
『尿もれ!!漢方で改善』
尿もれは、隠れ人口が多いと感じております。店頭で話していると、ある一定の年齢を超えた方は、尿もれの経験をされていると実感しています。男性では、40代以降。女性の場合だと妊娠中、出産後、40代以降で、尿もれのご相談が多いです。
その中で今回は、男女とも40代以降の加齢に伴い、筋力や筋肉の伸縮性の低下で起こってくる尿もれに関してお話します。
男性の場合、排尿後、残っていた尿が少し出てしまう尿もれの相談が多いです。
体の構造上、尿道が長いので、排尿に関連する筋力が弱ると、尿をすべて出しきれず、尿道の途中に尿が残ってしまうため、排尿後に漏れを生じます。
※男性は前立腺肥大症でも尿もれをおこすことがあります。その場合は、まずは病院の受診を推奨します
次に女性の場合、くしゃみや重い荷物を持ったときなど、腹圧がかかったとき、尿が漏れ出てしまうということを相談でよくお聞きます。
体の構造上、尿道が短いため、締める筋力が弱ったり、膀胱の伸縮性が低下すると、くしゃみなどから生じる内部圧力に勝てず、尿の漏れが生じます。
これらを踏まえると、尿もれを改善するには、排尿に関わる筋肉の締める力や伸縮性を回復させてあげる必要があると言えます。
次に漢方視点で尿もれを考えてみます。
尿もれは、腎(尿の生成)、膀胱(尿を貯めて尿を排泄する機能)の機能低下ですので、腎のケアをまず考えます。しかし、お店での経験を踏まえると、尿もれは、固摂(こせつ)と呼ぶ、留める力が無くなってきていることも深く関係していると感じています。固摂は、脾(ひ)の力が弱まると低下します。よって、脾のケアも必要であると私は考えて、お店では対応しています。
※脾(ひ)は、現代医学の胃腸機能に加え、食べた栄養が体の隅々までいきわたらせ、肌肉が作られるところまでが範囲です。
現代は、食べる物の栄養は十分なのですが、
🔹加齢と共に消化力が落ち、十分な栄養が体に入っていない
🔹運動不足で気血水の巡りが悪く体の隅々まで栄養が届いていない
🔹運動不足のため、栄養が届いても、筋肉とならない
などが相重なり、脾の力が低下し、尿もれを起こりやすくしていると推測しています。
よって、尿もれに対して提案する漢方薬は、脾のケアをベースにし、固渋(こじゅう:漏れ出るものを引き締め、止める)作用をもつ、生薬を使った方剤で対応していきます。また、漢方薬だけでは尿もれの改善は難しく、併せて養生を実践することも大切です。
<漢方薬>
◆尿もれのファーストチョイス
八味地黄丸(はちみじおうがん) <- 初期の軽い尿もれ
桑螵蛸配合製剤(そうひょうしょうはいごうせいざい)
亀板配合製剤(きばんはいごうせいざい)
※脾の漢方薬は、体質により変わりますので割愛します。ご相談のおり、体質にあった脾の漢方薬をご提案致します。
<養生>
🔶骨盤底筋(尿を出す、止める筋肉)トレーニング
①イスに浅く座り、背筋を伸ばします。
②肩に力を入れず肛門と尿道・膣などをキュッと上に持ち上げるイメージをもって締める。
③5秒たったら力を抜きます。
④自分のできる範囲で②、③を5回繰り返す。これが1セット。(1日 5~10セットくらいが目安)
※テレビをみながら、仕事の合間などをみて、こまめにトレーニングしてみて下さい。トレーニング回数はあくまでも目安、自分のできる範囲で行って下さい。
🔶適度な運動で血行を良くしましょう
🔶冷たい飲食物避け、温かいものを摂りましょう
🔶適度な水分補給をしましょう
尿もれは、相談しにくい案件ですが、多くの方が困っていると案件であると実感しています。上記の漢方薬や養生で、尿もれの改善に少しでも役立てていただけると幸いです。
<注意>
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより使う漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談し、適切な漢方薬をご購入ください。
熊本 菊陽町 菜の花漢方堂




