体質別養生法 第5回 ~気滞~


『体質別養生法 第5回 ~気滞~』

今回は、体質別養生紹介の5回目です。
取り挙げる体質は、『気滞(きたい)』です。
ストレスが多い現代社会では、気滞体質になりやすく、店頭でも気滞体質からくる症状の相談は多いです。

では、気滞の体質で起こりやすい症状をご紹介します。



🔹イライラ、怒りっぽい
🔹不安、憂鬱感
🔹よくため息をつく
🔹下痢、軟便
🔹便秘、下痢を繰り返す
🔹ゲップ、ガスが多い
🔹ノドに物が詰まったような感じがする
🔹腹、胸肋部が張り、又は脹痛
🔹生理不順

などです。

 


次に、気滞から起こる症状を立て直”養生””漢方薬”をご紹介していきます。
(補足:気滞からくる症状は、原因が取り除かれると回復が早いです)


<養生>


🔶ストレスを避ける、ストレスを発散


好きな事に集中、おしゃべりをする
適度な運動、アロマ


🔶朝日を浴びてリフレッシュ
🔶十分な睡眠をとる
🔶肥甘厚味を避ける
🔶暴飲暴食をしない
🔶オススメ食材


香草野菜(セロリ、春菊、三つ葉、しそ)
柑橘類(オレンジ、みかん、グレープフルーツ、レモン、ゆず)
苦うり、レバー(牛、豚)イカ、あさり、しじみ

 


次に気滞体質で使う漢方薬の一例をご紹介します。
<漢方薬>


◆イライラ、怒りっぽい
逍遙顆粒(しょうようかりゅう)
加味逍遙散(かみしょうようさん)
芎帰調血飲第一加減(きゅうきちょうけついんだいいちかげん) <-冷え、血行不良が伴う時


◆ノドに物が詰まった感じがする場合
半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)


◆お腹の張り、または脹痛がある場合
開気丸(かいきがん)
柴胡疎肝湯(さいこそかんとう)
柴芍六君子湯(さいしゃくりっくんしとう)


◆便秘、またはガスが多い場合
清営顆粒(せいえいかりゅう)

 


上述しましたが、気滞体質からくる症状は、原因が取り除けると回復が早いです。ただ、原因が取り除くことが困難なことが多々あります(ストレスなど)。

原因が取り除けなくても、養生と漢方で少しでも症状が楽になることはできます。よかったら、ご相談ください(^^b

 


<注意>
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより使う漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談し、適切な漢方薬をご購入ください。


熊本 菊陽町 菜の花漢方堂

体質別養生法 第4回 ~陰虚~


『体質別養生法 第4回 ~陰虚~』

今回は、体質別養生紹介の4回目です。
とり挙げる体質は、『陰虚(いんきょ)』です。
陰虚は、簡単にいうと体の潤い不足です。
栄養を含む、血・水が不足しますので、ドライ(乾燥)症状や熱を伴う症状が起こりやすくなります。



🔹のぼせ、ほてり
🔹夕方以降に微熱が出る
🔹目鼻口などの粘膜が乾きやすい
🔹空咳がよくでる
🔹寝汗をかく
🔹喉が渇き、冷たい物を欲する
🔹便が乾燥し出にくい
🔹生理周期が乱れる
🔹おりものが少ない

 


<養生>
回復の基本は日頃の養生です。陽虚同様、回復にはかなり時間を要します。(経験則ですが、回復期間は、半年から年の単位)


🔶十分な睡眠をとる(陰虚は、夜型生活の方に多い)
🔶適度な運動(大量発汗する程の運動は避ける)
🔶辛味(香辛料など)を控える
🔶過度な飲酒とタバコを控える
🔶冷たい飲食物を控える


🔶オススメ食材
れんこん、トマト、豚肉、豆乳、黒ごま、白ごま、ゆり根
貝類(あさり、しじみ、はまぐり、アワビ)、
豆腐、白菜、きゅうり、梨、りんご、レモン、スイカ


※陰虚は、消化力能力が低下している方が多いです。消化に優しい調理で摂りましょう。食べる量も腹八分目にしましょう。

 


次に陰虚体質で使う漢方薬の一例をご紹介します。
<漢方薬>
上述で、陰虚は潤い不足からドライ症状と熱症状がでます。よって、潤したり、熱をとったりする漢方薬を使っていきます。


◆のぼせ、ほてり
瀉火補腎丸(しゃかほじんがん)
知柏地黄丸(ちばくじおうがん)
杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)
亀板製剤(きばんせいざい)
六味丸(ろくみがん)


◆寝汗をかく
衛益顆粒(えいえきかりゅう)
麦味参顆粒(ばくみさんかりゅう)


◆目鼻口など年開くが乾きやすい
杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)
八仙丸(はっせんがん)
滋腎明目湯(じじんめいもくとう)
石決明製剤(せきけつめいせいざい)


◆生理不順
婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
芎帰調血飲第一加減(きゅうきちょうけついんだいいちかげん)


◆乾燥からくる便秘
麻子仁丸(ましにんがん)

 


陰虚の回復は、養生と漢方の継続が重要です。あせらず、続けて回復を目指しましょう
上述の漢方薬は一例です。他にも色々ありますので、ご相談ください(^^b

 


<注意>
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより使う漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談し、適切な漢方薬をご購入ください。

熊本 菊陽町 菜の花漢方堂

体質別養生法 第3回 ~陽虚~


『体質別養生法 第3回 ~陽虚~』

今回は、体質別養生紹介の3回目です。
取り挙げる体質は、『陽虚(ようきょ)』です。
陽虚は、前々回お話した気虚をベースに、もっと体が弱った状態を指します。
体の中の作り出す力、変える力が無くなってきているので、次のような症状が起こりやすくなります。



🔹体全体が冷える。手足、腰が冷える(熱を作り出す力の低下)
🔹基礎体温が低い。平常時の体温が35℃台(熱を作り出す力の低下)
🔹下痢しやすい(消化吸収という変える力の弱り)
🔹頻尿(主に冷えからくる、膀胱筋肉の柔軟性の低下から起こる)
🔹足腰がすぐにだるくなる(老廃物の代謝が弱くなることで起こる)
🔹生理があったり、なかったりする(ホルモン産生に乱れが生じる)


などの症状を訴えるのが特徴です。

 


<養生>
養生は、気虚体質と一緒です。回復には気虚より時間を要します。(経験則ですが、回復期間は、半年から年の単位)


🔶十分な睡眠(休養)をとる
過度な仕事、勉強、運動は控えましょう


🔶胃腸に優しい食事を摂る


温かくて消化の良い物
食べる物はバランスよく
食べる量は腹八分目
冷たい物、脂っこい物は控える
冷たい飲み物と一緒に食事をしない


🔶オススメ食材


イモ類(山芋、さつまいも、じゃがいも、里芋)
かぼちゃ、きのこ類(えのき、しいたけ、しめじ)
卵、大豆、お米、
肉類(牛肉、羊肉、鶏肉)※


※消化力が落ちている時は、肉類は無理にとる必要はないです。摂る時は、細かく柔らかく調理して消化に負担をかけないようにしましょう。

 


次に陽虚体質に使う漢方薬の一例をご紹介します。
<漢方薬>
陽虚は、エネルギー不足で、作り出す力弱っており、胃腸から栄養を吸収する力も弱っています。よって、胃腸をケアしながら、動物生薬を主に使って回復を目指します。陽虚までくると、養生と漢方薬の併用をお勧めします。


◆胃腸機能が低下し、痩せ始めている
参馬補腎丸(じんばほじんがん)
帰脾湯(きひとう)
健脾散エキス顆粒(けんぴさんえきすかりゅう)
山楂子製剤(さんざしせいざい)

 


◆気血水を作り出す力が弱っている
参茸補血丸(さんじょうほけつがん)
双料参茸丸(そうりょうさんじょうがん)
参茸大補丸錠(さんじょうだいほがんじょう)
霊鹿参(れいろくさん)
婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)
亀板製剤(きばんせいざい)


※血をめぐらせる、推動力も弱っているので活血剤を併用することがある
冠元顆粒(かんげんかりゅう)

 


陽虚の立て直しは、年単位。とても時間がかかります。養生を継続し、ゆっくり、しっかり、回復をはかることが大切です。
上述の漢方薬は一例です。他にも色々ありますので、ご相談ください(^^b

 


<注意>
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより使う漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談し、適切な漢方薬をご購入ください。

熊本 菊陽町 菜の花漢方堂