ぎっくり腰は漢方で改善&予防


『ぎっくり腰は漢方で改善&予防』

ぎっくり腰。本当に辛いですよね。
今回、このテーマを選んだ理由は、最近、私がぎっくり腰になったから(^^;

少し前、湿度が高く、朝晩冷えた日が続くことがありました。朝の掃除で、前かがみで物を取ろうとしたとき”魔女の一撃”に襲われました。今思うと、昼間は温かい時期だったので完全に油断していました(^^;

漢方では、湿度が高く気温が低い状態を寒湿邪と言います。寒湿邪の気候は、腰痛(ぎっくり腰含む)、ヒザ痛などの関節痛を起こしやすくします。
とくに長時間座ったままでほぼ同じ姿勢でいたり、加齢がベースにある方は、寒湿邪が伴ったときに、ぎっくり腰が発症しやすくなります。

昨日(2025/6/8)、熊本は梅雨入りが発表されましたね。梅雨の時の冷え、梅雨寒(つゆざむ)は、まさに寒湿邪!!
ぎっくり腰を含む、関節痛に気をつけましょう。以下を一読いただいて、ぎっくり腰への対応と予防を知っていただけたらと思います。

では、ぎっくり腰への漢方薬の一例と養生をご紹介します。


<漢方薬>


◆ぎっくり腰を起こした直後


・筋肉のひき攣りを緩めることで痛みを緩和させる
芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)


・血の巡りが悪く、湿(病的な水)が認められる場合は
疎経活血湯(そけいかっけつとう)


・強い炎症が起こり痛みが強い
通導散(つうどうさん) <-大黄が入っているので胃腸が弱い人は加減して服用


※あまりに痛みが強い時は、漢方薬だけに頼らず、鎮痛剤も使いましょう。
強い痛みで眠れないと、治りが遅れます。

 


◆ぎっくり腰の痛みが少し引いてきた頃


疎経活血湯(そけいかっけつとう)

 


◆ぎっくり腰の予防


冷えが強い、血の巡りが悪い
五積散(ごしゃくさん)


加齢、血の不足と巡りが悪い、痰湿(病的な水)
独歩顆粒(どっぽかりゅう)


ちなみに★印は、私がぎっくり腰で服用した漢方薬です(^^b
あくまでも一例です、体質、状況によって、漢方薬が変わります。よかったらご相談ください。

 


次にぎっくり腰の予防に大切な養生をご紹介します。
<養生>


◆寒と湿を体の中に引き起こす飲食物の過剰摂取を控える
冷たいジュース、アルコール、アイスなど
刺し身、魚介類、生野菜などの生物
甘くて脂肪分の多い食べ物(ケーキ、チョコ、お菓子)
補足:もち米の食べ物(餅、饅頭、あられ等)も湿をためやすいです。関節痛を起こしやすい方は程々に摂りましょう


◆体を冷やさない(夏でも環境によっては体が冷えます)
冷える部屋、仕事場に長時間滞在する場合は、服で体を温め、冷えから守る
クーラーで肌寒い時は、服を一枚羽織る
お風呂にしっかり入って冷えた体を温める


◆長時間同じ姿勢をとらない
座り仕事の方は、1時間に1回は席を立ち、体操やストレッチで体をほぐしましょう


◆空いた時間は腰痛体操で予防と早期回復を
NHKきょうの健康で紹介している腰痛体操をオススメしています(以下をクリックして参照ください)。動画で体操をわかりやすく説明してくれています(^^b


トコトン!腰痛大解決「腰痛を体操で改善!」

腰痛を解消!室内でできる体操 原因別の治療&予防法


 

ぎっくり腰は、漢方薬を服用するだけでは、防ぐのが困難です。日頃の養生が、ぎっくり腰の最善の予防策です。
上記に挙げた漢方薬を知っていただき、養生を実践し、ぎっくり腰にならない身体づくりを目指しましょう(^^)

 


<注意>
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより使う漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談し、適切な漢方薬をご購入ください。

熊本 菊陽町 菜の花漢方堂

ぐるぐる回転性の目眩への漢方


『ぐるぐる回転性の目眩への漢方』

前回に引き続き目眩のお話です。
相談で多い2タイプの目眩のうち、今回は「ぐるぐる回転性の目眩」の原因と対策(漢方薬と養生)をご紹介します。

相談時、回転性の目眩(めまい)


🔹横になって寝ていても、グラグラ揺れている
🔹ぐるぐる、自分が回っている様
🔹周りが回っている様
🔹上下左右様々な方向へ動く


などと表現されるお客さんが多いです。

漢方では、以下に挙げることから、水の巡り(水の代謝)が悪くなり、頭部に水が滞り、回転性の目眩が生じると考えます。水滞証(すいたいしょう)と言ったりします。


🔹短時間での過剰な水分補給
🔹冷たい飲み物での水分補給
🔹日頃から胃腸虚弱で水巡りが悪い
🔹甘い物、味の濃い物の摂り過ぎ
🔹仕事等で尿の回数が少ない
🔹ほとんど動かず、発汗しない

 


それでは、回転性の目眩(めまい)に対して使う漢方薬をご紹介します。

<<漢方薬>>


◆ぐるぐる回転性の目眩のファーストチョイス

『沢瀉湯(たくしゃとう)』✨


利水作用をもつ沢瀉と白朮の2味で構成されており、滞りの原因と成っている余分な水巡らせ、不要な水を尿で排出することにより目眩を楽にしてくれます。


また、めまい以外に症状が伴う場合は、次のような漢方薬を併用して使うことがあります。


◆胃腸虚弱(胃もたれ、ゲップ、慢性下痢、食欲不振など)を伴う場合
沢瀉湯 + 半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)


◆冷えを伴う場合
沢瀉湯 + 真武湯(しんぶとう)

 


次に、目眩(めまい)を起こしにくい体作りの養生をお伝えします。
<<養生>>


🔶過剰な水分補給は控える
一汁三菜で食事が摂れていれば最低限の水分は補給できています。
※大量の発汗をまねく過度な運動、労働をした場合は水分補給は必要です


🔶1日の尿量、尿の回数が適切か確認する
いつものように水分は摂っているが、いつもより尿量、尿の回数が少ない場合は
水分の排出を心がけてください。


例えば)
・利尿作用のある温かい緑茶などを飲む

・適度な発汗で水分を排出する
適度に汗をかく運動をする、またはゆっくり入浴など
気血水のすべての巡りがよくなりますのでオススメです(^^b


🔶胃腸を整えましょう
温かい食べ物をよく噛んで、腹八分目で


🔶甘い物、味の濃い物の摂り過ぎない
水の偏りが生じて、巡りが悪化しやすくなります。特に甘いジュースなどの飲み物で水分補給をするのは極力控えましょう。

 


今回取りあげたぐるぐる回転性の目眩は、生活に支障をきたすと思います。
頻繁に起こるようでしたら、一度ご相談ください。


<注意>
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより使う漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談し、適切な漢方薬をご購入ください。

熊本 菊陽町 菜の花漢方堂

ふわふわ浮遊感を伴う目眩への漢方


『ふわふわ浮遊感を伴う目眩への漢方』

目眩(めまい)は1年を通して多い相談案件です。ただ、湿気が伴う今からの季節に相談が増える目眩のタイプが2つ


◆ふわふわ浮遊感を伴う目眩
◆ぐるぐる回転性の目眩


です。今回は「浮遊感を伴う目眩」その原因と対策(漢方薬と養生)をご紹介します。来週は、「ぐるぐる回転性の目眩」のお話をします。

では本題に入ります。
まず、浮遊感を伴う目眩とは・・・


🔹ふわふわと浮いている感じ
🔹ベッドの上を歩いてる感じ
🔹雲の上を歩いている感じ
🔹回転ではない。フワッとする感じ


と表現されること多いです。


漢方では、体にとって病的な水(湿)が滞ることで、水の巡りが悪くなり、頭部に水の偏りが生じて、それが目眩を誘引すると考えます。


水の滞り、偏りが起こる原因の一例は以下。


🔹冷たい飲食物をよくとる
🔹脂物、甘い物、味の濃い物の摂り過ぎ(偏食)
🔹アルコールの摂りすぎ
🔹栄養に偏りがある(貧血気味、カルシウム不足)
🔹雨の天候(低気圧に影響を受ける)


それでは、浮遊感を伴う目眩で使用する漢方薬の一例をご紹介します
<漢方薬>


◆ふわふわ目眩のファーストチョイス

苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)

胃腸を整えかつ利水作用をもつ茯苓、白朮で水の巡りを良くし、桂皮で温めて頭部への血行をよくすることで目眩を楽にしてくれます。

 


また、目眩(めまい)に痰湿以外の原因が伴う場合は、次のような漢方薬を併用して使うことがあります。一例を示します。


◆血不足を伴う場合

苓桂朮甘湯 + 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

※注意:血不足の改善には、食養生も含めて数ヶ月以上かかりますので、めまい改善にも時間がかかります

 


◆冷えを伴う場合

苓桂朮甘湯 + 乾姜甘草湯(かんきょうかんぞうとう)

体の中心をより温めてくれます

 


◆カルシウム不足を伴う場合(耳石はがれ等、耳石の不調が目眩の原因になります)

苓桂朮甘湯 + カルシウム補給 <-漢方薬ではありませんがとても重要です

 


次に、目眩(めまい)を起こしにくい体作りの養生をお伝えします。
<<養生>>


🔶脂物、甘い物、味の濃い物を控える
甘い物、味の濃い物は摂りすぎると、体は、血の濃度を調整するため、血管内に水が必要となり、水の偏りが起こりやすくなります。


🔶冷たい飲食物を極力摂らない
気血水の巡りが悪くなり、水が滞りやすくなります。


🔶適度な飲酒と休肝日をもうける
過度な飲酒は利尿作用で水分が通常より多く出てしまいます。またアルコールの分解に水をたくさん使うので、水分バランスが崩れやすくなります。お酒は程々に(^^;


🔶適度な運動を心がける
気血水が巡り、適度な発汗は余分な水を体から出してくれます

 


以上です。目眩(めまい)でお困りの方は、お気軽にご相談ください😊
体質をしっかり見定めて、適切な漢方薬と養生をお伝えします。

 


<注意>
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより使う漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談し、適切な漢方薬をご購入ください。

熊本 菊陽町 菜の花漢方堂