『春の不調は漢方で~情緒編~』
前回にお話しておりますが、春は五臓の「肝」と「脾」に影響を与えやすい時期でもあります。
漢方の五行学説を見ると、肝と脾に深く関係している感情は
肝は、「怒」
脾は、「思」(心配、悩み)
となっています。
肝は、ストレスなどで抑制をうけると、肝に熱がたまり、その熱が頭へ上がります。その熱が怒りを誘発すると考えられています。
次に、ストレスなどが起因して、悩みすぎたり、心配しすぎたりすると、肝の疏泄(自律神経の制御)が乱され、胃腸が不調になります。
食欲不振、下痢などがおこり、栄養がうまく吸収されなくなると、身体を滋養する血が不足してきます。
人間は、血が十分でないと、”不安”や”過剰な心配”が起こるようになるので、脾は「思」という感情に深く結びついていると考えられています。
それでは、春の情緒不安定にご提案する漢方薬の一例と養生をご紹介していきます。
<<漢方薬>>
🟧イライラ、不安など、気持ちが不安定であるときのファーストチョイス。またはベースとして
逍遥顆粒(しょうようかりゅう)
🟧日頃から貧血気味で、思い悩みむことが多い又は強いようであれば
心脾顆粒(しんぴかりゅう)
🟧心配、不安、緊張などで、ときにお腹が崩れるようであれば
救心感應丸氣(きゅうしんかんのうがんき)
🟧焦り(焦燥感)が強く、頭が疲れているようであれば
能活精(のうかっせい)
<<養生>>
🔶しっかり寝る
寝付けない場合は、漢方薬の力を借りましょう。
酸棗仁湯(さんそうにんとう)、柴胡加竜骨牡蛎湯などをよくご提案しています。
🔶食事は、消化の良い温かい物を腹八分目で
🔶お風呂へ浸かり、リラックス
🔶趣味に没頭、おしゃべりなどで不安や嫌な事は考えないようにする
🔶運動で気分転換
情緒の不安定は、数日で改善するものではなく、月の単位で回復させていきます。養生と漢方薬を併用しつつ、「少し時間がかかるけど回復する、大丈夫」という気持ちを持って進めていくと良い結果が得られやすいです。
上記をお悩みをお持ちの方がおられましたら、お気軽にご相談ください(^^)
<注意>
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより使う漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談して適切な漢方薬を購入し服用してください。
熊本 菊陽町 菜の花漢方堂