寒い冬の関節痛、漢方でケアしよう!!


『寒い冬の関節痛、漢方でケアしよう!!』

二十四節気の大雪に入り、毎日寒いですね。
寒さは、血水の流れが悪くするため、関節痛が悪化しやすくなります。
膝痛、腰痛などの関節痛をお持ちの方にとって、冬はあまり嬉しくないかもしれません。

また現代では、寒さに加え、運動不足や、肥甘厚味(脂っこい物、甘い物、味の濃い物)の食べ過ぎにより、必要以上の物が体へ入り、体にとって害になる水(すい)が産まれ、それが原因で関節痛を起こしています。

体に害となる水(すい)は、痰飲(たんいん)と呼びます。他にも状態によって呼び方が変わりますが、ここでは割愛します。


補足:水(すい)とは、汗、涙、鼻みず、唾液、粘液、関節液、髄液などのことです。中医学では、水のことを津液(しんえき)といいます。津(しん)はサラサラの液体、液(えき)は粘度が強い液体を意味します。以降は、津液(しんえき)という言葉を使います。


津液(しんえき)は、体の各部に見合う適切な粘度であれば、問題ないのです。しかし、上記に挙げた寒さ、運動不足、肥甘厚味の摂りすぎ、肥満などで、津液の成分と熱のバランスが崩れますと、粘度が増して関節痛を誘引します。

関節痛の発生機序の一例を挙げますと、


例)肥甘厚味の摂りすぎで、津液の粘度が異常に増します。筋や筋肉が正常に伸縮していたのが、伸びたものが縮まず、伸びたままになり、神経を引っ張り続けることで、痛みにつながったりします。


よって、漢方は、痰飲を取り除くことで、関節痛を改善していきます。
それでは、まず漢方薬をご紹介致します。


<漢方薬>
痰飲による腰痛、関節痛、神経痛


◆ベースとして使用する漢方薬の一例
五積散(ごしゃくさん)
疎経活血湯(そけいかっけつとう)
独活寄生丸(どっかつきせいがん)


※痰飲に加え、加齢、血の巡りの悪さを踏まえてベースの漢方薬を決めていきます。場合によっては、以下に紹介する併用薬使っていきます。


◆痰飲が強い時、以下を併用
清湿化痰湯(せいしつけたんとう)
二陳湯(にちんとう)


◆加齢と冷えが強い時、以下を併用
八味地黄丸(はちみじおうがん)


◆上半身の冷えが強い時、以下を併用
桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)


◆下半身の冷えが強い時、以下を併用
苓姜朮甘湯(りょうきょうじゅつかんとう)


◆下半身のむくみが強い時、以下を併用
防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)
薏苡仁湯(よくいにんとう)


◆血の巡りの悪さが強い時、以下を併用
冠元顆粒(かんげんかりゅう)
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)


◆潤い(血水)が足りない時、以下を併用
四物湯(しもつとう)
十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)
六味丸(ろくみがん)

 


次に養生をご紹介します。以下の3つの養生を徹底することが、関節痛改善の近道になります。


🔶体を冷やさない
温かい衣服。温かい食事。冷たい飲食物は取らない


🔶食事は肥甘厚味(脂っこい物、甘い物、味の濃い物)を避ける
暴飲暴食はせず、腹八分目で


🔶適度な運動
まずは、無理のない範囲でストレッチから

 


以上です。
上記に挙げた漢方薬と養生で少しでも関節痛が緩和されると幸いです(^^)
関節痛のご相談では、適切な漢方薬と運動なども一緒にお伝えしております。お気軽にご相談ください。

 


<注意>
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより使う漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談し、適切な漢方薬をご購入ください。

熊本 菊陽町 菜の花漢方堂

鼻みず、鼻詰まり、後鼻漏は漢方で解決!!


『鼻みず、鼻詰まり、後鼻漏は漢方で解決!!』

二十四節気の『大雪(たいせつ)』になり、寒さが増してきました。店では、鼻みず、鼻詰まり、後鼻漏など鼻症状の相談が増えてきています。

冬は、寒さ、寒暖差、カゼなどに加えて、乾燥でホコリなどのハウスダストが鼻を刺激することで、鼻みず、鼻づまりを引き起こします。そして、鼻みず、鼻詰まりなどから口呼吸になり、カゼを誘引する方も多く見られます。

漢方の視点で、鼻みず、鼻詰まりなどの鼻症状をみるとき、”寒”,”熱”どちらの要因が強いかをまず確認します。理由は簡単で、”寒”,”熱”によって、使う漢方薬が変わってくるからです。

鼻みずが透明でスタスタ多く出て、鼻詰まりも伴っているときは、”寒”の要因が強いと捉えます。このような鼻の症状のときは、併せて、後鼻漏を訴える方が多いです。

一方、
鼻みずが黄色または緑色の色がついていてドロっと粘り気があり、鼻詰まりが伴っているときは、”熱”の要因が強いと捉えます。併せて、目の奥に痛みや頭重感を訴える方もおられます。いわゆる副鼻腔炎です。

余談ですが、
相談を受けていると、透明なスタスタ鼻みず鼻詰まりの症状がよく出る方が、疲れなどで免疫が落ちて、副鼻腔で細菌が繁殖し、炎症をともない熱の鼻みず鼻詰まりに変わっていくというパターンをよく経験します。

それでは、鼻の症状にあわせて、適する漢方薬をご紹介します。


<<漢方薬>>

◆寒が原因の鼻みず、鼻詰まり、後鼻漏


ファーストチョイスの漢方薬
  ????※


※一番オススメしたい鼻の漢方薬がありますが、販売メーカーより
 インターネットでの宣伝が禁止をされております。
 お店にお越しのさい、ご紹介致します。


体力がある方:小青竜湯(しょうせいりゅうとう)
虚弱な方:苓甘姜味辛夏仁湯(りょうかんきょうみしんげにんとう)

 


体を温め、水をさばく生薬で鼻みず、鼻詰まりに対処していくのは同じです。しかし、小青竜湯は体力があり急性かつ短期間の服用に向きます。一方、虚弱で体力がなく慢性化している方は、苓甘姜味辛夏仁湯が適しています。


補足)日頃からの予防や体質改善

衛益顆粒(えいえきかりゅう)
荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)


◆熱が原因の鼻みず、鼻詰まり、後鼻漏


ファーストチョイスの漢方薬
・エンピーズ

・辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)


寒性の生薬で炎症を鎮め、鼻みずを排出する生薬で増えた細菌を排出し、鼻詰まりとドロッとした鼻みずの改善をしてくれます。

 


次に鼻みず鼻詰まりでの養生をご紹介します。

<<養生>>
鼻みず鼻詰まりの根本原因は、”寒”です。よって、養生は、体の中に冷えを作らないことが最優先です。


🔶体を冷やさない

🔶冷たい飲食物を避ける

🔶マスクを着用し、寒暖差・乾燥・アレルギー物質などから敏感な鼻粘膜を守る

🔶十分に休養し体力を落とさないようにする

 


鼻みず、鼻詰まり、後鼻漏は、煩わしく地味にツラく、仕事や勉強など集中を要する作業の効率を落とします。長く続けば睡眠を妨げて不眠、口呼吸になり喉を傷めるなどして、次の大きな病気への引き金にもなります。よって、早めのケアで日頃の体質を改善することが重要になってきます。

鼻みず鼻詰まりでお困りの方は是非ご相談ください。症状と体質をしっかり見極め、適切な漢方薬と養生をご提案致します。


<注意>
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより使う漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談して適切な漢方薬を購入し服用してください。

熊本 菊陽町 菜の花漢方堂

カゼの季節、脾胃のケアで免疫を応援!!


『カゼの季節、脾胃のケアで免疫を応援!!』

脾胃(ひい)って、どの部分を指すんですか?」とたまに店頭で聞かれることがあります。

脾胃は、現代医学で言うと消化器官(口、食道、胃、腸)を含みます。(※脾胃は、他にも機能を持ちますが、ここでは説明を省略します。)

消化器官は、外から入ってきた飲食物が通ります。体に良い物だけでなく、害となる異物も混ざってきます。よって、体に悪い物が簡単に入ってこないために、腸には免疫細胞の約70%が集まっています。この腸管免疫が低下しないよう保つことが、体に悪いものを入れないために重要となります。また、腸管免疫は体全体の免疫力に影響を与えます。腸だけでなく、鼻やノド、肺、皮膚などから入ってくる、体に害を及ぼす細菌やウイルスから守るために非常に重要となります。

一方、

漢方で免疫にあたるものに衛気(えき)というものがあります。面白いことに、衛気(えき)は脾胃で生み出されます。

ピンと来られた方も多いと思いますが、言葉を変えただけで、東洋医学も西洋医学も同じことを言っています(^^)

ということで、
風邪が流行る今の時期は、脾胃をケアして、西洋医学で言う腸管免疫を低下しないようにし、カゼを予防する。そして、漢方視点で言うと、衛気(えき)を高めて、風邪などの予防をするとなります。

この脾胃を整える時に大事なのが食養生です。
食養生と言うと、食べ物の内容に意識が行きがちですが、他に


・食べる量
・食べ物の温度
・食べるタイミング


が大事です。

お店でお客さんへ伝えているのが


・バランスよく
・腹八分目の量で
・温かい物を
・ゆっくり、よく噛んで食べる
・食事は、朝昼夕と3度とる
・間食はしない
・食べて寝るまでに4時間以上あける


です。

 


そして、養生を実践しながら、体質的などに問題がある場合は、漢方薬のサポートを提案しています。漢方薬の一例をご紹介します。


◆胃腸が虚弱な方
・六君子湯(りっくんしとう)
・補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
・小建中湯(しょうけんちゅうとう)
・黄耆建中湯(おうぎけんちゅうとう)
・健脾散顆粒(けんぴさんかりゅう) <-併せて下痢を伴う方
・山楂子製剤(さんざしせいざい) <-消化力が弱い方

 


◆暴飲暴食の方
・健胃顆粒(けんいかりゅう)
・加味平胃散(かみへいいさん)
・清営顆粒(せいえいかりゅう)
・山楂子製剤(さんざしせいざい)
・大黄甘草湯(だいおうかんぞうとう) <-併せて便秘を伴う方

 


◆ストレスで脾胃の調子が悪い方
・逍遙顆粒(しょうようかりゅう)
・開気丸(かいきがん)
・桃核承気湯(とうかくじょうきとう) <-併せて便秘を伴う方

 


以上、脾胃をケアして、免疫力を維持する養生漢方薬のご紹介をさせていただきました。
冒頭でも述べていますが、カゼ、インフレンザが流行っています。本文を参考にしていただき、元気に冬を乗り切りましょう(^^b

 


<注意>
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより使う漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談し、適切な漢方薬をご購入ください。

熊本 菊陽町 菜の花漢方堂