長引く五十肩を漢方で治そう!!


『長引く五十肩を漢方で治そう!!』

40才以降に多い五十肩。腕を上げたり、衣服の着脱などで肩を動かすときに強い痛みが起こり、非常に不快ですよね(><)。また、治りも遅い(1年以上かかることも)ので、発症すると厄介です。

五十肩は、加齢によって肩周辺の軟部組織(腱、関節包など)が劣化してるところへ、急な負荷がかかることでダメージを受けて起こります。

中医学の視点だと、肩周辺の軟部組織は、瘀血(おけつ)痰湿(たんしつ)が原因で劣化すると考えます。イメージで言うと傷んだ輪ゴムの状態。現代は、デスクワークなどで同じ姿勢を長時間保つため、肩周りの血流が悪く(瘀血)凝り固まり、病的な潤い(痰湿)が溜まり、傷んだ輪ゴム状態になりやすいのです。そこへ、急な動きが起これば、輪ゴムが切れるように、肩周辺の軟部組織が傷つき炎症を起こします。

漢方での対策は、肩周りの血行を良くし、潤いを与えることで柔軟性が低下した軟部組織を改善していきます。漢方薬を使いながら、肩周りの体操を併せて行うことで回復が早まります。
また、生活の中であまり肩を動かしていない40代以降の方は、日頃から肩周りの体操を行うことで、五十肩の予防になります。ぜひ体操を取り入れて見てください。

では、漢方薬の一例を紹介していきます。なお、五十肩の時期や、体質によって漢方薬は変わるので、一度相談していただくことを推奨しております(^^b


<漢方薬>


独活葛根湯(どっかつかっこんとう)
五積散(ごしゃくさん)
独歩顆粒(どっぽかりゅう)
疎経活血湯(そけいかっけつとう)


地竜(じりゅう) <-関節の炎症が強いときは、併用すると良い生薬です。

 


<養生>


五十肩の体操は、NHKの健康番組で紹介しているものを相談時にご紹介しています。
専門の理学療法士さんが監修しているので、信頼できます。


「五十肩  時期で違う!おすすめの運動療法」
https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_1420.html


【補足】
昔、中医師の先生に太極拳は、肩を動かすため、五十肩の予防になると聞きました。五十肩の痛みがある時は、控えた方がよいですが、予防でなら太極拳をオススメします。

 


五十肩を含む関節痛は、今のような湿度が高い時期や寒い時期に相談が増えるため、今回取り上げました。上述していますが、五十肩になる前の予防が最善です(^^b。日頃から、肩を動かしていきましょう(^^)

 


<注意>
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより使う漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談し、適切な漢方薬をご購入ください。

熊本 菊陽町 菜の花漢方堂

五十肩の回復と予防は漢方で


『五十肩の回復と予防は漢方で』

腕を上げたり、背中へ手を回そうとしたり、何かを取ろうとすると肩が痛いという五十肩の相談をよく受けます。話を聞くと、仕事や日常で肩を動かす頻度が少なく、40歳以降の人に多いです。

五十肩の発生メカニズムを考えてみますと。

日頃、肩を動かなさい又は加齢によって、肩周囲の筋肉、筋膜などの組織が変性します。変性し動かしづらくなっている状態で、急に負荷をかけて動かそうとすると、肩周辺の軟部組織(腱や関節包など)に小さな断裂などが起こり、炎症が生じて五十肩の痛みとなります。

また、最近では肩に新生血管(異常血管)ができることで、栄養や酸素がうまく行き渡らず、かつ痛みを伝える神経が新生血管の周囲に増えることで、五十肩の痛みを生じていることがわかってきています。

上記2つの発生メカニズムを漢方の視点で考えてみると、肩周囲の組織の変性は痰湿(たんしつ)が、異常血管ができるのは瘀血(おけつ)が原因と考えられます。

よって、痰湿を取り除きながら、血の巡りを調えてあげることで、五十肩は回復しやすくなりますし、予防にもなります。また、漢方薬だけでなく肩を動かす体操など、生活習慣を改善する養生がとても大切になりますので一緒にご紹介します。

 


<<漢方薬>>
血、水の巡りの悪さは、冷え、血不足、加齢など様々な要因が絡んでいる為、これらを幅広くカバーできる漢方薬をベースにし、大きな原因となっている要因に対する漢方薬を併用していきます。


ベースの漢方薬
独歩顆粒(どっぽかりゅう)


(急性)
五十肩の強い痛みに(短期間の使用することが多い)


独歩顆粒 + 独活葛根湯(どっかつかっこんとう)

 


(慢性)
血の巡りの悪さ(瘀血)と肩周囲の変性が強い(痰湿)ようであれば


独歩顆粒 + 疎経活血湯(そけいかっけつとう)


冷えから瘀血、痰湿が生じているようであれば


独歩顆粒 + 五積散(ごしゃくさん)


瘀血が強く、便秘が伴っているようであれば


独歩顆粒 + 桃核承気湯(とうかくじょうきとう)


上記は一例です。体質に合わせて、他の漢方薬や組み合わせを変えて提案することもあります。

 


<<養生>>


🟧日頃から肩を動かす体操、ストレッチをとりいれる


「NHK 健康ch」の体操動画がオススメです。リンクを以下に張ります。ご利用下さい

五十肩(凍結肩)を治す体操・ストレッチ 症状をやわらげるセルフケア


🟧血、水の巡りを良くする食材を食事に摂り入れる


痰湿に
白菜、大根、人参、カブ、緑豆もやし、ごぼう、里芋、タケノコ、こんにゃく
海藻類(わかめ、ひじき、昆布、のり)
きのこ類(しいたけ、えのき、なめこ)


瘀血に
玉ねぎ、ネギ、ニラ、にんにくの芽、にんにく、ナス、しょうが、黒酢
青魚(いわし、あじ、さんま、サバ)、シナモン

 


🟧お風呂に入り、しっかり肩を温める

 


五十肩は発症すると、痛みで日常の動作がしずらくなり、余計に身体を動かすことが億劫になりますので、ご紹介した漢方薬と養生で早い回復を目指しましょう。また、五十肩の予防のためにも、日頃から養生をとりいれてもらうことをオススメします。

 


<注意>
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより使う漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談して適切な漢方薬を購入し服用してください。

熊本 菊陽町 菜の花漢方堂