『唾液トラブルは漢方で解消』
唾液のトラブルにも色々ありますが、当店の相談で多いのはドライマウス、唾液過多、唾液腺の炎症などです。
今回は、唾液不足(ドライマウス)と唾液過多の2つに絞って、漢方での対処法、予防養生をお伝えします。
唾液不足(ドライマウス)
漢方では体内の潤いを津液と呼び、津液は脾胃から生み出され、肺によって全身を巡ると考えます。よって、乾燥で肺胃が弱ると、十分な津液が体内を巡らないため、唾液不足が生じてきます。
(ちなみに、鼻詰まりで、口呼吸になりドライマウスになりますが、これは唾液不足ではないので説明の対象外としております)
唾液過多
脾胃が弱ると栄養の吸収が悪化し筋肉などへ滋養ができなくなり、体内の津液を留める力が弱ります。唾液も例外ではなく、留めることができずダラダラと唾液がでてきてしまいます。この時の唾液は、サラサラが特徴で、病中病後で体力の落ちている人、高齢者、小さい子供など、脾胃が弱りやすい方に多いです。
どちらも原因に脾胃の弱りがあることにお気づきだと思います。よって、これから紹介していく漢方薬、養生は、脾胃のケアがポイントになってきます。
<漢方薬>
少し遠回りに思える脾胃を立て直すことが唾液トラブル解決への近道です。
◆唾液不足傾向
麦味参顆粒(ばくみさんかりゅう)
健胃顆粒(けんいかりゅう)
健脾散エキス顆粒(けんぴさんえきすかりゅう)
補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
百合根配合食品(ゆりねはいごうしょくひん)
◆唾液過多傾向
補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
健胃顆粒(けんいかりゅう)
健脾散エキス顆粒(けんぴさんえきすかりゅう)
※経験則ですが、回復に数ヶ月から半年くらいの時間がかかることが多いです
次に養生を示します。
<養生>
🔶舌や唾液腺のマッサージで唾液分泌を促す(参考文献:チャイナビューNo.280 page14)
🟠舌回し
口の内側に沿って、舌で円を描くように舌を回す。小唾液腺が刺激され、唾液が出てくるようになります。
🟠唾液腺マッサージ(各10回程度を目安に)
①耳下腺:指3くらいをほほに当て、上の奥歯あたりから前にマッサージ
②顎下腺:あご下の骨の内側に親指を当て、やさしく押す
③舌下腺:あごの下から、指で下を押し上げるようにマッサージ
🔶温かい飲食を心がけ、生物、冷たい飲食物は控える
🔶暴飲暴食はしない。腹八分目でよく噛んで食べる
🔶偏食、間食(お菓子の食べ過ぎ)は避ける
🔶酸味を摂るようにして唾液の分泌を促す
🔶脾胃のケアの為、次の食材を食事に摂り入れてみてください
米、豆類(納豆、豆腐、豆乳、いんげん豆)
白菜、レンコン、大根、山芋、かぼちゃ
きのこ類(しいたけ、しめじ)
豚肉、鶏肉、太刀魚、
りんご、バナナ、はちみつ、オリーブオイル
など
以上、上記の漢方薬と養生で脾胃をケアしていただき、唾液トラブル軽減の一助になれば幸いです。
<注意>
本ページで掲載している漢方薬は一例です。
個人の体質、その日の体調、生活習慣、生活環境などにより使う漢方薬は変わります。
漢方の知識を持った専門家(医師、薬剤師、登録販売者)に相談して適切な漢方薬を購入し服用してください。
熊本 菊陽町 菜の花漢方堂