体質別養生法 第7回 ~痰湿~


『体質別養生法 第7回 ~痰湿~』

7回にかけて紹介してきた体質別養生。今回が最終回です。
取り挙げる体質は、『痰湿(たんしつ)』です。

気血水の水が滞ると痰湿(たんしつ)という状態になっていきます。
イメージするとしたら、ネバネバの水の流れです。



痰湿でよく起こる不調としては


🔹体が重だるい、頭が重い(頭重感)
🔹吹き出物が多い
🔹太りやすい
🔹中性脂肪、コレステロール値が高い
🔹むくみやすい
🔹めまい
🔹悪心、嘔吐
🔹下痢、軟便
🔹排尿痛、残尿感
🔹関節の痛み
🔹口が粘る、舌に厚い苔
🔹口臭


などです。また、怪病多痰(かいびょうたたん)と言う言葉があります。”原因不明の症状は、痰湿(たんしつ)が絡む”ということ表した四字熟語です。

では、痰湿症状を立て直すための養生と漢方薬をご紹介していきます。
瘀血(おけつ)同様、痰湿という体質は、養生を徹底しながら、漢方薬の助けをかりると改善が早まります。養生もほぼ瘀血と一緒です。


<養生>


🔶肥甘厚味、アルコール控える
🔶冷たい飲食物、なま物を控える
特に甘い冷たい飲み物は避ける
🔶冷たい飲み物と一緒に食事をとらない
🔶湿気の多い場所を避ける
🔶夜食、間食を控える
🔶よく噛んで食べる
🔶適度な運動(少し息があがる程度)


🔶オススメ食材


白菜、大根、人参、カブ、緑豆もやし、ごぼう、里芋、タケノコ、こんにゃく
海藻類(わかめ、ひじき、昆布、のり)
きのこ類(しいたけ、えのき、なめこ)


次に痰湿体質で使う漢方薬の一例をご紹介します。
<漢方薬>


◆体が重だるい
勝湿顆粒(しょうしつかりゅう)
藿香正気散(かっこうしょうきさん)

 


◆めまい、めまいからくる吐き気
五苓散(ごれいさん)
柴苓湯(さいれいとう)
沢瀉湯(たくしゃとう)

 


◆胃部不快感、悪心、嘔吐
二陳湯(にちんとう)
健胃顆粒(けんいかりゅう)

 


◆下痢、軟便
健脾散エキス顆粒(けんぴさんえきすかりゅう)

 


◆排尿痛、残尿感
瀉火利湿顆粒(しゃかりしつかりゅう)
竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)

 


◆関節痛
清湿化痰湯(せいしつけたんとう)
疎経活血湯(そけいかっけつとう)
五積散(ごしゃくさん)


瘀血(おけつ)と同様に痰湿も、放って置くと重大な病気へとつながります。養生と漢方薬で早めに痰湿を改善し、未病先防で健康を維持しましょう!!

 


<注意>
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより使う漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談し、適切な漢方薬をご購入ください。

熊本 菊陽町 菜の花漢方堂

体質別養生法 第6回 ~瘀血~


『体質別養生法 第6回 ~瘀血~』

今回、取り挙げる体質は、瘀血(おけつ)です。

みなさんがイメージするとしたら、ドロドロの血の流れだと思います。
瘀血(おけつ)でよく起こる不調としては



🔹顔色が暗い、くすむ
🔹シミ、そばかすが多い
🔹慢性の肩こり、頭痛
🔹刺すような固定痛
🔹ひどい生理痛
🔹冷えやすい
🔹手足が冷える
🔹動悸、不整脈
🔹経血にレバーのような塊が混ざる。経血の色が暗い
など


経験上、漢方相談で聞く症状は、根底に瘀血が含まれていることがほとんどです。

では、瘀血症状を立て直すための養生と漢方薬をご紹介していきます。
瘀血(おけつ)という体質は、養生を徹底しながら、漢方薬の助けをかりると改善が早まります。
逆に、漢方薬にだけ頼り、生活習慣を正さないと、改善が遅い、または改善しないこともあります。


<養生>


🔶肥甘厚味を避ける
甘い物、脂っこい物、味の濃い物をたくさん摂ることは控えましょう


🔶暴飲暴食、偏食を避ける
上記、肥甘厚味の暴飲暴食、偏食は瘀血を誘引しやすくなります


🔶冷たい飲食物を避ける
🔶長時間、同じ姿勢を続けない
🔶適度な運動(特に有酸素運動)
🔶体を冷やさない
🔶毎日のお風呂
🔶ストレスをためない、または避ける


🔶オススメ食材


玉ねぎ、ネギ、ニラ、にんにくの芽、にんにく、らっきょう
ナス、しょうが、桃
めかぶ、わかめ、青魚(いわし、あじ、さんま、サバ)
シナモンティー、ほうじ茶、黒酢、酢

 


次に瘀血体質で使う漢方薬の一例をご紹介します。
<漢方薬>


◆瘀血からくる肩こり、頭痛、動悸
冠元顆粒(かんげんかりゅう)

 


◆血虚(けっきょ:血不足)からの瘀血
婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)
参茸補血丸(さんじょうほけつがん)
芎帰調血飲第一加減(きゅうきちょうけついんだいいちかげん)

 


◆食生活の乱れからの瘀血
清営顆粒(せいえいかりゅう)

 


◆瘀血での月経不順、月経痛
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
折衝飲(せっしょういん)

 


◆ストレスからの瘀血
逍遙顆粒(しょうようかりゅう)

 


◆瘀血を含む関節痛
疎経活血湯(そけいかっけつとう)

 


瘀血(おけつ)は、放って置くと重大な病気へとつながっていきます。列挙した不調、症状に心当たりがありましたら、養生と漢方薬で早めに瘀血を改善しましょう(^^b
未病先防で健康を維持しましょう!!


<注意>
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより使う漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談し、適切な漢方薬をご購入ください。

熊本 菊陽町 菜の花漢方堂

体質別養生法 第5回 ~気滞~


『体質別養生法 第5回 ~気滞~』

今回は、体質別養生紹介の5回目です。
取り挙げる体質は、『気滞(きたい)』です。
ストレスが多い現代社会では、気滞体質になりやすく、店頭でも気滞体質からくる症状の相談は多いです。

では、気滞の体質で起こりやすい症状をご紹介します。



🔹イライラ、怒りっぽい
🔹不安、憂鬱感
🔹よくため息をつく
🔹下痢、軟便
🔹便秘、下痢を繰り返す
🔹ゲップ、ガスが多い
🔹ノドに物が詰まったような感じがする
🔹腹、胸肋部が張り、又は脹痛
🔹生理不順

などです。

 


次に、気滞から起こる症状を立て直”養生””漢方薬”をご紹介していきます。
(補足:気滞からくる症状は、原因が取り除かれると回復が早いです)


<養生>


🔶ストレスを避ける、ストレスを発散


好きな事に集中、おしゃべりをする
適度な運動、アロマ


🔶朝日を浴びてリフレッシュ
🔶十分な睡眠をとる
🔶肥甘厚味を避ける
🔶暴飲暴食をしない
🔶オススメ食材


香草野菜(セロリ、春菊、三つ葉、しそ)
柑橘類(オレンジ、みかん、グレープフルーツ、レモン、ゆず)
苦うり、レバー(牛、豚)イカ、あさり、しじみ

 


次に気滞体質で使う漢方薬の一例をご紹介します。
<漢方薬>


◆イライラ、怒りっぽい
逍遙顆粒(しょうようかりゅう)
加味逍遙散(かみしょうようさん)
芎帰調血飲第一加減(きゅうきちょうけついんだいいちかげん) <-冷え、血行不良が伴う時


◆ノドに物が詰まった感じがする場合
半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)


◆お腹の張り、または脹痛がある場合
開気丸(かいきがん)
柴胡疎肝湯(さいこそかんとう)
柴芍六君子湯(さいしゃくりっくんしとう)


◆便秘、またはガスが多い場合
清営顆粒(せいえいかりゅう)

 


上述しましたが、気滞体質からくる症状は、原因が取り除けると回復が早いです。ただ、原因が取り除くことが困難なことが多々あります(ストレスなど)。

原因が取り除けなくても、養生と漢方で少しでも症状が楽になることはできます。よかったら、ご相談ください(^^b

 


<注意>
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより使う漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談し、適切な漢方薬をご購入ください。


熊本 菊陽町 菜の花漢方堂