目眩(めまい)は、漢方で解消!!~その3~


『目眩(めまい)は、漢方で解消!!~その3~』

目眩(めまい)にも色々ありますが、今回は立ちくらみの目眩への漢方薬をご紹介します。

相談では、


🔹立ち上がるときに


・ふらっとする
・血の気が引くような感じ
・眼前が急に暗くなる
・もう一度しゃがむか、手をつかないと倒れそうになる


🔹長く立っているとふらっとする。ふらつく。


などと表現されるお客さんが多いです。

この立ちくらみの大きな原因の1つとして、痰湿(体の病的な水)※が絡んでいます。
※前回とりあげたフワフワ浮遊感のする目眩の原因と同じです。

立ちくらみは、心下部辺りに水が滞ることにより、自ずと血管内の血量が少なくなり、一時的に、血が頭部へ十分に上がらないことで、立ちくらみが起こると考えます。根底に慢性的な血不足(血虚:けっきょ)低血圧を伴っていることもあります。

お腹(心下部)あたりに水が滞る原因の一例


🔹脂物、甘い物、味の濃い物の摂り過ぎ(偏食)
🔹冷たい飲食物をよくとる
🔹仕事の都合などで尿の回数が少ない
🔹デスクワークなどでほとんど発汗しない
🔹運動不足による筋力低下(下半身やインナーマッスル)

 


このような立ちくらみの目眩(めまい)に対して、使う漢方薬をご紹介します。

<<漢方>>


ファーストチョイスで使う漢方薬が


苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)』✨


胃腸を整え利水作用をもつ茯苓、白朮で水の巡りを良くし、桂皮で温めて体の腹部や頭部の血行をよくすることで立ちくらみの目眩をケアします。


上述しました、根底に血不足や低血圧気味という場合は、次のような漢方薬を併用して使うことがあります。


血不足を伴う場合
苓桂朮甘湯 + 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
  ※血不足の改善には数ヶ月以上かかります。


低血圧気味の場合
苓桂朮甘湯 + 補中益気湯(ほちゅうえっきとう)

 


次に、目眩(めまい)を起こしにくい体作りの養生をお伝えします。


<<養生>>


🔶脂物、甘い物、味の濃い物を控える
水の巡りが悪化しやすくなります。


🔶バランスの良い食事を心がける
目眩を起こしにくい体作りの第一歩は、血を巡らせるエネルギー、血を作り出す栄養をしっかりとること。目眩の相談を受けていると、食事に問題がある方に多い傾向があります。


🔶冷たい飲食物を極力摂らない
痰湿(体にとって病的な水)を作り出す原因になります。


🔶適度な運動で発汗と筋力アップを心がける
運動は気血水を巡らせてくれます。また筋力をつけることで血液の循環を補助すると共に、血を消費する筋肉がつくことで、血をもっと作る必要があると身体へ認識させることができます。


🔶インナーマッスルを鍛える
筋肉が血液の循環を補助してくれます。手軽なところでは、深い深呼吸がオススメ。

 


以上です。

立ちくらみの目眩(めまい)でお困りの方は、お気軽にご相談ください😊
体質をしっかり見定めて、適切な漢方薬と養生をお伝えします。

 


<注意>
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより使う漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談して適切な漢方薬を購入し服用してください。

熊本 菊陽町 菜の花漢方堂

食欲不振の漢方薬


『食欲不振の漢方薬』

食欲不振と言っても原因は様々。ただ、相談をしていると、だいたい3つの原因による胃腸機能の低下に分類されるんです。


(1)過労、大病後、長く病気を患っている、少食などによるエネルギー不足(気虚)
(2)ストレス(気滞)
(3)偏食、間食、水分のとりすぎ(痰湿)


※原因は1つではなく、重なっていることの方が多いです。

因みに、暑さでの食欲不振は上記の(1)、(3)が原因であることが多い。(1)の場合は、もともとエネルギー不足のところへ、暑さで代謝が上がり、よりエネルギー不足で胃腸を動かすことができずに食欲不振になる。(3)の場合は、冷たい飲食物の摂り過ぎにより胃腸機能を低下させての食欲不振になります。


原因が特定できて、問診でその方の体質などがわかってくれば漢方薬はおのずと決まってきます。
では、食欲不振に対する代表的な漢方薬の一例をご紹介します。


<漢方薬>


健胃顆粒(けんいかりゅう)または香砂六君子湯(こうしゃりっくんしとう)
上述の3つの原因をすべてカバーするので、食欲不振のファーストチョイスで提案する漢方薬です。
痰湿、気虚、気滞のいずれかが強く出ている場合は、本剤をベースにして、各原因を補足する漢方薬を足していきます。


◆補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
体力が落ちて虚弱な状態で食が細くなっている人の食欲不振に


◆柴芍六君子湯(さいしゃくりっくんしとう)
ストレスが原因で、みぞおちあたりのつかえを感じているような食欲不振に


◆加味平胃散(かみへいいさん)
前に食べた物が残っているような食の滞りの胃もたれ、胸焼けなどでの食欲不振に


勝湿顆粒(しょうしつかりゅう)または藿香正気散(かっこうしょうきさん)
梅雨や夏場の湿度が高い暑い時期に、水や生もの摂り過ぎによる食欲不振に。
気分が悪い、ひどい時は嘔吐の症状を伴うことがあります。

 


次に食欲不振予防の養生をご紹介します。

<養生>


🔸温かい、消化の良い食べ物を腹八分目で

🔸脂っこい物、甘い物、味の濃い物、辛い物を摂りすぎない

🔸冷たい飲み物と一緒に食事を摂らない

🔸寝る3時間以内に間食はしない。

🔸体力低下、疲労蓄積の方は、休養をこころがける

🔸水分補給はほどほどの量で

 


食欲不振は、体を動かすエネルギー、体を作り/修復する材料が入ってこなくなることを意味します。長引けば、様々な不調のきっかけになり、または、今の不調をより悪化させてしまいます。

食欲不振が起こった時は、早めの対応が大切です。また、日頃から食欲不振にならないよう、養生を実践することが大事です(^^)

 


<注意>
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより使う漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談して適切な漢方薬を購入し服用してください。

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