゆううつ)を起こします。

次に心。心は神(精神)を蔵すると言われております。暑さで余分な熱を排出するために血を巡らせ汗を出していると心に大きな負担がかかり、心が弱ります。心が弱ると精神コントロールも弱り、感情が抑えられなくなります。例えば、暑いとちょっとしたことで怒りやすくなってしまうのは心の弱りとも言えます。

 


では、ストレスによるイライラ時によくご提案する漢方薬と養生をご紹介します。

<漢方薬>


逍遙顆粒(しょうようかりゅう)
ストレスで弱った肝の気の巡りを改善し、また脾を整え、血を補いイライラをケアします。女性の軽いイライラによくお勧めします。


加味逍遙散(かみしょうようさん)
逍遙散へ山梔子と牡丹皮という清熱の生薬が入っています。イライラに加えて、のぼせ、ほてりなどの熱症状が伴っている時にオススメしています。余談ですが、PMS(月経前症候群)の時にも使います。


抑肝散(よくかんさん)
ストレスで気血が滞っている上に、うまくストレスを発散できずイライラする時にオススメしています。


抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)
抑肝散の症状に加え、長期間のストレスで痰飲(体に病的な水)がたまり、悪心、嘔吐、胸のつかえなどの症状が伴う時にオススメしています。陳皮、半夏の生薬が痰飲をケアしてくれます。


桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
ストレスにより気血が滞り、イライラに加えて、のぼせを伴っている時に良いです


芎帰調血飲第一加減(きゅうきちょうけついんだいいちかげん)
ストレスにより気血が滞り、かつそもそも気血が不足している時に良いです。

 


次にイライラへの養生法をご紹介いたします。


<養生>


🔶イライラしてしまった時


🔸腹式呼吸で気分をリラックス
※吸った時間の倍以上の時間を使って息を吐く



🔸ツボを抑えて気持ちを落ち着かせる(オススメのツボは、合谷、神門、内関の3つ)


ツボ押しのコツ
・位置、押す強さは、自分が心地よい、または痛心地よいと思うところ
・押す回数は、とくに決まっていません。自分がこれくらいかなと思う回数で良いです




 


🔶ストレスをうまく発散する


🔸好きなことをする
好きなことなど1つのことに集中すると余計なことを考えずストレス解消になります。但し、食べることが好きで、食べてストレス発散は胃腸を傷めるので控えましょう


🔸アロマ
好きな匂いは気分を落ち着かせてくれます。特に柑橘系の匂いは気も巡らせてくれるのでオススメです


🔸適度な運動
運動は、ストレスで滞った気血水を巡らせることができる


🔸お風呂にゆっくりつかり、体を温める
入浴も、ストレスで滞った気血水を巡らせくれます

 


ストレスにさらされていると、体の不調が起こりやすくなります。そして、長期間続けば重大疾患につながる可能性もあります。日頃から養生や漢方薬でストレスをうまく回避して、気持ち晴れやかに元気に過ごしましょう(^^)


<注意>
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより使う漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談して適切な漢方薬を購入し服用してください。

熊本 菊陽町 菜の花漢方堂