春の不眠は、漢方でタイプ別に改善!!


『春の不眠は、漢方でタイプ別に改善!!』

春になると眠れなくなり、相談に来られる方が増えます。
元々の体質が大きく影響しますが、3月~4月は、気温、生活環境の変化等の外的要因も引き金になりやすいです。
さて、不眠と言っても大きく分けて


・寝付きが悪い(入眠障害)
・何度も目が覚める(中途覚醒)
・朝早く目がさめる(早朝覚醒)


があります。

漢方での不眠への対応は、西洋薬のように強制的に抑えて眠らせるのではありません原因である身体の弱りを見極めて、漢方薬と養生で弱った部分を立て直すことにより、眠れる体へ変えていきます。原因によっては、回復期間が数日~数ヶ月と幅は広くなります

それでは、入眠障害、中途覚醒、早朝覚醒のタイプ別に代表例とそれに合う漢方薬をご紹介します。


<入眠障害>


◆ストレスの場合
ストレスでイライラが過ぎると気の巡りが滞ります。気の停滞は熱を生み、それが頭に上り熱がこもり入眠を妨げます。気を巡らし、熱が上がらないようにする漢方薬で自然な眠りを目指します。


【漢方薬の一例】
イスクラ逍遙顆粒(しょうようかりゅう)
イスクラ酸棗仁湯顆粒(さんそうにんとうかりゅう)
イスクラ温胆湯(うんたんとう)
柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)
黄連解毒湯(おうれんげどくとう)


【養生】
・柑橘系の果物、香草野菜などを摂り、気の巡りをよくする
・ハーブティーやアロマでリラックスする
・運動、音楽を聴く、趣味や好きなことに没頭、気の合う友だちとおしゃべりなどで上手にストレスを解消する

 


◆頭の使い過ぎなどの場合
脳が興奮状態で熱を持ち、寝付きが悪くなっているため、クールダウンさせる漢方薬を使います。


【漢方薬の一例】
羚羊角を主薬とした漢方薬
黄連解毒湯(おうれんげどくとう)


【養生】
・寝る1時間前に脳が興奮することは避ける(スマホ、動画視聴、ゲーム等)
・ハーブティーやアロマでリラックスする

 


<中途覚醒>


眠りが浅く、夢をたくさん見るの特徴です。何度も目が覚めるため、朝、疲れが残っていると訴える方が多いです。


◆血の不足が原因の場合
考え過ぎ、悩み過ぎで脾(胃腸)を傷め、栄養吸収が少ないため血不足になり、血が少ないため脳を養えずに眠りが浅いということがあります。また、女性の場合、生理時に出血過多で血不足が生じ、中途覚醒になることもあります。
脾をケアしながら、血を補う漢方薬で眠りの回復を目指します。


【漢方薬の一例】
イスクラ 心脾顆粒(しんぴかりゅう)
イスクラ 婦宝当帰膠B(ふほうとうきこう)
イスクラ 参茸補血丸(さんじょうほけつがん)


【養生】
・消化の良い、温かい食べ物を腹八分目で食べて胃腸をケア
・よく噛んで食べる
・冷たい飲食物は控える
・過労は避ける

 


◆痰湿(病理的な水)による場合
暴飲暴食、偏食(脂物、甘い物、味の濃い物の摂りすぎ)、お酒の飲み過ぎたりすると”痰湿”という病理的な水が体に溜まりやがて熱を持ちます。その熱が上がり、頭にこもるため眠りが浅くなります。痰湿と熱を取り除く漢方薬を使い、眠れるよう体を整えていきます。


【漢方薬の一例】
イスクラ 温胆湯(うんたんとう)
イスクラ 瀉火利湿顆粒(しゃかりしつかりゅう)
竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)


【養生】
・消化の良い、温かい食べ物を腹八分目で食べて胃腸をケア
・脂物、甘い物、味の濃い物の摂りすぎない
・冷たい飲食物は控える
・よく噛んで食べる
・少し息があがる程度の運動をする
・夕食と寝るまでの時間を4時間以上あける

 


<早朝覚醒>


早朝覚醒は、ご年配の方に多いです。老化と密接に関わる腎の弱りが原因なんです。潤いの源である腎が弱ると熱を冷ますことができなくなります。そのため、持続して頭をクールダウンさせて置くことができなくなり、早く目覚めてしまいます。腎を補い、潤いを戻してあげる漢方薬を使い、長く眠れることを目指します。


【漢方薬の一例】
亀板を主薬にした漢方薬
イスクラ 天王補心丹(てんのうほしんたん)
イスクラ 杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)


【養生】
・消化の良い、温かい食べ物を腹八分目で食べて胃腸をケア
・脂物、甘い物、味の濃い物の摂りすぎない
・冷たい飲食物は控える
・体を冷やさない
・過労は避ける

 


以上が不眠タイプ別の漢方と養生法です。養生は共通する内容が多く、特に食に関する養生を守ると質の良い眠りが得られやすくなります。

ご参考にして頂き、良い睡眠の助けになれば幸いです(^^)

 


<注意>
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより使う漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談し、適切な漢方薬をご購入ください。

熊本 菊陽町 菜の花漢方堂

受験、仕事での頭脳疲れは漢方でケア


『受験、仕事での頭脳疲れは漢方でケア』

大学受験生はラストスパートの時期です。また、年度末が近づくと仕事が忙しいという方も多いですね。
受験生は、追い込み勉強も大事ですが、試験でベストパフォーマンスを引き出すためには、体調と生活習慣を整えることも大事です。そして、仕事をしている方も、毎日よいパフォーマンスを引き出すために、休養をしっかりとることが大切です。


そこで今回は、『疲れ』、特に受験勉強、頭脳労働での疲れなどをケアする漢方薬をご紹介します。
<漢方薬>


◆頭脳疲れのファーストチョイス
能活精(のうかっせい)


◆頭脳疲れに胃腸の不調が伴う時
救心感應丸氣(きゅうしんかんのうがんき)


◆いつもは乗り切れたのに、歳のせいか今年は疲れを感じる
亀板製剤(加減亀鹿二仙膠など)


◆デスクワークでの肩こり、緊張型頭痛で集中が長続きしない方
冠元顆粒(かんげんかりゅう)

 


次に養生をご紹介します。
<養生>


🔶毎日、十分な睡眠をとる
睡眠を削って深夜まで勉強しがちですが、最も能率を下げます。そして、免疫力を下げてしまいカゼを引きやすくなります。夜更かしは損しますよ。


🔶起床したら陽の光を浴びる
朝、陽の光を浴びることでセロトニン産生がアップします。セロトニンは精神を安定させ、不安やイライラを回避してくれますので、試験中のパフォーマンスが上がります。


🔶3度の食事をしっかり摂る
よく噛んで、温かい食べ物を腹八分目で食べる。
漢方で脳は髄の海と言われ、腎に属します。腎を養うには後天の本である食事が最も大事とされています。特に朝食は必ず摂りましょう。


🔶睡眠の質を高める(就寝前にやるべき事)
①3時間前に食事を済ます。その後、間食しない
②1時間前にお風呂を済ます
③1時間前からスマホは見ない


漢方で疲れを解消し、最高のパフォーマンスを引き出し、勉強も、仕事も良い結果へつなげましょう(^^b

追伸:ファイト!!受験生🌸

 


<注意>
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより使う漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談し、適切な漢方薬をご購入ください。

熊本 菊陽町 菜の花漢方堂

漢方でスローエイジング


『漢方でスローエイジング』

40代に入れば、男性、女性にかかわらず老いを感じます(ToT)

漢方では、老いに深く関係するのは、腎(じん)という臓です。


【余談】最近の研究では、腎臓の中で働くクロトー遺伝子が老化に深く関係することもわかってきています。漢方の考えが現代医学と一致していることが証明されつつあります。


さて、「腎」という臓は、生殖、内分泌、免疫、造血、代謝など、人体にとって重要で、且つとても微小なレベルを含んでおります。これらが弱ると、体はどんどん老化の一途をたどります。

もう少し具体的に腎が衰えの例をあげる


・肌のツヤ、はりがなくなる
・筋力が落ちる
・生殖力がなくなる
・毛髪が少なくなる
・骨がもろくなる
・視力の低下
・聴力の低下
・潤い、柔軟性がなくなり、関節、筋などを痛めやすくなる。
または、トイレが近くなる


などです。

この腎の弱りに対して、漢方での対応は、


補腎(ほじん) と 活血(かっけつ)です。


補腎腎を補う漢方薬で不足している腎を補い
活血血の巡りを良くして、補腎の漢方薬を体の隅々まで届ける


では、上記を踏まえて、補腎と活血の漢方薬の一例をご紹介します。


<漢方薬>


◆腎を補う(補腎)


参茸補血丸(さんじょうほけつがん)
参馬補腎丸(じんばほじんがん)
六味丸(ろくみんがん)
八味地黄丸(はちみじおうがん)
牛車腎気丸(ごしゃじんきがん
杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)
八仙丸(はっせんがん)
瀉火補腎丸(しゃかほじんがん)
亀板製剤(きばんせいざい)
霊鹿参(れいろくさん)
活命参(かつめいさん)


◆血を巡らす(活血)


冠元顆粒(かんげんかりゅう)
芎帰調血飲第一加減(きゅうきちょうけついんだいいちかげん)
婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)
四物湯(しもつとう)
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)


※補腎、活血の漢方薬は、その方の現在の体質により異なってきます。ご相談いただき、適切な漢方薬を服用することを推奨します。


以上です。補腎&活血で日頃から腎の衰えを緩やかにし、いつまでも元気で健康に若々しく過ごせる体を保ちましょう!!

 


<注意>
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより使う漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談し、適切な漢方薬をご購入ください。

熊本 菊陽町 菜の花漢方堂