『 盛夏は暑邪対策で夏バテ知らず』
毎日、猛暑日が続きます。盛夏は、夏至(6/21)~立秋(8/5)を指しますが、昨今は平均気温が上昇しているので、9月初旬までは、盛夏と考えてもよいかもしれません。
その盛夏に体を侵す主役の邪が暑邪(しょじゃ)です。
暑邪は、炎のような性質をもつので、ほてり、発熱、熱中症を起こします。炎は、大量の発汗を促し、体内の水を部分的に枯らして尿量の減少、喉の乾きを引き起こします。また、水の偏りが生じることで、湿邪(しつじゃ)も併発しやすくなります。暑湿邪(しょしつじゃ)で起こる症状としては、下痢、軟便、倦怠感、食欲不振などです。いわゆる夏バテが生じるのです。
暑湿邪への予防としては、十分な気(エネルギー)と水(栄養を含む)を補給し、体力をしっかり保つこと。そして、血水を円滑に巡らせ、熱と水の偏りを生じさせないということがポイントになります。
では、暑湿邪への漢方薬の一例をご紹介します。
<漢方薬>
◆体力をつけての暑邪対策には
麦味参顆粒(ばくみさんかりゅう)
西洋人参製剤
消化不良の場合は以下を併用
消導剤(山楂子製剤など)
◆暑さで熱がこもりを感じる時
黄連解毒湯(おうれんげどくとう)
霊黄参(れいおうさん)
律鼓心(りっこしん) <-動悸を伴う時
◆水の偏りから、倦怠感や食欲不振が起こっている場合
藿香正気散(かっこうしょうきさん)
五苓散(ごれいさん)
健胃顆粒(けんいかりゅう)
◆水の偏りから腹痛、下痢が起こっている場合
葛根黄連黄芩湯(かっこんおうれんおうごんとう) <-腹痛と共に、排便時、熱感をともなう下痢
人参湯(にんじんとう) <- お腹に強い痛みを伴う下痢
◆夏バテがすでに起こっている場合
清暑益気湯(せいしょえっきとう)
麦味参顆粒(ばくみさんかりゅう)
消化不良の場合は以下を併用
消導剤(山楂子製剤など)
<養生>
🔶消化の良い、温かい食べ物で胃腸の働きを良好に保つ
🔶毎日、お通じがあるよう整える
🔶十分な睡眠で体力を回復
🔶午前10時~午後4時くらいの間は、外での活動を控える
🔶こまめな水分補給(常温または温かい飲み物で)
🔶暑くても入浴し余分な水を出す
まだまだ、暑い夏が続きます。ご紹介した漢方薬と養生で、夏バテを予防して、元気に夏を乗り切りましょう(^^b
<注意>
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより使う漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談し、適切な漢方薬をご購入ください。
熊本 菊陽町 菜の花漢方堂