膀胱炎、尿道炎は漢方で改善と予防を!!


『膀胱炎、尿道炎は漢方で改善と予防を!!』

膀胱炎(ぼうこうえん)尿道炎(にょうどうえん)

毎年この時期、店頭、相談で膀胱炎尿道炎症状の訴えが増えるため、ブログでこの話題へ触れるようにしています。

膀胱炎尿道炎が起こりやすい原因として


🔹気温と湿度が高くなり細菌が繁殖しやすくなる
🔹暑さで汗を多量にかき、尿量が減ることによって、尿と一緒に排出されていた細菌が排出されにくくなり、尿道、膀胱で細菌が繁殖しやすくなる


からと考えています。

特に過労、睡眠不足、何かしらでの体力不足で免疫力が落ちたり、加齢で日頃から潤い不足な状態だと膀胱炎尿道炎を起こしやすくなります。

余談ですが、女性は尿道が短く、肛門との距離が近いため、男性に比べて膀胱炎にかかりやすいと言われています。

それでは、膀胱炎尿道炎になってしまった場合におすすめする漢方薬と、早期回復および予防のための養生をご紹介します。

<漢方薬>
【急性】


◆すでに膀胱炎・尿道炎症状がある時 ファーストチョイス
瀉火利湿顆粒(しゃかりしつかりゅう)

 


◆血尿を伴う場合は
瀉火利湿顆粒 + 猪苓湯(ちょれいとう)

 


【慢性】


◆元気不足(体力低下、疲労など)で免疫力が落ちている場合
瀉火利湿顆粒 + 補気薬(麦味参顆粒、補中益気湯、十全大補湯など)

 


◆加齢などでの潤い不足(目安は、日頃から尿量が少ない方
杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)
八仙丸(はっせんがん)

 


◆湿熱(体内で病的な巡りが悪い水が熱をもっている状態)もっている場合
目安は、尿の色が黄色い、強い臭いがする、熱感がある。舌苔が熱い、口が粘つくなど

竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう:一貫堂)

 


次に膀胱炎、尿道炎への予防策である養生をご紹介します。
【養生】


🔸水分を十分に摂取し、尿量を増やす
但し、水分補給は、こまめに少しずつ。体温以上の温かい飲み物で補給しましょう。


🔸体を冷やさないようにする
体の冷えは免疫力を低下させます。特に暑い時期は冷房による冷えに注意しましょう。


🔸疲れている場合はしっかり休養を取る
疲れは免疫力を低下させます。特に睡眠をしっかりとりましょう。忙しくても日付が変わる前に就寝を(^^)


🔸湿が溜まっている場合は次に気をつける


・脂物、甘い物、甘い飲み物、味の濃い物は、少なめに摂る
・冷たい飲食物、アルコールを控える
・食べる量は腹八分目。暴飲暴食、寝る前の間食は厳禁


膀胱炎尿道炎への最大の防御は養生です(^^b
養生を実践することで、膀胱炎尿道炎を起こしにくい体質への改善を行い、予防していきましょう。

 


<注意>
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより使う漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談し、適切な漢方薬をご購入ください。

熊本 菊陽町 菜の花漢方堂

ぎっくり腰は漢方で改善&予防


『ぎっくり腰は漢方で改善&予防』

ぎっくり腰。本当に辛いですよね。
今回、このテーマを選んだ理由は、最近、私がぎっくり腰になったから(^^;

少し前、湿度が高く、朝晩冷えた日が続くことがありました。朝の掃除で、前かがみで物を取ろうとしたとき”魔女の一撃”に襲われました。今思うと、昼間は温かい時期だったので完全に油断していました(^^;

漢方では、湿度が高く気温が低い状態を寒湿邪と言います。寒湿邪の気候は、腰痛(ぎっくり腰含む)、ヒザ痛などの関節痛を起こしやすくします。
とくに長時間座ったままでほぼ同じ姿勢でいたり、加齢がベースにある方は、寒湿邪が伴ったときに、ぎっくり腰が発症しやすくなります。

昨日(2025/6/8)、熊本は梅雨入りが発表されましたね。梅雨の時の冷え、梅雨寒(つゆざむ)は、まさに寒湿邪!!
ぎっくり腰を含む、関節痛に気をつけましょう。以下を一読いただいて、ぎっくり腰への対応と予防を知っていただけたらと思います。

では、ぎっくり腰への漢方薬の一例と養生をご紹介します。


<漢方薬>


◆ぎっくり腰を起こした直後


・筋肉のひき攣りを緩めることで痛みを緩和させる
芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)


・血の巡りが悪く、湿(病的な水)が認められる場合は
疎経活血湯(そけいかっけつとう)


・強い炎症が起こり痛みが強い
通導散(つうどうさん) <-大黄が入っているので胃腸が弱い人は加減して服用


※あまりに痛みが強い時は、漢方薬だけに頼らず、鎮痛剤も使いましょう。
強い痛みで眠れないと、治りが遅れます。

 


◆ぎっくり腰の痛みが少し引いてきた頃


疎経活血湯(そけいかっけつとう)

 


◆ぎっくり腰の予防


冷えが強い、血の巡りが悪い
五積散(ごしゃくさん)


加齢、血の不足と巡りが悪い、痰湿(病的な水)
独歩顆粒(どっぽかりゅう)


ちなみに★印は、私がぎっくり腰で服用した漢方薬です(^^b
あくまでも一例です、体質、状況によって、漢方薬が変わります。よかったらご相談ください。

 


次にぎっくり腰の予防に大切な養生をご紹介します。
<養生>


◆寒と湿を体の中に引き起こす飲食物の過剰摂取を控える
冷たいジュース、アルコール、アイスなど
刺し身、魚介類、生野菜などの生物
甘くて脂肪分の多い食べ物(ケーキ、チョコ、お菓子)
補足:もち米の食べ物(餅、饅頭、あられ等)も湿をためやすいです。関節痛を起こしやすい方は程々に摂りましょう


◆体を冷やさない(夏でも環境によっては体が冷えます)
冷える部屋、仕事場に長時間滞在する場合は、服で体を温め、冷えから守る
クーラーで肌寒い時は、服を一枚羽織る
お風呂にしっかり入って冷えた体を温める


◆長時間同じ姿勢をとらない
座り仕事の方は、1時間に1回は席を立ち、体操やストレッチで体をほぐしましょう


◆空いた時間は腰痛体操で予防と早期回復を
NHKきょうの健康で紹介している腰痛体操をオススメしています(以下をクリックして参照ください)。動画で体操をわかりやすく説明してくれています(^^b


トコトン!腰痛大解決「腰痛を体操で改善!」

腰痛を解消!室内でできる体操 原因別の治療&予防法


 

ぎっくり腰は、漢方薬を服用するだけでは、防ぐのが困難です。日頃の養生が、ぎっくり腰の最善の予防策です。
上記に挙げた漢方薬を知っていただき、養生を実践し、ぎっくり腰にならない身体づくりを目指しましょう(^^)

 


<注意>
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより使う漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談し、適切な漢方薬をご購入ください。

熊本 菊陽町 菜の花漢方堂

ぐるぐる回転性の目眩への漢方


『ぐるぐる回転性の目眩への漢方』

前回に引き続き目眩のお話です。
相談で多い2タイプの目眩のうち、今回は「ぐるぐる回転性の目眩」の原因と対策(漢方薬と養生)をご紹介します。

相談時、回転性の目眩(めまい)


🔹横になって寝ていても、グラグラ揺れている
🔹ぐるぐる、自分が回っている様
🔹周りが回っている様
🔹上下左右様々な方向へ動く


などと表現されるお客さんが多いです。

漢方では、以下に挙げることから、水の巡り(水の代謝)が悪くなり、頭部に水が滞り、回転性の目眩が生じると考えます。水滞証(すいたいしょう)と言ったりします。


🔹短時間での過剰な水分補給
🔹冷たい飲み物での水分補給
🔹日頃から胃腸虚弱で水巡りが悪い
🔹甘い物、味の濃い物の摂り過ぎ
🔹仕事等で尿の回数が少ない
🔹ほとんど動かず、発汗しない

 


それでは、回転性の目眩(めまい)に対して使う漢方薬をご紹介します。

<<漢方薬>>


◆ぐるぐる回転性の目眩のファーストチョイス

『沢瀉湯(たくしゃとう)』✨


利水作用をもつ沢瀉と白朮の2味で構成されており、滞りの原因と成っている余分な水巡らせ、不要な水を尿で排出することにより目眩を楽にしてくれます。


また、めまい以外に症状が伴う場合は、次のような漢方薬を併用して使うことがあります。


◆胃腸虚弱(胃もたれ、ゲップ、慢性下痢、食欲不振など)を伴う場合
沢瀉湯 + 半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)


◆冷えを伴う場合
沢瀉湯 + 真武湯(しんぶとう)

 


次に、目眩(めまい)を起こしにくい体作りの養生をお伝えします。
<<養生>>


🔶過剰な水分補給は控える
一汁三菜で食事が摂れていれば最低限の水分は補給できています。
※大量の発汗をまねく過度な運動、労働をした場合は水分補給は必要です


🔶1日の尿量、尿の回数が適切か確認する
いつものように水分は摂っているが、いつもより尿量、尿の回数が少ない場合は
水分の排出を心がけてください。


例えば)
・利尿作用のある温かい緑茶などを飲む

・適度な発汗で水分を排出する
適度に汗をかく運動をする、またはゆっくり入浴など
気血水のすべての巡りがよくなりますのでオススメです(^^b


🔶胃腸を整えましょう
温かい食べ物をよく噛んで、腹八分目で


🔶甘い物、味の濃い物の摂り過ぎない
水の偏りが生じて、巡りが悪化しやすくなります。特に甘いジュースなどの飲み物で水分補給をするのは極力控えましょう。

 


今回取りあげたぐるぐる回転性の目眩は、生活に支障をきたすと思います。
頻繁に起こるようでしたら、一度ご相談ください。


<注意>
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより使う漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談し、適切な漢方薬をご購入ください。

熊本 菊陽町 菜の花漢方堂