徒然養生
『爪は肝の状態を表す』
中医学で、肝の華は「爪」と言われます。
肝の状態は、目で見える体の表面部だと爪へ現れるという意味です。
どうして爪なのかというと、
肝で作り出された栄養は、血液をとおして手先・足先の末端まで送り届けられます。もし肝が弱って栄養不足などがあると、爪の生成に影響がでてくるからです。
手の爪は、成人で1ヶ月で平均3mm伸びると言われております。
私の場合で説明すると
人差し指の爪は約16mmなので、少なくとも5、6ヶ月ほど前からの状態を表してくれていると言えますね。
それでは、爪の色や形による体の状態とその養生方をご紹介します。
<<爪の色>>
◆全体はうす白く(半透明)、爪が薄い
中医学で血虚(けっきょ)と呼ばれる状態に多い爪です。言い換えると、血の量や栄養の不足している状態。
<養生>
血を補う食べ物をしっかりとりましょう。
◆白く(透明でない)<-足の爪に多い
真菌(水虫)に感染している可能性が高いです。まずは、病院の受診をお勧めします
◆赤みが強い※ <-運動直後、入浴後以外で
中医学で血熱(けつねつ)と言って、体に熱がこもっていたりする状態に多いです。また、血圧が高い人にも多いです。
<養生>
肥甘厚味と言って、脂物、甘い物、味の濃い物、非常に辛い物を常食していると熱を生じやすくなります。肥甘厚味を極力控えましょう。
◆くらい紫色(暗紫色)
手足が冷えている、血虚※等で、血の巡りが悪い状態。
<養生>
いつみてもを暗紫色をしている時は、血液の量を補うとともに、温めて血の巡りを良くしましょう。
※血虚:血の量・栄養が少ない状態
◆黄色っぽい
黄疸などの肝胆病が考えられますので、まずは病院の受診をお勧めします
<<爪の形>>
◆爪に横線がある
気血両虚と言って、血の量・栄養と元気の不足です。
<養生>
元気と血を補う食べ物を摂り、そして過労、寝不足などを避けましょう。
◆爪に深い縦線が多くある
爪は、縦線があるので判断がつきにくいです。
しかし、爪に深い縦線が多くある場合などは、老化が進んだり、栄養不足が起こっているといえます。老化は、過労、強いストレス、寝不足などが起因しています。
<養生>
毎日、過労、強いストレス、寝不足に曝露されている時は、可能な限り改善しましょう。栄養不足の場合は、食べ物でしっかり補いましょう。
◆爪先が割れやすい
血虚(血の量や栄養の不足)、過労、強いストレス、寝不足、乾燥などで起こります。
<養生>
養生は、上述の”爪に深い縦線がある場合”と同じです。
◆爪が反って、スプーン状にくぼんでいる
貧血の人に多いです。血虚(血の量や栄養の不足)です。
<養生>
血を補う食べ物をしっかり摂りましょう。特に鉄などのミネラルが不足しないよう注意しましょう。
<補足>
爪の状態は、いくつか重なった状態で現れてくることがほとんどです。
また、上述の血虚の場合は、食養生とともに、最初は漢方薬の助けをかりると回復が早いです。
最初に述べているように、爪は5~6ヶ月前からの体の状態を表しています。
よって、養生も5~6ヶ月くらい続けることによって、爪の状態に反映してきますので、あせらずじっくり取り組みましょう。日々、養生継続が体調回復につながります😊
熊本 菊陽町 菜の花漢方堂